マランツのAVプリアンプ「AV 30」でグレードを卓越したイマーシブサウンドの底力を体感!
フラグシップAV 10に迫りながらも、音の骨格の確かさで一体型AVアンプを圧倒的に上回る
ここでAV 30をAV 10と入れ替え、同じソフトで聴き比べてみた。例えば『フォードvsフェラーリ』では、チャンネル間を埋める音の密度がより濃密で隙間ない印象。こうしたところにHDAM回路の構成の差が出ているのかもしれない。
一方で、セリフのボディ感はそう変わらない。CDを聴いてみても、音像フォルムの厚み、低音の量感という点ではAV10がさすがに安定しているが、双方の再生音はかなり拮抗している感じを受けた。
CINEMA 30との比較では、やはりAMP 10との組合せだけあって、音の骨格の確かさがAV 30は次元が違う。サラウンド音場の立体感や包囲感、方向感でCINEMA 30も頑張ってはいるが、セリフの実在感とその厚み、チャンネル間を移動するエキゾーストサウンドの一体感などで、やはりAV 30に軍配が上がる。
一体型AVアンプでパフォーマンスの差が出やすいのは、パワーアンプ部に関わる面が大きいと私は認識している。CINEMA 30との印象の違いも、パワーアンプのグレードの違いによるものと理解してよいだろう。
他方では、外付けのパワーアンプを固定した今回のようなセパレート型AVプリと比較した場合、違いはサラウンド・プロセッシング性能に負う面が大きい。そのことからAV 10とAV 30のサウンドパフォーマンスが根っこの部分で似通っているのは、DSPやDACといったデジタル信号処理が共通していることから納得がいく。
効果音などの定位の遠近感が精密で、空気感や臨場感を求めるならAV 30がお薦め
ここまで記した通り、マランツにはフラグシップ機AV 10がある。そのポジションはまさに孤高だ。では、AV 30はそれと比べて明らかに見劣りするのかといえば決してそうではないと、今回の試聴テストを通じて私は声を大にしていいたい。
確かに音場内をみっちり密度濃く埋めていくようなパフォーマンスは、AV 10の独壇場である。情報量も圧倒的だ。しかし一方で、音場を広々と捉えながらその「隙間」や「余白」を感じさせ、効果音等の定位の遠近感をより精巧に表現することに関しては、AV 30はたいへん優れているように私は感じた。
言い換えれば、『凝縮感』や『密度感』ではAV 10が抜きん出ているが、『スペース感』や『プレゼンス感』においては、AV 30が長けているような印象なのだ。別の言い方をすれば、映画に迫力やリアリティを求めるならばAV 10、空気感や臨場感を求めるとAV 30という選択肢は大いにありだ。
そうした点から、私自身も本機に俄然興味が湧いてきているところである。
[SPEC]
●チャンネル数:11.4ch ●感度:200mV(アンバランス) ●S/N比:105dB ●周波数特性:10Hz – 100kHz ●高調波歪率:0.005% ●定格出力:2.4V(XLRプリアウト)、1.2V(RCAプリアウンと) ●主な入出力端子:HDMI入力×7、HDMI出力×3、光デジタル音声入力×2、同軸デジタル音声×2、アナログ音声入力(RCA)×6、PHONO入力(MM)×1、11.4chプリアウト(RCA)×1、11.4chプリアウト(XLR)×1、コンポーネント入力×1、コンポジット入力×1、LAN×1、USB Type-A×2 ほか ●ワイヤレス機能:Wi-Fi 5GHz/2.4GHz、Bluetooth ●消費電力:80W(待機時0.2W) ●外形寸法:442W×189H×414Dmm(アンテナを寝かせた状態) ●質量:11.1kg
(提供:株式会社ディーアンドエムホールディングス)
