公開日 2019/07/26 06:30

テレビ年間1,800万台販売、ハイセンス開発・生産拠点を訪ねてわかった“躍進の理由”

驚きの規模とスピード感
編集部:風間雄介(Yusuke Kazama)
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テレビ工場では年間1,400万台のテレビが作られる

実際にテレビが作られている工場も訪問し、見学することができた。

青島郊外にあるハイセンスのテレビ工場

このテレビ工場は2フロア構成で、延べ床面積は8,600平方メートルに及ぶ巨大な生産現場だ。ここで、1年間に約1,400万台のテレビが作られ、世界中の市場へ送られている。

この工場で作っているテレビのサイズは、32インチから86インチまでと幅広い。有機ELテレビもこの工場で作られており、東芝ブランドのX830シリーズもこの工場で製造しているという。

美しく整理整頓され、かつ清潔。パネルモジュールを作るラインでは作業員の防塵も徹底している

効率を極限まで高めるため、自動化も積極的に行っており、90%以上のラインにロボットが導入されている。また、自動化設備は85%が中国産とのことで、このあたりにも中国の技術力の高さを感じる。

パネルやバックライト、フィルムなどを組み上げ、パネルモジュールにする部分は見ることが出来なかったが、その後のアッセンブリーラインはつぶさに見学できた。工場内で作業する方々の前には、液晶ディスプレイが置かれ、作業マニュアルが表示される。作る商品や仕様が変わってもすぐに対応することができるし、紙の節約にもつながる。

モニターに映し出されたマニュアルをチェックしながら作業。作業内容が変わっても即座に対応できる

そしてトレーサビリティーもしっかり配慮しており、もし作業ミスがあったら、どの段階でミスがあったのか、バーコードを辿ることですぐに原因を探ることが可能。不良率を極限まで抑える対策が徹底されている。

バックカバーのネジ止めもロボットが行う

さらに工場内では、テレビの基幹部品であるメインボードも製造している。こちらも写真を撮ることはできなかったが、メインボードの表面実装を行う為のはんだプリンター、そして抵抗やコンデンサーなどを高速にマウントしていくパナソニック製の高価な製造機器が複数置かれ、文字通り流れるようなスピードで基板が作られていく様子は圧巻だ。

そうして作られたテレビは、中国国内はもちろん、欧州や米国、日本、その他様々な国へ送られていく。一つの工場で大量かつ多品種のテレビを休みなく生産し、スムーズに倉庫へ並べ、そして遅滞なく発送していく。それを支えているのが、洗練された自動化オペレーションだ。

最終の箱詰め作業まで、ほとんどの工程が自動化されている

とにかくスケールが大きい。今後の発展に期待

今回のツアーでは、テレビ工場のほかに、エアコンの工場や冷蔵庫の工場も視察した。白物家電の工場は、土地面積が80万平方メートル(東京ドーム約17個分)という途方もない大きさだ。敷地内には居住棟が立ち並ぶ場所もあり、最大8,000人が暮らしている。もはや工場というより、一つの町というべきスケールだ。

工場自体もものすごく規模が大きく、端から端まで歩くだけで、かなりハードなウォーキングになるほど広い。その中を所狭しとラインが敷かれ、どのラインも活発に動いている。

エアコンの製造では日本製のロボットなどが活躍

冷凍庫や冷蔵庫がハイスピードで組み立てられていく様子は圧巻だ

テレビ工場と同様、自動化がかなり進んでおり、人とロボット、自動化機器が一体となって生産が行われていた。まだ日本市場では、ハイセンスの白物家電機器は種類が少なく、かつ低価格機が中心となっているが、中国国内、そして海外市場では、最先端の高級機もラインナップしている。

たとえば洗濯機では、中・高級機は洗剤の自動投入機能は当たり前になっているし、冷蔵庫も大型タッチディスプレイを備え、音声アシスタントと会話できるモデルまでラインナップしている。

右にある縦型の物体は、実はエアコン。中国では高機能な縦型も人気だ

洗濯機も大型タッチ画面を搭載していたり、非常に高機能だ

そして、印象的だったのは製造段階でのテストの厳密さだ。たとえば冷蔵庫の場合、通常は30分程度のチェックを行うところ、ハイセンスは2時間をかけてしっかりとチェックする。効率一辺倒ではなく、品質を高めるには時間的なコストをかけることも厭わない企業姿勢が現れていた。



今回、ハイセンスの本社、R&Dセンター、そして工場を訪ねて、そのスケールの大きさはもちろん、貪欲に成長や進化を求めるエネルギッシュさ、スピード感にも目を見張った。今後、ハイセンスはさらに高度なモノづくりを行い、話題をさらい続けることだろう。そう予感させるに十分なダイナミズムを、今回の訪問で感じることができた。

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