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【第190回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

このおもてなし、怒るべき…? 超絶胸クソ映画をハリウッドがリメイクした “おもてなしスリラー”

公開日 2025/10/24 10:46 ミヤザキタケル
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サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2024年公開の『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』をご紹介します!

                   ◇

 

『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』(2024年・アメリカ)
(配信:Amazon Prime Video / U-NEXT

『スピーク・ノー・イーブル/異常な家族』
ブルーレイ + DVD セット:5,280円(税込み)
発売・販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
C2024 Universal Studios. All Rights Reserved.

デンマークとオランダの合作スリラー『胸騒ぎ』を、『ブラック・フォン』『ゲット・アウト』『透明人間』『ミーガン』などのホラー作品で知られる製作会社ブラムハウスがハリウッドリメイク。

旅行先のイタリアで出会ったパトリック(ジェームズ・マカヴォイ)一家と親しくなり、人里離れた自宅へ招待されたアメリカ人家族。しかし、楽しい時間は束の間。違和感あるおもてなしの数々に不安を抱き始め、パトリックに気付かれぬようこっそり帰宅しようとするのだが……

『スピーク・ノー・イーブル/異常な家族』(C2024 Universal Studios. All Rights Reserved.

大まかなストーリー展開はオリジナルの『胸騒ぎ』と変わらないものの、ジェームズ・マカヴォイという牽引力のある俳優が出演している点や、招き入れられる夫婦と娘の設定がオリジナル版より掘り下げられている点など、オリジナル版とは明確な差別化が図られている本作。

何より、終盤からの展開が全くの別物となっており、『胸騒ぎ』を鑑賞済みの方であっても、また違った味わいを楽しむことのできる作りとなっている。言うなれば、胸クソ悪さや理不尽さが最大の魅力であったオリジナル版と、エンタメに特化したからこその魅力が詰まったリメイク版。

『スピーク・ノー・イーブル/異常な家族』(C2024 Universal Studios. All Rights Reserved.

怒るべきか否かを迷う絶妙な匙加減のおもてなしに翻弄されている内に、パトリック一家の狂気に晒されていくアメリカ人家族。明かされる真実は、是非ご自分の目と心でお確かめください。また、『胸騒ぎ』未視聴且つ、より狂気的で不快な作品を浴びたいという方は、是非オリジナル版も併せてご鑑賞ください。

 

C2024 Universal Studios. All Rights Reserved.

※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。

 

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