ネット環境変化で音楽配信も変わる

「ハイレゾダウンロード」と「定額ストリーミング」 − 音楽配信に“真逆”の二大潮流

ファイル・ウェブ編集部:風間雄介

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2011年01月26日
最近になって、音楽配信に関する話題が賑やかになってきた。

この分野の世界的なリーダーは言うまでもなくアップルだが、iTunesとは異なるサービスを展開したり、iTunesがカバーできないニッチ分野に特化するなどの工夫で、その牙城を崩そうという動きが広がっている。

いま起きているトレンド(あるいは今後トレンドになりそうな萌芽)は大きく分けて二つある。しかも、その特徴がまったくの真逆である点が興味深い。

■ハイレゾ音源ダウンロードサービスの定着

一つめのトレンドは、ハイレゾ音源のダウンロード型サービスが拡大しつつあることだ。

iTunes Storeで配信される楽曲は、いまのところ256kbpsのAACでエンコードされた「iTunes Plus」が最も高品位。DRMフリーという特徴も備えているが、サンプリングレートや量子化ビット数はCDレベルのままで、クオリティはオーディオファンにとっては物足りない。

こういった背景から、CDを遙かに超える音質の楽曲データを配信するサービスが数年前に相次いで登場。その代表格がLINN RECORDSやe-onkyo musicだ。

いわゆる「ハイレゾ音楽配信」に対する関心は、音質の高さへの認知が進んできたこと、対応機器が増えて再生環境を整えやすくなったことなどから急速に高まっている。

だがハイレゾ音楽配信サービスは、楽曲データ量が飛び抜けて大きいという違いはあるものの、それ以外は特段iTunes Storeと変わりない。データ量が大きいためダウンロードが必要になるし、DRMについてもサービスや楽曲によってまちまちだ。1曲当たり、あるいはアルバム単位の購入に対して課金される仕組みも、基本的にiTunes Storeと同様だ。

ハイレゾ音楽配信については、当サイトの読者ならご存じの方が多いだろうから、ここでは概要だけにとどめておく。

■「古くて新しい」定額制の音楽配信

一方の期間定額制ストリーミングサービスは「古くて新しい」音楽配信の形態と言えるかもしれない。

定額制、いわゆるサブスクリプション型の音楽配信サービスと聞いて、多くの方が思い浮かべるのが「Napster」だろう。定額制で聴き放題のストリーミングサービスを展開していたほか、PCへのダウンロード、ポータブル端末への転送機能「Napster To Go」を用意するなど機能が充実していたが、2010年5月をもって日本版のサービスは終了した(関連ニュース)。

Napsterはサービス終了にあたって、「楽曲の許諾およびシステムの運用等に対応するための大規模な支出」が困難だった、と理由を説明した。要するに、運営コストに見合うだけのユーザー数が集まらなかったということだろう。

とは言え、同サービスが一部に熱心なファンを抱えていたことは事実で、ネットの反応を眺めていても、サービス終了の報を受けて悲嘆に暮れるユーザーが意外に多いと感じた。

ソニーがはじめた新音楽配信サービス

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