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【特別企画】防音工事会社アコースティックラボが豊富なノウハウを解説

「高音質なマンションの防音」実現のポイントは? 試聴会「Acoustic Audio Forum」密着レポート!

2016/07/07 編集部:小野佳希
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なお、一般的にマンションはD-50程度の遮音性能で作られると説明。「これをD-65以上の防音性能にすることで、深夜でも大音量で音楽を再生できる」と説明した。

イベントは図表や実際の計測データなども紹介しながら進行

また、深夜など必然的にボリュームを抑えざるを得ないケースについて鈴木氏は「人間の耳は音が小さくなるほど低音が聴こえづらくなる。つまり、音の周波数バランスが変わってしまうわけだ」とコメント。「そうした場合用にラウドネス機能のようなトーンコントロール機能は確かに有効だろうが、部屋の状態によっては音に変なクセが乗ってしまうこともある」と続け、大音量時だけでなく、小音量での音楽再生においても、部屋は非常に重要であると語る。

■「マンションだからと諦めないで欲しい」

過去のレポートでも紹介してきたように、部屋はその形状によって“固有の響き”を持つ。縦・横・高さの寸法比の違いで、定在波が偏在しやすかったり、逆に偏在しにくい部屋となり、定在波が偏在しやすい部屋では例えば低音がボワつくなどといった問題が起こりやすくなってしまう。

寸法比が悪い部屋ではオーディオにとって様々な問題が発生してしまう

そして、部屋の寸法比は日曜大工で変えられるものではなく、アクセサリーで対策できるものでもない。「このハードルを乗り越えるかどうかがひとつの分かれ道。寸法比は、良い音のための“基本のキ”だ」とする。

しかし、特にマンションの場合はすでに部屋の寸法比が決まっている場合がほとんどだ。…ということは、マンションでオーディオを思う存分楽しみたいなら「寸法比の良い部屋を探して買う/借りる」しか方法がないのだろうか?

もちろんそんなことはない。前述のように、同社はマンションだけでも今までに1,000例以上を手がけてきた防音工事会社だ。イベントでも、実際に防音工事にあたって部屋の寸法比も元々のものから変更した物件の事例が紹介された。

その物件は、「そのまま防音工事すると寸法比が悪かったため、30cmくらい隣の部屋に壁を移した」というもの。しかも、約7畳と、マンションでは一般的だがハイエンドなオーディオルームとしては決して広くはない広さでもある。だが、防音工事の完了後、依頼主は「防音しただけでなく、今までより音もよくなった」と満足していたという。

工事前の間取りと部屋の様子

防音工事でマンションの一室が大きく生まれ変わった


隣接住戸にはD-70、家庭内の隣室にはD-40の遮音性能をもたせた
また、6.5畳の部屋をオーディオルームに改装した事例も紹介。こちらもマンションであるためそれほどの広さはない部屋だったが、遮音性能の向上だけでなく、音の響きの改善もしっかりと両立させられたと同社は説明する。


音の響きだけでなくオーディオルームとしての部屋のデザインにもこだわった防音工事が可能
鈴木氏は「狭い部屋はオーディオ的に“美味しい”ところの周波数に定在波がまばらに立って目立ちやすい」とコメント。「狭い部屋は定在波のコントロールがより難しくなる。しかし、適切な処置をすれば機器の能力もちゃんと発揮されるようになる」と、部屋の狭いマンションであっても、高音質な防音室を構築可能であると語る。

また、「『マンションだからある程度で限界が来るのはしかたない』と諦めないで欲しい」とコメント。上記の成功例からも分かる通り、特に広さの面で戸建てに比べて制約の多いマンションであっても、オーディオ的な音質と防音性能を両立させることは十分に可能であることを改めて述べた。

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