公開日 2025/08/20 12:00

Nothing、フラグシップスマホ「Phone (3)」。光る背面をやめて「Glyphマトリックス」を新採用

カメラ4基すべて4K 60fps動画撮影に対応
編集部:小野佳希
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Nothingは、フラグシップスマートフォン「Phone (3)」を8月28日9時に発売する。

ホワイトとブラックの2色展開で、メモリ 12GB/ストレージ 256GBモデル(税込124,800円)と、メモリ 16GB/ストレージ 512GBモデル(税込139,800円)をラインナップ。

直販サイト「Nothing.tech」以外では楽天モバイルでの専売となる。なお楽天モバイル店頭での販売は、従来よりも取り扱い店舗数が拡大する見込みだとのこと。

光る背面をやめて新たに「Glyphマトリックス」を採用

6.67インチ、解像度1,260x2,800のフレキシブルAMOLEDディスプレイを搭載し、シースルーの幾何学デザインを採用。カメラはアウトカメラ3基とインカメラ1基の合計4基で、すべてのカメラが4K動画撮影に対応している。7月にグローバル発表されていたモデルの日本市場投入が明らかになった格好だ。

なお日本市場向けモデルではFeliCaを搭載し、おサイフケータイに対応。さらに、eSIMにも対応する。

これまでのシリーズの大きな特徴だった「Glyphインターフェース」は、本体背面が光る仕様を廃止。

一方で、小さな円形のマイクロLEDディスプレイにドット絵のようなアイコンなどで様々な情報を表示する「Glyphマトリックス」と「Glyphボタン」を組み合わせて使う方式を新たに採用し、Glyphインターフェースを進化させた。

チップはSnapdragon 8s Gen 4を搭載し、Phone (2)と比べて全体の効率性が大きく向上したと同社は説明。5150mAhのシリコンカーボンバッテリーを採用し、出力65Wでの充電と15Wのワイヤレス充電に対応している。また、同社製完全ワイヤレスイヤホンなどへのワイヤレス給電も可能。そのほか、IP68相当の防水・防塵性能を備えている。

OSはAndroid 15をベースにしたNothing OS 3.5。Android 16およびNothing OS 4.0へのアップデートを2025年第3四半期に予定しているほか、Androidのメジャーアップデートを5年間、セキュリティアップデートを7年間にわたって提供する。

新採用の「Glyphマトリックス」とは?

本体背面は幾何学的フォルムとモジュール構造を融合した新たなデザインに。緩やかな曲線や円形モチーフを、3列のグリッドに規律的に配置することで、楽しさと時代を超越した構造的な美しさを両立させたとアピールしている。

一方、本体表面のスクリーンのベゼル幅は1.87ミリ。画面を取り巻くすべてのサイドで幅を均一にして、バランスのとれた没入感を生み出せるようにしたという。

今回新たに搭載した「Glyphマトリックス」は、489個のマイクロLEDが個別に点灯する円形の白黒ディスプレイ。連絡先やアプリからの通知など、独自のドットスタイルで表示する。

また、発売後のアップデートで機能追加を予定している「Essential通知」を利用すると、特定の連絡先、アプリ、キーワードからの未読通知に特定のアイコンを割り当てることもできる。

Glyphマトリックスでの通知は、円形ディスプレイの少し下に配置されているGlyphボタンをタップ/長押しすることで切替/選択可能。時刻やバッテリー残量表示、ミニゲームなどの「Glyphトイ」を切り替えて表示できる。なお、一般のソフトウェア開発者などでもGlyphトイを開発できるパブリックSDKも公開している。

Nothing史上もっとも明るいディスプレイ。AIなどの処理能力も向上

ハードウェアのスペック面を詳しく見ていくと、ディスプレイ部は前述とおり6.67インチ、解像度1,260x2,800のフレキシブルAMOLEDディスプレイを搭載。画素密度は460ppiで、HDR10+にも対応。

輝度はピーク輝度4,500ニト(HDRコンテンツ再生時)、屋外での全画面輝度1,600ニト、標準輝度800ニトという数値を実現した、Nothingのスマホ史上もっとも明るいディスプレイを搭載している。

さらに、30Hz〜120Hzのアダプティブリフレッシュレートに対応。タッチサンプリングレートは1000Hzで、240HzだったPhone(2)から大きく性能を向上させている。また、2160HzのPWM調光を採用することで目に優しく快適に使えるとも説明している。

そしてチップにはSnapdragon 8s Gen 4 モバイルプラットフォームを搭載。4nmプロセス技術を採用し、アップグレードされたQualcomm Kryo CPU アーキテクチャと最先端のQualcomm Adreno GPUによってさらに性能が向上したという。

Phone (2)と比較すると、CPU処理速度は36%速くなり、GPUグラフィック性能は88%向上。AI関連タスクの処理性能は60%向上し、画像認識は125%高速化された。

なお、最上位のSnapdragon 8 EliteではなくSnapdragon 8s Gen 4を選択した理由について、Nothing Japanマネージングディレクターの黒住吉郎氏は「価格と将来性のバランスを考えた」と説明。これらによって、同程度の他社のフラグシップ機よりも最終的な価格を比較的抑えている。

また、Snapdragon 8s Gen 4自体はSnapdragon Soundへ対応する能力を有しているが、Phone (3)がSnapdragon Soundに対応しているかはNothingでは明らかにしていない。

カメラ機能も強化。Ultra XDRビデオにも初対応

カメラ部は、メインカメラ、70mmペリスコープ(望遠)カメラ、視野角114度のウルトラワイドカメラ、そしてセルフィー用のフロントカメラという構成で、全カメラとも画素数は50MP。加えて、すべてのカメラで4K(60fps)動画撮影が行える。

メインカメラとペリスコープカメラは光学式手ブレ補正も装備。メインカメラには、クラス最高だという1/1.3インチの大型センサーを搭載し、暗所での撮影能力も向上させている。

画質が落ちないデジタルズームだというロスレスズームに、メインカメラは35mm(1.5倍)と48mm(2倍)、ペリスコープカメラは6倍まで対応。また、ペリスコープカメラはAI超解像60倍ズームも利用できる。

撮影画像の処理エンジンにはTrueLens Engine 4を搭載。Snapdragon 8s Gen 4に搭載された高性能ISPおよびAIエンジンを活用し、Phone (2)よりも125%高速に写真を処理し、リアルタイムのシーンセグメンテーション、ノイズの低減、より滑らかな動き、そして明るく迫力のあるHDR撮影が可能になったという。

さらに、本機はNothingのスマホとして初めてUltra XDRビデオに対応。各フレームを二重露光で撮影することで、シャドウとハイライトのバランスを調整し、鮮やかでリアルな映像を実現するとしている。

写真や音声メモをAIが自動整理しユーザーに提案

独自のNothing OS 3.5では、「Essentialサーチ」「Flip to Record」「Essential Space」といった各種機能を利用。例えばEssentialサーチは、ホーム画面を下から上にスワイプするだけでアクセスできるスマート検索バーで、連絡先、写真、ファイルなどを素早く見つけられるという。

Flip to Recordは、会議などの録音と文字起こし、発言者を認識しての録音内容を要約などを自動で行う機能。本体側面にあるEssential Keyを長押しし、本体を裏返すだけで本機能を利用できる。

Essential Spaceはアイデア、メモ、コンテンツなどの情報の保存と整理を、AIがサポートしてくれるという機能。従来の同社製スマホでもベータ版として提供されていたものが、今回正式に提供開始された。

同機能では例えば、本体側面のEssential Keyを一度押して画面をキャプチャしたり、長押しして音声メモを録音してデバイス上で音声をテキスト化したり、カメラアプリから写真をEssential Spaceに直接送信するなどといったことが可能。そして、それらのコンテンツをAIが自動的に整理し、カタログ化。音声の文字起こし、画像の説明、ユーザーにあった提案、要約、アクションプランを生成する。

そのほか、バッテリーの素材には従来のグラファイトアノードに代わってシリコンカーボン複合材料を新たに採用。これによって、Phone (2)と比べてエネルギー密度が10%向上。放電効率も向上し3.2Vまで電力を使い切ることが可能になり、1充電あたりの動作時間が長くなった。

こうした高度なバッテリー消費効率管理とバッテリー自体の大容量化により、例えばYouTube動画の再生時間をPhone (2)より最大19時間長くすることに成功。カメラやゲーム、編集などの作業を行っても一日中安定したパフォーマンスを発揮するとアピールしている。

なお、54分でフル充電ができ、19分で50%までバッテリーを回復可能。10分だけの充電でも、充電開始時点からバッテリーを28%回復させることができる。

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