ガジェット 公開日 2022/09/09 15:21

PlayStationトップ、マイクロソフトの「現行契約の3年後までCoD提供」に不満を表明

ソニーとMSの歩み寄りは難しそうです
Gadget Gate
多根清史
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)社長兼CEOのジム・ライアン氏は、マイクロソフト(以下「MS」)ゲーム部門のトップであるフィル・スペンサー氏が「Call of Duty(CoD)」シリーズにつき「現行の契約期間が終わった後、3年間」PlayStation版を発売すると提案したことを明かしつつ、これを「多くの点で不適切であり、我々のゲーマーへの影響を考慮していない」との声明を出している。

MSがゲームパブリッシャー大手アクティビジョン・ブリザードの買収を進める上で、主な焦点が超人気IPであるCoDシリーズのゆくえである。もしもMSがXbox独占にするつもりだと見なされれば、世界各国の規制当局から買収を承認されづらくなってしまう。

それゆえMSはソニーのPS向けに今後もCoDを提供し続けることを約束しているが、問題は「いつまで」という点だ。その期間が短ければ、ソニーも各国の政府に反対意見を出すようになり、買収は成立しづらくなる……といった緊張関係が続いている次第だ。

火種となったスペンサー氏の発言は、The Vergeの取材に対して述べられたものだ。ここでは「今年1月、我々はソニーに対し、現在の契約期間を超えて、少なくともあと数年間は、同等の機能とコンテンツを保ちながら、PSでのCoD発売を保証する署名入り契約をした」と発言。さらに「一般的なゲーム業界の契約をはるかに超えるオファーだ」と付け加えていた。

今回のライアン氏による声明は、この発言を受けて行われたものだ。すなわち、スペンサー氏の言う「あと数年」とは、具体的には「アクティビジョンとソニーの現在の契約が終わった3年後」を指すようだ。そしてGamesIndustry.bizによると、その契約は今年発売の『Modern Warfare II』を含む今後3作のCoD作品をカバーすると考えられるという。すなわち1年に1作発売されるとして、CoDがPSで発売されるのは2027年までとなる可能性があるわけだ。

もともとライアン氏は「個人的なビジネスの話し合いだと思っていたので、コメントするつもりはなかった」という。が、「スペンサー氏がこの件を公の場に持ち出したので、記録を正す必要があると感じた」ため、こうして発言しているそうだ。

つまりライアン氏も、スペンサー氏が事実と異なる発言をしたと主張しているわけではない。ただ、「あと数年間」や「一般的なゲーム業界の契約をはるかに超える」などあいまいな言葉に対して、PS版CoDシリーズ発売が保証されているのは残り5年に過ぎない、とけん制しているようだ。

この解釈が正しければ、今年初めスペンサー氏が「(ソニーとアクティビジョンとの)既存のすべての契約を尊重するという我々の意図と、PSでCoDを維持したいという願いを確認した」と発言したことと、少し隔たりがあるようにも思える。

MSにとってソニーは手強いライバルであり、CoDシリーズは切り札として取っておきたい意図もあるのかもしれない。いずれにせよ、一般ゲーマーを巻き込まないよう祈りたいところだ。

Source: GamesIndustry.biz
via: Ars Technica

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 レコードの音楽を読み取って光るターンテーブル。オーディオテクニカ「Hotaru」一般販売スタート
2 ダイソンとPORTERがコラボした特別デザインのヘッドホンとショルダーバッグ。全世界380セット限定販売
3 LUMINの進化は終わらない。初のディスクリートDAC搭載「X2」の思想を開発担当者に訊く!
4 Spotif、2025年に最も聴かれた邦楽は「ライラック」。国内外で最も聴かれた楽曲・アーティストの年間ランキング発表
5 DUNU、7ドライバー/トライブリッド構成を採用したイヤホン「DN 142」
6 カセットテープとともに過ごすカフェ「CASSE」。12/17渋谷でグランドオープン
7 Vento、3次元特殊メッシュを採用したハイブリッド拡散パネル「DAP180 / DAP120」
8 AVIOT、最大120時間再生と小型軽量を両立したオンイヤー型Bluetoothヘッドホン「WA-G1」
9 サンワサプライ、省スペース設置できる木製キャビネットのサウンドバー「400-SP120」
10 アイレックス、ALBEDO/AUDIAブランド製品の価格改定を発表。2026年1月1日より
12/5 10:47 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX