“音が良い”だけではない。オーディオテクニカ「ATH-TWX9MK2」はビジネスユースにも大活躍するイヤホンだ
オーディオテクニカから新たなフラグシップ完全ワイヤレスイヤホン「ATH-TWX9MK2」が登場した。2022年9月に発売された「ATH-TWX9」の後継機種という位置付けだ。

新開発の「Pure Motion Driver」による高音質化。ノイズ検出用MEMSマイクとドライバー性能の向上で、ノイズキャンセリング精度もアップデート。その音質は、低音域は質感たっぷりで深みを感じさせ、ふくよかな中音域から伸びのある高音域までクリアな解像感が心地よい。フラグシップモデルならではの満足度だ。
その音質はリスニング用途に申し分ないアドバンテージだが、完全ワイヤレスイヤホンの利用シーンは、コロナ禍でオンライン会議などの増加に伴って拡大。筆者もオンライン発表会やインタビュー取材のほか、電車内で仕事がはかどるようにノイズキャンセリング機能を活用したりと重宝している。
これを踏まえ、ATH-TWX9MK2がどのようなシーンで活躍するのか、その使用感レポートをお伝えしたい。
「ATH-TWX9MK2」の実力をビジネス用途の観点でレビュー
最近は専用のスマートフォン向けアプリが用意されているワイヤレスイヤホンも多いが、本機で利用できる「Connect」アプリは必ず導入してほしい。
スマートフォンとペアリングしてからConnectアプリを開くと、ノイズキャンセリング機能のパーソナライズを行うことができる。イヤホンを装着している状態で音を出し、それをマイクで集音することでその人の耳の形状に合わせてノイズキャンセリング機能を最適化するというものだ。十数秒程度で完了するので、まずこれを行うようにしよう。
本機のノイズキャンセリング機能はかなり充実している。飛行機内のエンジン音などを低減してくれる「Airplane」のほか、電車やバスの騒音を低減する「Train」、街中での風切り音を低減する「On The Go」、オフィスや図書館などで気になる空調ノイズを低減する「Office/Study」、家の中の微小な雑音を低減する「Home」、さらに周囲の騒音レベルを計測して最適化する「Optimized」まで用意されている。
Connectアプリを利用しない場合でも、左側イヤホンのタッチセンサーを約3秒間長押しするとOptimized機能を利用できるが、それ以外に細かく設定したい場合はアプリが必要だ。AirplaneやTrainモードはその性能を把握しやすいが、興味深く感じたのが「Office/Study」と「Home」の違いだった。
夏の日差しが厳しいこの季節、自宅の仕事部屋で原稿を執筆しているとエアコンの送風音が少し気になる。そこで「Office/Study」モードにしてみると、「オフィス」というアナウンス音の直後にすぅーっと送風音が小さくなるのが分かる。メカニカルタイプのキーボードの打鍵音も心なしか柔らかくなったようにも感じた。「Home」にすると送風音が少し大きく感じるような印象で、強度については「Office/Study」ほどではないものの、長時間の使用でも苦にならなそうな調整を目指したことが窺える。
Connectアプリの新機能「サウンドスケープ」も仕事に便利
Connectアプリには、新たに環境サウンドを再生できる「サウンドスケープ」機能も搭載された。「自然」「ヒーリング」「マスキングノイズ」の3カテゴリーがあり、自然には「Ocean」「Fireside」「Stream」、ヒーリングには「Rejuvenation」「Tranquility」、マスキングノイズには「White Noise」「Pink Noise」などが用意されている。
このサウンドスケープ機能は、集中して仕事に取りかかりたいときなどに便利そうだ。筆者は普段、音楽を聴きながら仕事をすることはないのだが、電車や新幹線などで仕事をする場合にはその限りではない。逆にノイズキャンセリングイヤホンで周囲のノイズを消しつつ、BGMとして音楽をかけた方が集中力が高まる。
とはいえ、ちょっと難しい原稿に取りかかっている場合は音楽が邪魔になって考えがまとまらないこともある。そういう場合にサウンドスケープの森の音やピンクノイズなどを再生すれば、音に惑わされることなく集中力を高められるのではないだろうか。サウンドスケープで再生できるサウンドはあらかじめダウンロードする必要があるため、興味のある人はダウンロードしておくといいだろう。
