ゼンハイザー「ACCENTUM Clip」は『らしさ』全開の実力機!同社初イヤーカフ型イヤホンを徹底レビュー
音質レビュー:豊かな低域。開放感がありつつグルーブにノレる
それではいよいよ、そのサウンドをレポートしていこう。今回は手持ちのAndroidスマートフォン「Pixel 8a」とLDAC接続し、Amazon Music HDで配信中のUltra HD音源をメインに楽しんでみた。
第一印象としては、さすがの低音の量感。ひと昔前のイヤーカフ型でありがちだったシャカシャカした軽さは全くない。
Kvi Baba『BPM feat. KREVA』(96kHz/24bit配信)は、エレクトロファンクやR&Bのテイストが融合したヒップホップナンバーだが、イントロからシンセサイザーの低域がちゃんと “ドロリ” と深く鳴る。
キレのあるビートの真ん中に、流れるようなフロウがくっきり浮かび上がってきて、量感に溺れることもなく楽曲の持つファンキーなグルーブがドライブされている。
今どきのポップスは多彩なジャンルの表現がシームレスに融合するが、オープン型ならではの開放感の中で、そんな楽曲が持つ “肝” を感じられるのが良い。
HANAのミディアムバラード『Blue Jeans』(48kHz/24bit配信)を聴くと、ギターのアルペジオが鳴るイントロからじんわりとした低音の存在感があり、オープン型ながら楽曲のメロウな世界観に浸ることができる。その中心で女性ボーカルの中 - 高域が伸びて、息が混ざる臨場感も伝わってくる。
個人的には、「オープン型ならこれくらい低域があった方が良い」のバランスがちょうど良い。その結果として、「開放感がありつつグルーブも感じられる」という特徴に仕上がっている。
この特徴は、屋外で使っても大きなアドバンテージとなる。オープン型ゆえに街の雑踏や周囲の環境音が自然に耳に入ってくるが、本機ならではのパワフルな低域が土台を支えてくれるため、サウンドが雑音に埋もれず、音楽のノリやグルーブ感といった軸の部分を損なわずに聴けるのだ。
また、SNSで流れてくるショート動画の音声など、カジュアルなリスニングにも使いやすい。低音がしっかりしているのでBGMもしっかり聴ける。
気になる音漏れ対策も入念に施されており、電車でも周囲を気にする必要はほぼなく、音楽リスニングを楽しめた。
この辺は、音を耳に正確に届ける独自のジオメトリー設計と内部ダンピング構造が活きているのだろう。公式資料によれば、不要な音の拡散を抑え、周囲への音漏れを最小限に抑制する構造としている。
いっぽうで、室内の比較的静かな環境でじっくり聴けば、上述の通りLDAC接続と相まって、オープンな空間にゼンハイザーサウンドが広がる体験ができるわけだ。
さらに従来の同社ヘッドホン/イヤホンと同じく、「Smart Control」アプリによるサウンドカスタマイズも可能なので、自分好みのサウンドを追求できる自由度もある。
音質重視の聴き方も、カジュアルな聴き方も、どちらにも対応するのが嬉しい。
音質準拠で選べるイヤーカフ型イヤホンの新星
ゼンハイザー初のイヤーカフ型イヤホン、ACCENTUM Clipは、ブランドが大事にしている高音質へのこだわりを、イヤーカフ型という制約の多いフォームファクターの中で見事に具現化した意欲作と言えよう。
「ながら聴きイヤホンは気になるが、音質が物足りない」と、これまでイヤーカフ型を敬遠していたような “こだわり派ユーザー” にこそ、ぜひ体験してほしい。
日常のあらゆるシーンを上質なサウンドで彩ってくれる、音質で選べるイヤーカフ型イヤホンの新星だ。

ACCENTUM Clip 販売ページ
Amazon 楽天 ゼンハイザー公式ストア(提供:Sonova Consumer Hearing Japan)

