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ハイセンスジャパン・李社長に聞く

着実に成長、高まる存在感。2020年ハイセンスジャパン創立10周年へ向けさらなる飛躍を誓う

2019/07/24 PHILE WEB ビジネス編集部
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東芝映像ソリューションの映像技術を得てテレビにおけるシナジーを発揮。市場での存在感をぐんぐんと高めるハイセンス。今年はハイセンス(中国・青島)創立50周年、そして、来年2020年はハイセンスジャパン10周年と節目の年が続く。市場活性化へその活躍にもさらに注目が集まる中、さらなる飛躍を誓う李社長に話を聞く。(インタビュアー:ファイルウェブ編集部 風間雄介/撮影:君嶋寛慶)


ハイセンスジャパン株式会社 代表取締役社長
李 文麗


プロフィール/1972年生まれ、中国・青島出身。95年、青島大学卒業、ハイセンスグループ入社。2001年 Hisense USA、03年 Hisenseオーストラリア、07年 Hisenseヨーロッパ、11年 Hisense韓国事務所に勤務し、ずっと海外販売に携わり、2011年10月 ハイセンスジャパンに就任。現在に至る

■売上げ、シェア、認知のアップに手応え

―― 2010年11月4日にハイセンスジャパンが創立されてから、まもなく丸9年を迎えようとしています。

 テレビ販売からスタートを切り、2015年に冷蔵庫、2016年には洗濯機市場にも参入、そして今春からエアコンの販売もスタートしました。アフターサービスも手掛けており、全国に93の拠点を構えています。立ち上がりはそれこそ10人にも満たない規模でしたが、現在は会社組織として、営業統括部、商品企画統括部、サービス統括部、そして、業務サポートに当たる財務部と人事総務部があり、2019年3月時点での従業員数は約70名になります。競争の激しい日本市場で、2011年に数億だった売上高は、2018年には20倍以上にまで成長しました。マーケットシェアもテレビの2019年1月〜5月累計で9%前後になります。

―― 売上げ、シェアともにここまで着実に拡大されています。

 ローエンドの商品からスタートを切り、「ハイセンス」というブランドの認知も決して高くはなかった当初3年くらいは、得意先との信頼関係ももちろんまだ築かれていませんし、いま振り返ると非常に大変な時期でした。そこから徐々に得意先とも信頼関係が構築され、製品ラインナップもエントリーからミドル、さらにハイエンドへと拡がり、売上げ、マーケットシェアともに着実に右肩上がりで推移してきました。特に2018年に東芝映像ソリューションの映像技術を得て、また、両社の開発チームによる協力体制が完成したことで、テレビの質的なレベルアップはさらに加速しています。

ワールドワイドでのテレビの生産台数は年間1,800万台以上と世界第4位。写真は中国・青島のR&D拠点

ハイセンスは、スポーツマーケティングに対し、グローバルレベルで大変力を入れています。最近でも2016年にはサッカー「UEFA EURO(欧州選手権)2016」、2018年には「2018 FIFAワールドカップ ロシア大会」、そして来年2020年には「UEFA EURO 2020」のオフィシャルスポンサーになるなど、日本の消費者の間でも「ハイセンス」というブランドに対する認知が確実に高まってきていることを強く実感します。

―― テレビのシェアは昨年と比べてかなり伸長しているそうですね。

 調査会社のデータなどからも、ハイセンス製品の購入者の中心年齢層は40歳以下と若いお客様から特に高い支持をいただいています。やはり、新しいブランド、海外ブランドであっても、よい製品であれば素直に受け入れていただける土壌が若い人ほど高いのではないでしょうか。

―― 今後、さらに成長していく上での課題をどのようにお考えですか。

 いかに消費者ニーズに応えられる商品を提供できるかです。5G、AI、IoTなどの新しい技術を採り入れていくことも重要なポイントです。日本のお客様がどのようなニーズをお持ちなのか。それを吸収し、商品企画に活かしていくことが、ハイセンスジャパンの重要な役割となります。そこへ、本社の開発能力や技術力などのリソースを存分に活かし、日本市場へより満足度の高い商品をご提供していくことが何より大事になります。

■東芝映像ソリューションとのシナジーを発揮

―― 競争力を高める観点からは、東芝映像ソリューションの映像技術を得て、そのシナジーに注目が集まります。研究開発における本社(中国・青島)との協力体制についてお聞かせください。

 東芝映像ソリューションの開発部隊は、日本市場におけるテレビ製品の規格や基準を熟知していることはもちろん、画質をはじめとしたテレビ技術に対して非常に優れた力を持っています。一方、ハイセンス本社の開発部隊は、液晶パネルやモジュール、プラットフォームなどの面で非常に優れた技術があります。これら両者それぞれの優れた点を活かすことで、商品開発にも大きなシナジーを発揮できると確信していますし、すでに、その成果が出始めています。

―― 先ごろ発表された「VGP2019 SUMMER」では、映像の輝度感を高める特殊フィルターを採用したE6800シリーズが技術賞、レグザエンジンNEO Plusが企画書を受賞されるなど、大変高い評価が集まりました。現在、市場では4K BSチューナー内蔵65V型で20万円を切る抜群のコストパフォーマンスを誇るU7Eシリーズが品切れだとお聞きします。

 光を効果的に通すフィルター技術に関しては、E6800シリーズに搭載していますが、かなりのインパクトの大きさに手応えを実感しています。一方の65U7Eについては、当初は日本の住宅事情を考え、65V型はさすがに大きすぎるのではないかとの考えもありましたが、改めてこのサイズにも非常に大きな潜在ニーズがあることが確信できましたので、今後、販売を強化して参ります。

「VGP2019 SUMMER」で技術賞に輝いたBS/CS 4Kチューナー内蔵液晶テレビ「E6800シリーズ」

―― グローバルで高いシェアを誇るハイセンスのコスト競争力は桁違いですね。

 日本のテレビ市場が年間約500万台ですが、ハイセンスのワールドワイドでのテレビ生産台数は年間1,800万台以上、世界第4位になります。そのバイイングパワーを活かして、コスト面では大変優れた力を有しています。

―― ハイセンスのテレビには数々の魅力がありますが、そのひとつとして、中国を中心に約4300万人が使用されているスマートテレビプラットフォーム「聚好看(ジュハオカン)」がありますね。

 このハイセンスが独自で運営するプラットフォームの中には、テレビ番組はもちろん、映画、教育コンテンツ、ゲーム、ショッピング、さらにカラオケまであらゆるものがすべて入っています。一度使い始めたら手放せない非常に便利なツールとして、中国をはじめ、グローバルでも高い評価を受けており、2019年5月4日時点で、ユーザー数は4,304万(中国国内3,419万、海外885万)、2020年には6,500万の達成を見込んでいます。

これまでのテレビの役割は番組を見るだけでしたが、これからは、テレビを通じてショッピングもできるしカラオケもできる。いろいろな付加価値を入れ、消費者に便利なサービスを提供していくことがハイセンスの戦略です。現在、このプラットフォームのメインは中国ですが、今後は海外での展開にも力を入れていく方針です。

―― 日本での展開はいかがですか。

 日本では、現在発売している4K BSチューナー内蔵テレビに、合計11個のビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスを搭載し、コンテンツ表示の順番を入れ替えたり、好みに合わせて自在にカスタマイズしたりできる、ハイセンス独自のわかりやすくて使いやすいプラットフォーム「VIDAA」を搭載しています。今後、VIDAAをさらに進化させて、消費者にさまざまな付加価値を提供していく予定です。

■2020年はハイセンスジャパン10周年を迎える飛躍の年

―― 今年はハイセンス創立50周年となります。キャンペーン等も大々的に展開されていくとのことで、昨年の「2018 FIFAワールドカップ ロシア大会」公式スポンサーに引き続き、テレビ市場活性化への御社に対する期待感も高まっています。

今年、創立50周年を迎えるハイセンス。写真は中国・青島に構える本社ビル

 今年、ハイセンスが50周年を迎える節目のタイミングにあたり、改めてハイセンスの商品や高い技術力をもっと知っていただくために、日本のメディアの方に中国・青島の本社を取材していただきました。ハイセンスジャパンにおいても同時に、商品キャンペーンを精力的に展開していくことで、商品販売を促進するとともに、ブランドに対する認知をさらに一段高めていきます。

そしてこの勢いを、東京オリンピック・パラリンピックで盛り上がる来年にもつなげていきたい。公式スポンサーをつとめる「UEFA EURO 2020」も開催されますし、ハイセンスジャパンではちょうど10周年を迎えます。キャンペーンの数を増やし、店頭を大いに盛り上げて参ります。

―― 10周年、大きな節目の年になりますね。

 われわれハイセンスジャパンでは節目の年を迎えるにあたって3つのビジョンがあります。1つ目は「ハイセンスブランドの構築」。さまざまなマーケティング活動を通じて、Hisenseブランドの認知を高める。また、高品位製品の販売を通じて、信頼されるブランドとなること。

来年、創立10周年を迎えるハイセンスジャパン。「日本でのブランド認知をさらに高めていきたい」と積極的に語る

2つ目は「快適な生活提案」。ハイセンスはテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコンを製造販売する総合家電メーカーとして、常に新しい技術を追い求め、より快適な製品、より感動を与える製品を生み出していくことにより、快適な生活を提案していく。

3つ目は「スタイリッシュなライフスタイルの提案」。より洗練されたデザインの採用により、“テレビも冷蔵庫も洗濯機もエアコンもHisense製品はかっこいい”“機能面でもスマートだ”という評価を得て、ユーザーからその製品でかっこいい生活スタイルをおくりたいと思われる製品を生み出していく。

そのために必要なことは常に顧客中心に製品開発、顧客サービスを考え続け、高いレベルのサービスを提供していくこと。以上のことを通じて、これからの10年間、売上高で現状の10倍へのチャレンジ、マーケット金額シェアでTOPクラスのシェアの目標を掲げます。これからのハイセンスジャパンのさらなる活躍にどうぞご期待ください。

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