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PRシルキーなボーカルを聴かせる、夜をもたらす女神

Kinera Imperial「NOTT PHANTOM」レビュー! 北欧神話の女神がハイブリッドイヤホンで奏でるサウンドとは!?

公開日 2025/08/28 10:54 高橋 敦
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ドライバー構成は前述のように、1DD/2BA/2BAの3ウェイ・ハイブリッドだ。低域側から、8mm径ポリマーファイバー・コンポジット振動板ダイナミックドライバー1基、Knowles製フルレンジBAドライバー2基、Sonion製BAドライバー2基が採用されている。

ダイナミック型の振動板のポリマーファイバーコンポジット材というのは、機能性樹脂に繊維系素材を混合した素材のことだろう。

組み合わせや混合比率次第で、剛性や弾性、軽量性などを用途に合わせて高められる素材だ。

この場合はイヤホンの振動板、特にこの口径のそれに合わせた配合にされていると思われる。

KnowlesおよびSonion製のBAも、カスタマイズ仕様とのことなので、このモデルのそれぞれの帯域にベストな特性や音調を持たされているはずだ。

音響構造においては「ヘルムホルツ音響構造フェースカバー」に注目したい。

フェースプレートの紫の部分にはパンチングホールあるいはメッシュのように見えるが、目を凝らしてみると、単純な穴や網目ではなく、何やら独特の形状になっているのがわかるはずだ。

デザインだけでなく、音質面でも大きな効果をもたらすという「ヘルムホルツ音響構造フェースカバー」

そのプレートの奥にも特殊な形状の音響パーツが組み込まれており、それらが生み出すヘルムホルツ共鳴効果により、キャビティ内の特定周波数における高周波歪みの屈折と反射の排除、それによる音色の向上が実現されているという。

特殊形状によって共鳴や空気バネの効果を精密に制御し、任意の周波数を狙い撃って調整している。大まかにはそのような理解でよいだろう。

またその構造によって、装着時に耳に与えてしまう圧の軽減、より快適な着け心地と聞き心地も得られているというから、一石二鳥だ。

そのほか、リケーブル端子は0.78mm 2pin。ケーブルは本体に合わせたルックスのファブリック外装で導体は6N純度のOCC、すなわち単結晶状高純度無酸素銅となっている。プラグは交換式で3.5mmアンバランス/4.4mmバランス、どちらにも対応できる。

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イヤーピースはFinal TYPE E “EDGE STYLE シリーズ” 5サイズを含む、3種類を付属。装着性を好みにカスタマイズできるのも魅力だ。


こちらがパッケージに同梱されるアイテム一式。3種類のイヤーピースや交換プラグのほか、キャリングケースやクリーニングツール、ケーブルクリップなども用意されている。

シルキーなボーカル表現こそ、このイヤホンの真骨頂

といった技術要素を土台としてのチューニングのコンセプトは「ボーカル・ポップ・ミュージックに焦点」「真っ黒でクリーンな背景、滑らかで甘い中域、適度な高域の伸びと低域の深み」とのことだが、その意図は実際の音において見事に成されている。

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