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final「VR3000 for Gaming」

“えっちなイヤホン”の上位モデルは“すごくえっち”なの? またおじさんが確かめてみた

公開日 2020/12/27 07:00 編集部:押野 由宇
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「すごくえっちなイヤホン」が登場したので、レビューしたいと思う。

と書いてみたものの、「すごくえっちなイヤホン」という名前の製品はない。これは記者が勝手につけた呼称であり、正式にはfinalブランドの「VR3000 for Gaming」という立派な名前がついている。

「VR3000 for Gaming」

ではなぜこんなことを言い出したのかというと、このイヤホンは、かの小岩井ことりさんに “えっちなイヤホン” と評された「E500」と同じく、ゲームやVR、ASMRなどのコンテンツ再生に特化した “VRシリーズ” の製品なのだ。

さらに「コンテンツに没入するためには音源に込められた制作者の意図や狙いを正確に再現することが重要」という考えのもと、最新の研究結果や新開発ドライバーなどを投入。E500は2,020円(税込)だったが、VR3000は7,980円(税込)と、シリーズの上位機として位置づけられている。

もうお分かりかと思うが、『E500=えっちなイヤホン<VR3000』、すなわち『VR3000=すごくえっちなイヤホン』だ。QED。

初代えっちなイヤホン「E500」(右)と並べたところ

とても頭の悪い考え方に見えるかもしれないが、自分でもそう思う。でも構わない、すごくえっちなイヤホンは我々の夢だからだ。存在してほしいのだ。ということで、それを証明するためにもレビューする。

ということで、早速聞いていこう。ASMR音源には「恋人カンカク 〜年収5倍彼女の専業主夫になった件について〜」をチョイスした。これまた男の夢が詰まったようなタイトルだが、これほどふさわしいものもないのではないか。なお年収5倍の彼女、橋本かなみさんのCVは井上喜久子さん。現実に帰ってこられるのか、いまから心配だ。

恋人カンカク 〜年収5倍彼女の専業主夫になった件について〜

まず普通のイヤホンで試聴。音質にこだわられたというだけあり、収録音声のクオリティが高い。かなみさんに「おいで」と呼びかけられると、「ハイッ」と返事をしてしまいそうになる。なんだか眠たくなってきた。「癒やし」という概念がそのまま詰まっている。

続いてE500で試す。声が優しくなった気がした。吐息成分のようなものがより感じ取れるようになった影響のように思う。というか、その吐息が耳をくすぐり、やばいことになっている。目を開ければ仕事場だが、目を閉じている限りは甘い新婚生活。どっちが本当なのか、胡蝶の夢のような感覚が得られる。

そして、VR3000にイヤホンを変更。瞬時に、「かなみさんの専業主夫、それが自分」と確信した。先程まで意識していなかった衣擦れが聞こえてきた。この冬の乾燥した時期に、吐息に湿度が感じられる。耳掃除をしてくれる音源を聞き終わったころ、耳がキレイになっていた(*編集部注:なりません)。

VR3000は、聞こえなかった音を再現する、という意味での再現性の高さもあるが、それよりも聞こえていた音のリアルさが増すことが大きい。音の位置関係を掴める定位感に優れる点はE500から引き継ぎ、さらに根本的な音の再現力を成長させた。これがASMRならではの現実感を高めてくれているのだ。

さらにVRを試す。「Oculus Quest 2」を使って、DMM.comで肌色の多いコンテンツを流してみた。正直に言えば、期待していたほどの大きな差ではない。収録音声のクオリティが、イヤホンの性能差に追いついていないような印象だ。ただし、先述の“湿度感”といった部分には違いが感じられる。深くは語らないが、これが大きなポイントであることはご理解いただけるはずだ。

「Oculus Quest 2」と組み合わせてチェック

試してみれば、VR3000はまっとうにハイクオリティなイヤホンだ。すごくえっちなイヤホン、などと書くことが恥ずかしくなってきたが、ある種のコンテンツの破壊力を高めるという意味では、そういって差し支えないはず。

気軽に購入できるE500と比べると、価格的に購入を躊躇するだろう。実際、E500で得られる没入感はかなりのもので、十分である。それをわかった上で、VR3000はさらなるリアリティを求める人、つまり、現実に帰ってきたくない人にオススメしたい。

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