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PRパターン加工振動板でサウンドも進化

“これぞNothing!フラグシップに相応しい” マイク内蔵充電ケースの完全ワイヤレス「Ear (3)」を使い倒す

公開日 2025/12/10 06:30 高橋 敦
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低音は期待以上、立体感にも優れる。現代音楽に幅広く適応

では最後にサウンド周りを確認。

土台となるドライバーは、振動板にパターン加工が施されており、放射面積が拡大してあることがポイント。実口径12mmから放射面積20%増とのことなので、放射面積としては14.4mm径振動板に匹敵。低域再生能力への期待が高まる。

ドライバー口径は12mm。振動板にパターン加工を施すことで放射面積を20%向上し、従来比で低音は最大6dB強力に、高音は最大4dB明瞭になったとしている

星街すいせい『もうどうなってもいいや』を聴き始めると期待を超える低音だ。大柄で重厚な音像で描き出されるベースは「でかいッ!」というシンプルな迫力、問答無用の説得力を備えている。

しかもその圧倒的な存在感のベースが、ボーカルにかぶさってしまうことがないのも素晴らしい。このイヤホンは音の空間配置の再現にも優れており、ボーカルやギターの音像は、ベースより前方の位置に、立体的に浮き出るように描き出してくれるのだ。

おかげでベースの存在感とボーカル等のクリアさを両立。この強みはこの楽曲のエレクトリックサウンド、緻密で立体的な空間表現全体の再現にも適しており、昨今のポップス全般との相性も良さそう。

なお上記は本機の「ベースエンハンス」機能をオフにした状態での話であり、同機能を使用すればもっと遠慮なく盛大な重低音再生も可能。空間表現においても、「空間オーディオ」機能によるその拡張が可能となっている。

アプリから「空間オーディオ」を選択可能。低音を強調する「ベースエンハンス」モードも利用でき、オン時は5段階で強度を調整できる

さて昨今のという話では、ジャズ、ソウル、クラブ、ヒップホップ等の要素が融合したコンテンポラリーな楽曲との相性も良好。例えばRobert Glasper Experiment『Human』の、5弦ベースによるディープなベースラインにも余裕で対応。音程が特に下がる場面でそれに対応できずに音像が薄まる等の挙動はなく、安定した存在感を維持してくれる。シンセ等の上物の浮遊感も、空間描写に優れるこのイヤホンで聴くことで、その浮かび上がり方や揺らぎの絶妙さが際立つ。

また、この楽曲においてはこのイヤホンの音色の個性、音のエッジに荒い鋭さを出さず適度に落ち着かせたスムーズな音調も、特に好ましく発揮。それにより前述の要素のうちソウルやクラブの印象が強まり、全体のメロウな雰囲気をさらに満喫させてくれる。

総じて、現代の楽曲および現代のリスナー全般に幅広く適応してくれそうな、納得感のあるサウンドだ。加えて上述の「ベースエンハンス」「空間オーディオ」のほか、簡単設定も詳細設定も可能なイコライザー、聴覚測定によるサウンドパーソナライズドといった音質調整機能もアプリに用意。自身のオーディオ的な好みに合わせたファインチューニングも可能だ。

サウンドパーソナライズ機能をサポートし、聴覚測定を行うことでユーザーの聴こえに音質を最適化できる

プリセットEQはバランス/低音強調/高音強調/音声強調の4種。カスタムEQも用意し、「詳細設定」から細かく調整することができる

「これぞNothing!」デザイン、音質、機能のすべてが高い仕上がり

というようにサウンドも進化しているが、今回最も注目されるのはやはりケースに搭載の「スーパーマイク」だろう。通話&ボイスメモのノイズ低減という実用メリットと、“プッシュトゥトーク” の操作感が「トランシーバーっぽくて楽しい!」という感覚を同時に提供してくれる。実にNothingらしいギミックだ。

また地味なところだが、これまでのシリーズ同様、タッチ操作ではなくピンチ操作を採用している点も評価したい。イヤホンを触っただけでは反応せず、ステム部を少し力を入れてつまむ必要があるので、誤タッチでの誤動作は皆無。着け外しの際などあまり気を使わないで済む。

完成されたデザイン。よく配慮された操作感。立体感を増したサウンドに、安定した性能を発揮するノイキャン。そしてビジネスシーンでも活躍しそうな実用的メリットとガジェット的遊び心を兼ね備える新機能「スーパーマイク」。「これぞNothing!」と嬉しくなるような仕上がりのイヤホンだ。


(提供:Nothing Technology Japan)

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