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【連載】ガジェットTIPS

デジタル機器でよく聞く「ファームウェア」、その正体とは

公開日 2021/08/17 06:40 海上忍
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デジタルガジェットを利用していると、ときどき「ファームウェア」という言葉を見かけます。パソコンやスマートフォンの基本ソフト(オペレーションシステム、OS)のようなものだろう、と認識している人が多いようですが...実は、似て非なるものです。

ファームウェアって何?

まず、ファームウェアとは「機器に内蔵された制御用ソフトウェア」のこと。ハードウェアを制御することが基本的な役割で、ファーム(firm、硬い/堅固な)という言葉が示すとおり、機器全体を支える土台のような存在です。日本語に例えると、「50音の発音や基本的な文法に相当するソフトウェア」といえるでしょうか。その流れでいうと、OSやアプリケーションソフトは日本語で書かれた教科書や小説になりますね。

ファームウェアはいわば基礎の基礎を支えるソフトウェアですから、更新する必要がないこともあります。その場合は書き換え不可のメモリ(ROM)に記録し、事実上ハードウェアと一体化して運用されます。しかし、近年ではファームウェアに更新の余地をもたせる設計が増え、電源をオフにしても消えない書き換え可能なメモリ(EEPROM)に記録するケースが増えています。

意外なところにもファームウェアは存在します。たとえば、ハードディスクには読み取り用のヘッドを動かしたり、ホストコントローラと通信したりするファームウェアが搭載されています。冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機などの白物家電にも、小さなRFIDタグにもファームウェアは存在します。プログラマブルな(独自機能を組み込める)ICが搭載されていれば、ファームウェアに相当するソフトウェアが存在するというわけです。

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