【連載】ガジェットTIPS

スマホなどに絶対必要! 「ジャイロセンサー」をサクッと解説

海上 忍
2019年08月27日
物体の傾きや回転を検知する「ジャイロセンサー」。スマートフォンやゲーム機のコントローラに内蔵され、アプリに登場するキャラクターの動きに反映させたり、デジタルカメラの手ぶれ補正機能に活用されたり、いまやデジタル機器全般に欠かせない存在です。

そんなジャイロセンサー、実物を見たことはありますか? 役割の解説記事には、ジャイロ効果を応用した科学玩具「地球ゴマ」のような挿し絵が使われていることが多いため、小型化された地球ゴマ的な部品を連想してしまうかもしれません。

しかし、一般消費者向けデジタル機器に内蔵されているジャイロセンサーは大半が「振動式」です。半導体製造やレーザー加工などの微細加工技術を応用し、電気と機械の各要素を単一基板上に組み込んだMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの一種ですから、パッと見るかぎりはICです。

パナソニックの民生用ジャイロセンサ「EWTS9P」(2軸一体SMDタイプ)

実際、地球ゴマのような機構を内部に含むジャイロセンサー(回転機械式)も存在します。かつては航空機などに利用されていましたが、部品が摩耗するためにメンテナンスが欠かせず、振動式や光学式といったより新しい技術を生かしたタイプも登場しているため、現在ではあまり利用されていません。とはいえ、ICのような形状ではジャイロセンサーの働きを想像しにくいことから、同じ原理を持つ地球ゴマがイメージイラストとして引用されるのでしょう。

ところで、地球ゴマは製造元・タイガー商会の廃業に伴い、2015年に惜しまれつつ製造終了となりました。同製品を手掛けた職人が設立したタイガージャイロスコープ社が、地球ゴマを彷彿とさせる製品「地球ジャイロ」を2016年に発売しましたが、残念ながら2019年7月現在は販売休止中です。地球ゴマでジャイロセンサーの働きを説明すること自体が、いよいよ難しくなるかもしれません。

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