いいのか?円安だぞ? THORENSのレコードプレーヤー「TD403DD」が22万円でもコスパが高い理由
クラシックやジャズを中心に100% Pure LPでも音を確認
まずはクラシック盤、ドイツ・グラモフォン創立125周年記念の復刻プロジェクトのひとつである"オリジナル・ソース・シリーズ"のクラウディオ・アバド指揮/ウィーン・フィル『チャイコフスキー:交響曲第4番』(ユニバーサル:00289 486 4514)から聴いてみよう。
オーケストラの旋律は潤いを伴い鮮やかで、キメの細かい楽器のアタックを瑞々しく引き出している。低域方向は素直に伸び、太鼓のハリも制動を効かせている。
細かな旋律をマスクすることなく、リアルで透明感ある音場を形成。ハーモニーのしなやかさ、抑揚豊かにダイナミックで軽やかな響きを堪能できた。
次はオスカー・ピーターソン・トリオ『プリーズ・リクエスト』(アナログ・プロダクションズ:AVRJ8606-45/45回転盤)の「ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー」を聴く。
ピアノやトライアングルの涼やかなアタックと、芯のくっきりとした各楽器の重心の低さが印象的である。
ドラムセットやウッドベースの力強く豊かに張り出す、胴鳴りの存在感も色付けなく描き出し、擦れるニュアンスを丁寧に拾い上げる粒の細かいスネアブラシも見事に表現。グルーヴの熱量をダイレクトに感じられる、躍動感のあふれるサウンドだ。
参考にと、同じ45回転仕様となる「100% Pure LP」盤(ユニバーサル:PROZ-7917/7918)も聴いてみたが、マスターの状態や製造プロセスの差が如実に表れ、鮮度のよいクリーンなサウンドに変化。アナログよりもデジタルファイルに近しい解像度感とヌケのよさを実感できた。
しかしながらピアノのコシの太さや、密度が高くよく引き締まったリズム隊の音は、アナログでないと引き出せない領域の表現であり、TD403DDがトレースできる情報量の多さ、レコード再生ならではの心地よさも同時に味わうことができた。
最後に『Pure2-Ultimate Cool Japan Jazz-』(F.I.X.RECORDS:FIJA-007/008)より「届かない恋」「夢であるように」を聴いたが、ホーンセクションのキレ味鋭く鮮やかな際立ちと、上方向へ自然に伸びる音場の開放感、ピアノやシンバルのブライトで輝きのよい存在感を純度高く表現。
リズム隊のまとまりと引き締めのバランスもよく、ボーカルも実在感が高く艶やかな描写となる。声の輪郭はややスマートで、定位もフォーカスよくまとめているが、重心そのものは低め。声の艶、質感を丁寧に描き出す。
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最後にTD403DD購入を考える方へ朗報が届いた。この春、TD403DDに精悍なブラックカラーでまとめられた"OAK MAT"仕様がお目見えする。
設置環境に合わせた選択ができるうえ、これまでの正統的デザインと一味違うクールな装いとなり、新たにトーレンスを知る新規ユーザーにとっても魅力的に映る仕様といえるのではないだろうか。TD403DDは、レコードデビューを果たす方のよき相棒となってくれるはずだ。
そしてTD403DDの試聴を通し、濃密な中低域と、現代的な解像度感の高さを両立した、レコードだからこそ味わえる、絶妙な音楽表現を存分に体感できた。そしてダイレクトドライブ方式らしい実直で色付けの少ない、キメ細かなサウンドもまた魅力のひとつだ。
TD403DDは、ハイレゾ音源を含めたデジタルファイルに慣れ親しんだリスナーにも親和性の高い、濃密なレコードの音世界への橋渡しをしてくれる、まさに先導的役割も担う実力派レコードプレーヤーといえよう。そしてTD403DDは長い時間、リスナーに寄り添ってくれる存在であり続けることだろう。
SPEC
レコードプレーヤー
THORENS
TD403DD
¥220,000(税込)
SPEC ●機能:マニュアル・レコードプレーヤー ●ドライブシステム:ダイレクトドライブ ●モーター:DCモーター 24V ●回転数:33-1/3、45rpm ●回転数選択:電子式 ●プラッター:12インチ/1.4kg アルミダイキャスト製(高さ22mm) ●トーンアーム:Thorens TP150(SMEヘッドシェル付属) ●カートリッジ:Ortofon 2M Blue(無垢楕円針) ●アンチスケーティング:アンチ・スケーティング・ウェイト ●電源:24V ACアダプター ●外形寸法:420×150×360mm(W×H×D) ●質量:7.2kg ●仕上げ:ウォルナット・ハイグロス、オーク・マット ●付属品:アクリル・ダストカバー
(提供:PDN)
