公開日 2011/09/21 13:47

【10月27日発売『Net Audio vol.4』】− 音の良いスタジオを訪ねる〜世田谷・パストラル・サウンド〜

生音を大切にするミュージシャンへ
Net Audio編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
10月27日に発売を予定している『Net Audio Vol.4』。同号で訪れている世田谷のレコーディングスタジオ「パストラル・サウンド」をご紹介しよう。

生音の録音にこだわるレコーディングスタジオ Pastral Sound

パストラル・サウンドは、1939年から「音響効果」の仕事を一筋に追求してきたエンジニア 園田芳龍氏の精神を受け継いでさらに発展させるべく、同氏の息子である園田芳伸氏によって1979年5月に設立されたレコーディングスタジオである。これまで演劇の舞台効果に始まり、映画、テレビ、プラネタリウム、舞踊、イベント、展示映像の音楽制作や効果音制作、選曲を主に手がけてきた。そして2004年、現在居を構える世田谷区奥沢のスタジオに巡り会う。現在は、3代目となる芳伸氏の息子 園田圭吾氏が、この恵まれた音響空間を活かすべく独自のレコーディングスタジオを創り上げている。


現在スタジオの運営を行う3代目の園田圭吾氏
圭吾氏にパストラル・サウンドの魅力を伺うと、なによりもまず「このスタジオは、生楽器の音をきれいに録りたいと考えているミュージシャンやアーティストに、ぜひご利用いただきたい」との答えが返ってきた。スタジオは十分な天井の高さを確保した空間で、録音ブースはメインブース、ピアノブース、単楽器ブースに分かれており、楽器本来の響きを求めるのに欠かせない同時レコーディングに対応する。NeumanのU87などのマイクを始め、millennia HV-3Dマイクプリや、マスターコンプにNEVE 33609を導入するなど、用意されている機材を見ても生音の録音に関して強いこだわりが感じ取れる。圭吾氏によれば、「混じりけのない透き通った“素直で良い音”を録ることを目標に機材を選択し、配線にもその点を心がけている」とのこと。広いブースで収録されたマイクラインをダイレクトにプロツールスへ取り込むことで、理想的な音作りを狙っている。「利用するエンジニアやミュージシャンに、最大限のコストパフォーマンスを提供したい」との思いも含まれているそうだ。


コントロールルーム。スタジオ同様、高い天井のゆったりとした空間。出番を待つミュージシャンからもリラックスできると好評
そんなこだわりを持って運営されているスタジオなだけに、レコーディングを行ったミュージシャンやエンジニアからの信頼は篤いものがある。いま注目のギタリスト、堀聡のファーストアルバム「Satoshi Hori」や、5月に発売されたTico moonの「daydream garden」などがパストラル・サウンドで録音された。またその際、Tico moonのプロデュースを行った伊藤ゴロー氏の希望により、7月に発売されたnaomi & goro &菊池成孔のニューアルバム「calendula」もパストラル・サウンドにてレコーディングされることとなった経緯がある。そしてピアノブースにグランドピアノを常設しているのも、このスタジオの大きな特徴。その音質の良さは評判で、ジョイスやセルジオ・サントスのサポート、アミルトン・ヂ・オランダやガブリエレ・ミラバッシとの共演などで、現在ブラジル国内外のピアノ・シーンをリードする注目の若手ピアニスト アンドレ・メーマリの録音も同スタジオにて行われた。圭吾氏の話によれば「弦楽カルテットの録音などにもぜひお勧めしたい」とのことだ。


いま注目のギタリスト、堀聡の1stアルバムもPastral Soundにて録音された
圭吾氏の言葉には「人とのつながり」というフレーズが頻繁に出てくる。「生音に対する誠実な思い、また、それを録音するためのスタジオとしてのこだわりが、ミュージシャンやエンジニアをつなぎ、新たな音楽を世に送り出していくきっかけである」と強く感じさせる。圭吾氏は「このスタジオを通じて、まだ世に出てきていない素晴らしい音楽や、才能を送り出す助けができれば嬉しい」と語った。この先、パストラル・サウンドからどんな素晴らしい音楽が生まれてくるのか、期待と楽しみは尽きることがない。

Pastral Sound
東京都世田谷区奥沢2-4-12
TEL 03-5701-7077
URL:http://www.pastorale.co.jp/

<追記>
10月27日発売の『Net Audio Vol.4』では、パストラル・サウンドで行われた、ギタリスト堀聡さんのレコーディングを取材させて頂いている。編集部ではその模様のほか、本誌のためだけに特別にレコーディングして頂いた音源をお届けできるよう『Net Audio Vol.4』の制作を進めている。ぜひ本誌発売前に堀さんの音楽に触れて頂きながら、10月27日の発売を心待ちにして頂きたい。

堀聡 1st Album 「Satoshi Hori」

堀聡 First Album
「Satoshi Hori」
Moodstock & Maleta/バウンディ ¥2,625

ご購入はこちらのページ(Amazon)より

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 DALIのコンパクトスピーカー「KUPID」はテレビ横にも置きたくなる!エンタメサウンドも相性抜群
2 ビックカメラ、旧池袋マルイ跡地「IT tower TOKYO」に出店。2026年3月オープン予定
3 Valerion、4Kレーザープロジェクター&スクリーンのセットを最大43%オフで販売する「クリスマスセール」
4 スクリーンを下ろせば和室がホームシアターに変身! ユニークな機器レイアウトに注目
5 ORB、“最良の音楽表現” を目指したフラグシップヘッドホンアンプ「JADE casa Ultimate」
6 「ベーシック」の常識を覆すハイレベルなインターコネクトケーブル Zonotone「Granster AC-2000」
7 KEF、対象スピーカー購入者全員へChord Company製ケーブルをプレゼントするキャンペーン
8 LG、RGBマイクロLEDテレビ「Micro RGB evo」。CES2026で正式発表へ
9 NICEHCK、新フラグシップIEM「Rockies」。1DD+2BA+2ESTのハイブリッドドライバー搭載
10 <ポタフェス>B&W、フラグシップヘッドホン新旧比較/デノン、リアルウッドヘッドホンをアナログで味わう
12/18 10:50 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX