公開日 2023/05/06 10:00

U-NEXTなら「1人しか観ない作品」も配信。拡大続く国内最大サービスが目指す先とは

Paravi統合やSPOTV NOWパートナーシップなど注目の動画配信サービス
編集部:杉山康介
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音楽サブスクも取り込みたい。月額税込2,189円を “高くない” と感じさせるためにサービス拡充中

ーー 価格の話が出たので率直に伺いますが、月額2,189円というのは、他サービスと比べて2倍、あるいはそれ以上の価格になってきます。作品数が多く、クオリティにも配慮しているとはいえ、ユーザーにとってはかなりのネガティブ要素かと思うのですが……。

佐野:高いということは我々も認識しておりますし、解約されるお客様の理由としても「高いから」が1番多く挙げられます。なので、この月額料金内でいろいろなことができるよう会員様向けに毎月1,200円分のポイントをお渡しし、このポイントの使える範囲をどんどん広げていこう、と取り組んでいます。

具体的な使い途としては、最新映画やドラマのレンタル配信に加え、近年は電子書籍の購入に充てられる方が増えていますね。現在は約91万冊を配信しているのですが、例えば『鬼滅の刃』のアニメをU-NEXTで視聴して、そのままU-NEXTで原作漫画を購入して読むケースが多いようです。コミックのランキングを見ると、メディア化作品が軒並み上位に並んでいることも特徴です。

映像だけでなく電子書籍もサービス内で楽しめる

また、ポイントはライブや舞台のチケット購入にも使えるほか、TOHOシネマズさんをはじめ、全国2,500館以上の劇場で映画チケットを購入することも可能です。ポイントとは別ですが、会員様向けには雑誌の読み放題サービスも行っていまして、そちらもご好評いただいています。

ーー 動画配信サービス単体として考えると月額2,189円は高いですが、毎月の映画代や本代のうち1,200円分をポイントで賄うと考えれば、実質的には989円で動画&雑誌サブスクが利用できる、というイメージですね。先ほど「デジタルエンターテインメントは全部取り込みたい」とおっしゃっていましたが、映像作品と書籍以外、例えば音楽なども取り込もうというお考えはありますか?

佐野:まさに音楽サブスクは、今後U-NEXTの中に取り込みたいと構想しているサービスです。今も音楽ライブやミュージックビデオなどは拡充していますが、音楽サブスクも提供できるようになれば、『鬼滅の刃』のアニメを見てから原作を買って、さらに主題歌もU-NEXTのアプリ内で聴くことができるという、よりシームレスなエンタメ体験を提供できるようになりますので、着々と準備を進めているところです。

ーー それは非常に楽しみですね! とはいえ、そこまで実現した場合には月額料金も上げざるを得ないのでは?

佐野:まだまだ「高い」というお声はいただいておりますので、現状では月額2,189円のまま進めていくつもりです。最近はスポーツコンテンツの拡充によってスポーツファンの会員様も増えてきたのですが、それまで加入していたスポーツ配信サービスやCSチャンネルの月額料金に比べるとそこまで高くはない、というご意見もいただくようになりました。

また、最近は「原作の開発」にも力を入れはじめています。日本は出版大国で、マンガや小説などのメディア化が非常に多い国でもあります。物語を創り出す才能も集まっているので、まずは原作の開発から手掛けようと。よくU-NEXTオリジナル作品は作らないの? と聞かれるのですが、漫画や小説、そして今後提供予定のWebtoonにてU-NEXTオリジナル作品を発表し、人気タイトルを映像化するというサイクルが構築できれば、と考えています。

ーー U-NEXTとParaviの統合をはじめ、DMMは「DMM TV」をローンチしたり、ドコモはdTVを「Lemino」へリニューアルしたりと、いま動画配信サービスの世界が新たに動きつつあるように思います。そんな中、U-NEXTの今後の展望や目指すところなど、お聞かせください。

佐野:業界を見るとPrime VideoさんやNetflixさん、Disney+さんがトップにいらっしゃり、またコンテンツの調達合戦も世界レベルで繰り広げられています。U-NEXTはドメスティックなサービスですが、グローバルのサービスにも負けないようサービスの拡充、満足度を上げていくことが大事だと思っています。

映画・映像ファンの皆様からもご期待いただいているので、注目作からマニアックなところまで取りこぼしなく揃えて、「レンタル店の最終進化系」としてサービスの充実を図っていきます。ぜひご注目いただけるとありがたいです。

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