公開日 2022/05/23 17:00

ISSにドッキング成功のStarliner宇宙船、飛行士の代わりにゲームキャラが搭乗【Gadget Gate】

無重力インジケーター
Munenori Taniguchi
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
幾度かの失敗を経て、先週初めてISSへのドッキングに成功したボーイングのStarliner宇宙船。今回は無人でのドッキングだったが、その座席には、宇宙開発ゲーム『カーバルスペースプログラム』のキャラクターがダミーとして座っていたことが明らかとなった。


『カーバルスペースプログラム』は、日本国内ではWindows PC、Mac、Linux向けに販売されており、海外ではPlayStation 4やXbox Oneでもリリースされている、メキシコ産の宇宙開発シミュレーションゲーム。プレイヤーは、カーボル星系の第三惑星カービンを拠点として宇宙船を開発し、宇宙へ飛び立つことが目的。他にも、飛行機や潜水艦といった乗り物を開発して探検調査を行うことや、緑色の顔をしたカービンの住人を操作して搭乗させることもできる。

ロケットの開発や宇宙空間への進出、惑星調査、惑星間移動などの経験を重ねることでポイントを稼ぎ、それによって新たなロケット開発や強化ができることなどが、実際の宇宙開発の学習にもなるため、NASAやそのほか宇宙関連業界の人々に人気のゲームだ。

そして今回、ボーイングが打ち上げたStarliner宇宙船に、このミッションの「無重力インジケーター」として、『カーバルスペースプログラム』のキャラクター「ジェブ」が密かに搭乗していたのだ。

今回、2度目のISSへのドッキングに挑戦して初めて成功したStarlinerだが、船内には生身の飛行士は搭乗せず、かわりに地球の重力から解放された状態で、様々なデータを取得するダミー人形「ロージー・デ・ロケット」が搭乗していた。さらにその相棒として、「ジェブ」のぬいぐるみが持ち込まれていたのだ。


かつて、ソ連の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンは、初の有人宇宙飛行の際、小さな人形を「無重力インジケーター」として持って行き、機体が無重力状態になって宙に浮かぶのを確認した。それ以来、国を問わず宇宙ミッションでは何らかの「無重力インジケーター」が機内に持ち込まれることが多い。今回はその役割を、ジェブ人形が担ったということだ。

『カーバルスペースプログラム』をプレイしたことがある人なら、ジェブは今回の乗組員にふさわしいと思ったことだろう。このゲームでは、プレイヤーは緑色の人々を宇宙空間に運ぶために宇宙船を開発するが、ほとんどの場合最初の挑戦は墜落して失敗に終わり、成功までにさらに数回の失敗を経験する。ボーイングも、Starlinerの最初のISSへのドッキングをソフトウェアの不具合で失敗しており、その後もハードウェア面の不具合などいくつかの問題が見つかったことで、数度の打ち上げ延期を経ていた。

ジェブ人形は、ISSのクルーらとともに数日間を軌道上で過ごし、その後Starlinerに戻って地上へ帰還する予定だ。

ちなみに、ジェブはボーイングの宇宙船に初めて搭乗した「無重力インジケーター」ではない。Starlinerが最初にISSへのドッキングに挑戦した際にも、船内には宇宙服を着たスヌーピー人形がいたとのことだ。また、ゲーム『カーバルスペースプログラム』はその第2作目が2023年にリリース予定だ


Source:Serg.Korsakov
via:collectSPACE, Engadget



※テック/ガジェット系メディア「Gadget Gate」を近日中にローンチ予定です。本稿は、そのプレバージョンの記事として掲載しています。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX