VGP審査員が激賞。PARADIGM「Founderシリーズ」は“初めてのハイエンドスピーカー”に最適!
40と80、それぞれ2chで聴いてみた
まずは今回最注目のFounder 40BとFounder 80Fのステレオ再生から聴き比べしていこう。
両モデルに共通するのは、出音のスムーズさとしなやかな表現力。低域は静寂から鋭く立ち上がるが、その際に歪みのような成分がまとわりつかず、スピーカーの存在を感じさせない。素材レベルでこだわった振動板や音響レンズの効果は確かなようだ。
実際に音楽を聴くと、Jane Monheitの『I Won't Dance』は、左に女性、右に男性ボーカルという構図だが、静かにグッと押し出される豊かな低域が背景をナチュラルに描き、口元が空間にポッと浮かぶ。適度に引き締まって位置が明瞭で、特に高さの表現が絶妙。掛け合いの雰囲気をナチュラルに表現する。
再生機器や環境によって男性ボーカルの高さ方向のブレが気になりがちな楽曲だが、Founder 40BもFounder 80Fも安定ぶりが見事。トゥイーターの影響が大きい部分だが、扁球ウェーブガイド(OSW)がよい働きをしているようだ。
細部を聴き込むと、男性ボーカルは厚みのある音色から生まれるボディ感が心地よく、Michael Bubléの柔らかなバリトンボイスが際立つ。
スピーカーを感じさせない特性は空間の広い描写と定位にも有利に働き、前後の距離感もつかみとれる緻密な立体描写が妙味。音の消え際にもギャップを感じず、空間の清らかさなどからも、ドライバーやエンクロージャーから不要な音が発せられていないと感じる。
Founder 40BとFounder 80Fの音色は極めて近く、これほどまでの均質さに驚くばかりだが、やはり低域の再生限界に違いが出る。容積の大きなFounder 80Fは当然低域の再生に有利だが、それでも音としての強調感は覚えず、「空気感の差」というのが正しいだろう。
Founder 40Bも見た目のサイズからは想像しがたいしっかりとした空気感を放ち、部屋の容積が限られる一般的な家庭ならむしろ好都合かもしれない。
Julia Fischerのバイオリンは、両モデルともホールの空気感や舞台の奥行きを感じるが、弦と弓のテクスチャやヒステリックな響きは「40B」の方がよく似合う。
これはスピーカーの性能差というよりも試聴室の特性が影響していると思われ、空間に合わせて選ぶと、よりよい音楽体験が得られるだろう。
80をフロントに40をリアにした5.1chで聴いてみた
マルチチャンネルはフロント左右にFounder 80F、リアにFounder 40B、センターにFounder 90Cという構成で試聴。
セッティングして気が付くのはFounderシリーズの造形美。スリムながらわずかに台形で安定感があり、サイドは背面にかけてスラント。引き締まったエレガントなシルエットは、リビングやシアタールームに華を添えてくれるだろう。
サウンドは2ch同士の聴き比べでも感じた通り、シリーズの音色が非常に近いので、マルチ構成での繋がりも最上級。
Founder 40Bをリアスピーカーとして使うのは贅沢だが、Founder 40Bがマルチチャンネルスピーカーとしても高く評価された理由には、フロントとしても優秀で、かつフロアスピーカーとの繋がりのよさも含まれるのだろう。
Roy Orbisonのブルーレイディスク『Black & White Night』を観る。映像は白黒に演出されるが、豪華な共演者とのフレンドリーなパフォーマンスが本システムでは実にスムーズに再生され、没入感から色彩を感じられるほど。音量を上げてもうるさく感じず、マルチ再生ならではの包み込まれ感が、ライブ会場の熱気を再現する。
映画は『F1/エフワン』で確認。堂々たるセリフは当然ながら、空間の空気感の濃さは圧巻。スピーカーの内側から外側までシームレスに繋がり、効果音の移動も実に鮮明。ディスクにこれほどの情報が詰め込まれていたのかと驚くほどで、今一度、しっかりとしたマルチ環境で視聴する意義と楽しさを再認識させられた。
Founderシリーズは日本の住環境にも適した大きさとサウンドがある
試聴を通じ、パラダイムの緻密かつ精密なサウンドは、アメリカンやヨーロピアンとはまた違ったテイストで、日本のオーディオファンにも今一度注目してほしいと思えるもの。
ラインアップの中でもFounderシリーズは日本の住環境に適し、空間によってはFounder 80FよりもFounder 40Bがよいパフォーマンスを発揮する可能性もある。
グレードやサイズを上下と考えず、自身にピッタリのセットを見つけてほしい。技術、伝統、音楽性を高い次元で兼ね備えたパラダイムのFounderシリーズは、往年のファンはもちろん、はじめてハイエンドスピーカーを購入する方にも推奨できるモデルだ。
SPEC
SPEC ●型式:2ウェイ・バスレフ型 ●ユニット構成:25mm AL-MACドーム・トゥイーター×1、152mm AL-MAGコーン・ウーファー×1 ●周波数帯域:69〜23,000Hz(±2dB) ●クロスオーバー周波数:1.6kHz ●感度:92dB ●インピーダンス:8Ω ●外形寸法:197W×368H×320Dmm ●質量:11.3kg
SPEC ●型式:2.5ウェイ・バスレフ型 ●ユニット構成:25mm AL-MACドーム・トゥイーター×1、140mm AL-MAGコーン・ミッドバス×1、152mm CARBON-Xコーン・ウーファー×2 ●周波数帯域:50〜23,000Hz(±2dB) ●クロスオーバー周波数:1.8kHz/500Hz ●感度:93dB ●インピーダンス:8Ω ●外形寸法:298W×971H×356Dmm ●質量:23.6kg
<レファレンス機材>
●プリメインアンプ:ACCUPHASE E-3000
●SACDプレーヤー:ACCUPHASE DP-570
●UltraHDブルーレイプレーヤー:MAGNETAR UDP900 MKII
●AVアンプ:DENON AVC-A1H
●サブウーファー:ECLIPSE TD725SWMK2
(提供:株式会社PDN)

