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iPadを買って得する人、損する人

公開日 2010/06/04 11:22 編集部:風間雄介
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続いて、個人的に「こういう人はiPad購入を思いとどまっても良いんじゃないか」と思う人を挙げていきたい。なお、iPadはPC/Macが無いと使えないし、Wi-Fi環境もほぼ必須と言えるが、これらは基本的なこととして詳細は割愛する。

【1】PC並みにヘビーな用途で活用したい人

iPadはまだマルチタスクに対応していないし、外付けキーボードを使わない限り、文字入力もそれほど高速には行えない。ウインドウを複数開いてドラッグ&ドロップ、などというPCで使い慣れたインターフェースも利用できない。

たとえば記者の場合、会見や発表会などで、登壇者のコメントをほぼ等速でメモしながら写真を撮り、さらに写真を加工して速報記事を上げながら、随時ツイッターでつぶやく、という必要に迫られることもたまにある。こういった時にiPadは全く歯が立たない、というより邪魔になるだけだ。

実際に発表会で何度かトライしてみたが、ソフトウェアキーボードではメモすら満足に取れなかった(もっともこれは記者の能力の問題もあるかもしれないが)。結局、ノートPCを持って取材に出かけるときは、iPadはデスクに放置することにしている。

【2】すでに軽量ノートPCやネットブックを所有している人、購入意向がある人

iPadの質量はWi-Fiモデルが約680g、Wi-Fi+3Gモデルが約730g。1kgを切るモデルも珍しくない軽量ノートPCやネットブックに比べ、劇的に軽いとはとても言えない。最近では軽量PCやネットブックの動作速度もかなり上がってきたし、iPad並みの動作時間を実現しているモデルも少なくない。PCならハードウェアキーボードがあるので文字入力も楽だし、アプリケーションも充実している。もちろんマルチタスクなど朝飯前だ。

率直に言って、タッチ操作などユーザーインターフェースを別にすると、iPadでできて、通常のノートPCでできないことはあまりない。逆にノートPCでは難なく行えるのに、iPadではできない、ということは非常に多い。現在所有しているノートPCやネットブックに満足していたり、意中の製品があるとしたら、iPadを購入する必要性は高くない。

【3】今のスマートフォンやiPod touchで十分という人、次期iPhoneに興味がある人

モバイル機器との最適な関わり方は人それぞれ。特にiPhoneやAndroidスマートフォン、iPod touchなどを持っている人なら「もうこれで十分」という方も多いはず。iPadは画面が大きいが、その分大きくて重い。手のひらサイズのデバイスの方が利便性が高いという意見も多いだろう。

また、間もなく姿を現すはずの次期iPhoneは、画素数が4倍程度になり、スピードについても大幅に高速化されるという噂だ。iPadも次期iPhoneも、どちらも余裕で購入できるという幸せな方でない限り、発表まで待ってみても遅くはない。

【4】ほかのタブレット型機器に興味・関心がある人

今後、各国のPCメーカーから、続々とタブレット型機器が登場してくる。Androidベースのもの、Windowsが動作するものなど、恐らく年末までにはかなりの選択肢が用意されるはずだ。

これらの対抗機種は、iPadに搭載されていないカメラやUSB端子、SDカードスロットなどを標準装備するものが多いだろうし、あるいはASUSが発表した「Eee Pad」のように、キーボードと合体してノートPCのように使えるものなど、iPadにない特徴を盛り込んだ機器も増えることだろう。このような機器や今後の動向が気になるという方は、ひとまず待ってみても良いのではないか。

【5】アップルがあまり好きではない人、ブームに乗りたくない人

こういう人が最近少しずつ増えているように感じる。ここまでアップルが強くなると、ほかのOSやプラットフォームを応援したくなるという、判官贔屓的な考えが増えてもおかしくない。またiPadを買って「ブームに乗った軽薄なヤツ」と思われるのが癪だという方もいるかもしれないし、人と被るのがイヤ、という方も結構多いはずだ。こういう方は【4】のタブレットデバイスを待った方がいい。

【6】日本特有のサービスを使いたい人

たとえばiPadでは今のところワンセグを見ることはできないし、レコーダーなどAV機器との連携機能も用意されていない。前者についてはそのうちソフトバンクモバイルが対応させてくるだろうし、テレビを見たいのであれば、自宅PCで受信した放送をトランスコードしながら配信し、iPadでストリーミング視聴するアプリもある。

だが、アプリを使って創意工夫してもどうにもならないケースというのも、確かに存在する。これまで使い慣れた機能やサービスがiPadで使えないということを強く不満に感じるのであれば、購入を控えた方が良いだろう。

【7】公共の場でiPadを使うのが恥ずかしい人

まだiPadは物珍しいらしく、電車内で使っているとジロジロ見られることもある。プライバシーフィルター(けっこう高くて8,000円近くする)は貼っていないので、ウェブなどを閲覧したりメールをチェックしていたりすると、周りの人に何を見ているかバレバレだ。プライバシーがダダ漏れ状態になるので、仕事上の機密情報などが書かれたメールを読んだり、社内サーバなどにアクセスしたりするときは場所を選んだ方が良い。

そのうちユーザーが増えてくれば誰も気に留めなくなるだろうし、そもそも家の中やオフィスでしか使わないという方なら全く問題ないが、常に携帯して使いこなそうという方は多少注意した方が良いかもしれない。

◇ ◇ ◇


さて、思いつくままに書いてきたが、少しは参考になっただろうか。最後に自身の感想を少し述べておく。

前回の記事で指摘した画面への映り込みは、アンチグレアタイプのフィルターを貼ることでかなり改善できた。その代わり光が乱反射するようになり、解像感はかなり落ちたが、これはトレードオフの関係にあるので仕方がない。そのほかにも、やや本体が重かったり、本体を置いて作業しづらいなど不満点は結構あるが、色々な使い方ができる面白いデバイス、という印象が日増しに強くなってきている。

前述したようにiPhoneを使う機会が減ったので、iPhoneをSMSと音声通話専用にし、データプランを解約するのもアリかな、などと考えている。もっともiPhoneの2年縛りがまだ残っているので、実現にはもう少し時間がかかりそうなのだが。

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