ホムパの主役はレコードで決まり♪ なんてったってソニーなんだから!
連載第8回となる「オーディオを、遊ぼう!“ザ・良音計画”」。末広がりの「八」に相応しいモデルはどこにいる? と目を皿のようにしてオーディオ界を見まわした時「これぞ!」と目についたソニーのアナログプレーヤー「PS-LX5BT」が今回の主役だ。
令和当世流のアナログプレーヤー
速報している通り、ソニーは2月14日に2台のレコードプレーヤー「PS-LX3BT」「PS-LX5BT」を発売した。いずれもオープン価格ながら前者は税込4万円前後、後者は5万円前後のプライスタグとなっており、主なターゲットはレコードビギナーであり、また「レコードへお帰りなさい!」の買い替えベテラン層となる。

ソニー、“入門向けでも音がいい”アナログプレーヤー「PS-LX5BT/LX3BT」
2026/01/23
2モデルは基本的には兄弟機だが、ヘッドシェル、カートリッジ、ターンテーブルマットなどに違いがある。音質面というよりは、こだわりポイントの相違が価格に反映されたカタチだ。
BTという型番からも分かるように、Bluetoothによって完全ワイヤレスイヤホンやBTスピーカーなどとのワイヤレス再生が可能。いわゆる令和当世流の仕様である。
フットワークの良さはメリットしかない!
宅配のお兄さんから「PS-LX5BT」を手渡される。重いから気を抜かないよう、しっかり持たないと……あれ? とても軽いのである。質量は約3.6kgで、PHILE WEBの音の仲間のみなさんもきっと驚かれることと思う。でも軽いといけないのか、重けりゃいいのか、というと話は別。軽さ、扱いやすさ、そして価格を含め、フットワークのよさはメリットでしかないのだ。
かつて独身の頃には大きく重いターンテーブルで中古レコードを聴き漁っていたけれど、所帯を持ち、引っ越しを重ねるうちオーディオ機器もレコードも手放してしまった。だから「久しぶりのレコード大丈夫かな……?」とやや心配だったが、構える必要はなかった。
本体にプラッターを取り付けてベルトをプーリーに掛け、ターンテーブルマットを載せてアンプにつなげば準備完了。
レコードプレーヤーはそれなりに奥行きがあるため置き場所に悩んでいたのだが、実は本機、スペックでは奥行約366mmだが、底面の4つのインシュレーターの位置自体は奥行300mmほど。
その軽さも貢献し、一般的なインテリアラックでも設置に困ることはなさそうだ。我が家では、無印良品REAL FURNITUREのラック(天板奥行300mm)上にスマートに置くことができた。
レコードを持ち寄ってパーティしよう!
普段聴いている環境はPC前のニアフィールドでレコードの試聴環境としてはあまりヨロシクナイので、リビングで鳴らすことに。
スピーカーはフォステクスの20cmフルレンジ「FE-203Σ-RE」を共立電子産業の箱に入れたバックロードホーンで、これはキットを組み立てたもの。アンプは往年のオラソニックのデジタルアンプ「nano compo」だ。
そして「何を聴くか」。既述のようにライフステージが変わるたびにレコードを手放し続けてきた事情もあり、いま手元にある枚数はそう多くない。どうしても手放したくないレコード、買い取り値が二束三文だったので残ったレコードたちだ。
そこで思いついたのが、レコードを持ち寄ってホムパしよう! という左党にとって一石二鳥となるアイデアだった(自画自賛)。


みんなでレコードを聴くのも楽しい!
実際のところ「手元にレコードがない」のを補填するため、加えてホームパーティでわいわいやってみんなでレコードサウンドを楽しみたい願望を叶えるため、我が家でホムパ開催と相成った。
PHILE WEBのクリエイティブディレクター筑井さん、オーディオ代理店の高梨さん、モノ情報誌『ゲットナビ』の和田編集長と、カルチャーメディア『リアルサウンドテック』の小川編集部員に、おのおの「好きなレコード持参のうえ楽しみましょう!」と声をかける。
子供の頃、友達の家にお呼ばれするのが楽しかったが、これはたぶん大人になっても変わらない。なぜなら「ひとんち」は興味深い「内側」だからだ。「家は人なり」という。「音は人なり」とも言う。不思議なことに、その人柄っぽい家になるし、その人柄っぽい音になる。
ツマミとお酒があればそれだけで盛り上がる。音楽があればなおさらだ。ゲストの入場曲は昭和運動会の定番YMOの「ライディーン」で、当時のアルファレコードのシングル盤。ちなみにB面は「コズミック・サーフィン」のライブバージョンだった。
「皆の者、この音楽を聴け!」
次は誰のレコードをかけます? と尋ねると、目をそらす面々。実は持ってきたのはひとりだけだったのだ! 他は「玄関に置いたまま持ってくるのを忘れた」とか「ただビール飲みに来た」という体たらく(笑)。
そのくせ手土産は買ってくるというフシギがありながらも、昨今も活動活発なTM NETWORKの大傑作『HUMAN SYSTEM』、YMOつながりでMETAFIVE『LAST ALBUM』などのエレキグルーヴに浸る。
BGM的なラウンジミュージックではなく、アナログプレーヤーで聴く気(聴かせる気?)満々、「皆の者、この音楽を聴け!」といったレコードがターンテーブルを支配する。
一般的によく言われるのが「酔ってレコードを扱うべからず」。意味するところは当然、酔って手元がアヤしくなれば、きっとレコードや針などを傷つける、というものである。むろん今回も慎重に扱ったが、こんなシーンでもありがたいのはこれがフルオートプレーヤーである点だ。
“家ではレコードでしか音楽を聴かない”アナログLOVEな高梨さんは「このソニーのレコードプレーヤーは便利ですね。最近寝落ち(酒でではない)がひどくなってきたのでオートリフターを見てちょっと羨ましくなってしまいました。バックロードホーンを通した日常に溶け込む音楽はやはり素敵ですね」と、その手軽さと安心を実感。
また、筑井さんも「PS-LX5BTを自作のスピーカーも聴かせていただいて、とてもよかったです。バックロードホーンは有機的でアコースティカルな響き。ちゃんと向き合って聴いてよし、今日みたいにワイワイの中にあってよし、とても素敵な音でした!」とレコードのあるシーンそのものを味わえた様子。
音楽を楽しむ時間をおいしく包み込む
レコードはアルバムでも片面30分が精いっぱい。サブスクのように流しっぱなしにはできないけれど、裏返せばそれは、ブライアン・イーノのカテゴリーを借りるならばインテリアとしての音楽になりがちだ(気にされない音楽)。アルバムを選び、時々ひっくり返す必要のあるレコードは、その佇まいや取り扱いの作法をひっくるめて、音楽を楽しむ時間をおいしくコーティングしてくれるのだ。
1982年。フィリップスと共に開発したCDプレーヤー/コンパクトディスクをリリースし、デジタルオーディオ革命を起こした張本人がソニーだ。その後もLDACなどの規格開発を通じてデジタルミュージックに高音質と利便をもたらしたソニーが放つ最新レコードプレーヤーが「PS-LX5BT」「PS-LX3BT」である。
繰り返すが、実売4〜5万円という価格の手頃さである。「ちゃんとレコードを聴いてみたい」というデジタルネイティブのビギナーはもちろん、「今は手元にない」という元レコード愛好者にも最適のはず。
ソニーらしいシックなエクステリアデザインはインテリアとしても絵になるし、実はシボ模様のあるマットブラックの本体はホコリが目立ちにくくていいのだ(ピアノブラックは美しいがホコリが目立って困る・笑)。
今回、久しぶりに手持ちのレコードを聴いたら、盤を買ったシーンそのものを思い出した。何歳頃、どこのショップ、プライスタグ、初めて聴いた時の感想などなど。
なるほどいま気づいた!何をおいても「PS-LX5BT」を買うべきは、わたし自身だったのだ。
