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【連載】ガジェットTIPS

壁面の「アンテナ端子」はネット接続に使える!サクッと解説

公開日 2021/08/21 07:00 海上忍
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部屋の片隅にある「テレビコンセント」。アンテナやケーブルテレビからの信号をテレビに引き込むためのものですが、それ以外の用途にも使えること、ご存知ですか?

実はこのテレビコンセント、ホームネットワーク/LANに利用できます。家庭用LANといえば、有線/イーサネット(IEEE 802.3)か無線(IEEE 802.11)を思い浮かべますが、テレビ配線と同じ同軸ケーブルを用いた通信規格も存在するのです。

「テレビコンセント」はLANとして使えること、ご存知ですか?

考えてみれば、ケーブルテレビを利用したインターネット接続サービスも存在するのだから不思議はありませんが、この「テレビコンセントを利用したLAN」は見落とされがちです。同じアンテナ/分配器につながっているテレビコンセントを利用すれば、厚い壁を挟んだ隣室/階違いの部屋であっても、工事いらずで有線の安定した通信環境が手に入るのです。

必要な機材は同軸ケーブルと、イーサネットケーブルの信号を同軸ケーブルのものに変換する装置(同軸モデム/TLCモデム)を部屋数に応じて用意するだけ。同軸ケーブルモデムのしくみは単純で安価なため、コストもそれほどかかりません。同軸ケーブルを使うだけあってノイズに強く、LANケーブルと比べ伝送距離は数十倍とされるほどです。

同軸モデムの一例、ZEXELON「ZEX-200CSV2-HN」

ただし、集合住宅では動作保証がないうえに、使用する周波数帯が重なるケーブルTVとは併用できません。ハイパスフィルターの設置に不備があると通信速度低下を招くなど、設置の難しさもあります。屋内配線を利用したホームネットワークは、コンセントからつながる電力線を使いイーサネットの信号を伝送する「PLC」もありますから、テレビコンセントを利用したLANはその選択肢のひとつ、と考えたほうがいいでしょう。

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