VGPアワードで4冠達成！ アンカー「Nebula X1」高評価のワケに審査員・鴻池賢三が迫る

どんどん惹き込まれる映像美。解像感、立体感にも優れる

投写してまず気付くのはやはり映像の明るさ。3,500ANSIルーメンのスペックは伊達でなく、100インチオーバーの超大画面でもコントラストがパワフルで色鮮やか。日中の明るい部屋でも、暗部の繊細な諧調再現性さえこだわらなければ、鮮明な映像を見ることができる水準だ。

今回は壁面が黒く、光の反射を抑えた音元出版のシアター視聴室で視聴。本機の実力を探った。まずは4K／HDRのUltra HD Blu-rayによる映画作品『トップガン マーヴェリック』。Dolby Vision収録の高画質作品としても知られている。

チャプター2の格納庫内シーン。超音速機「ダークスター」は無彩色で機体は光の明暗で描かれるが、グラデーションが濃密で曲面の滑らかさが印象的。本機は突出した明るさ性能に気を取られがちだが、平均輝度が低いシーンは相応に落ち着き、黒が引き締まって階調が優位に引き出され、立体感をも醸し出す。

 

5000：1のスペックをベースに、フレーム毎にトーンマッピングを最適化する独自の「NebulaMaster2.0」やスマートプロジェクターとしては珍しい機械式絞りによるオートアイリスが、ダイナミックかつナチュラルな映像表現に繋がっているようだ。

また管制室内のシーンは、薄暗い室内に計器表示の灯りがピークとなるが、このコントラスト感も従来のプロジェクターとは一線を画する部分。ほか、ガラスに反射する像の艶感など、何気ないシーンにまで目を奪われ、作品をより密度高く楽しめる。

YouTube映像は『Uzbekistan 8K HDR 60p』を鑑賞。8K撮影の超高画質作品で、解像度の確認にも適する。陽光に照らし出される青色のタイルを敷き詰めた壁面は、抉り出すかのような解像が圧巻。「よいレンズ」で撮影した写真のように、高コントラスト抜けが良く、透明感の高い色彩が目に心地よい。単に濃いのではなく、ピュアに引き出された高発色は見る者の心にまで届くかのようだ。

的確にコントロールされた色彩とスペックル知らずでスクリーンに染み渡るような安定した映像美。映像の中の世界へとどんどん惹き込まれてゆく。

 

スピーカーはパワフルでワイドな音場を展開

サウンド体験も本機の醍醐味である。前方スピーカーはコンパクトだが、そのサイズ感からは想像しがたいパワフルでワイドな音場を展開。Dolby Atmos収録の『トップガン マーヴェリック』は、視聴位置の真横までホログラムのように音が回り込むことに加え、飛行シーンで機体がローリングする時の音場の上下回転もリアルに再現。

映像とシンクロしてコックピットの雰囲気をバーチャル体験できる。厚みのある堂々としたセリフからも映画館の雰囲気が楽しめた。音楽コンテンツの包み込まれるようなライブ感もサウンドバー以上の体験だ。

映画館に迫る体験を約束するスマートプロジェクター

今や一大製品ジャンルと言える「スマートプロジェクター」の先陣を切ったアンカー。その功績に甘んじることなく、画音質を高める方向で順当な進化を続け、バリエーションと製品ラインナップを広げることでユーザーに新しい楽しみを提案してきた。

しかし今回のNebula X1は、「飛躍」と言って良いだろう。業界最高峰の輝度性能、光学系性能にもこだわった高画質、設置性のさらなる追求、そして映画劇場のような体験をもたらすハイレベルなサウンドシステムなど、隅々まで注力して他を圧倒。搭載技術やスペックを誇示せず、ナチュラルかつ高品位に仕立てている点も大いに評価した。

これはISF認証でも裏付けられる。使い勝手が良くほぼすべてが自動で最適化される簡便さも理想形。ユーザーはコンテンツを選択するだけで、自宅に居ながら映画館に迫る体験ができる。配信サービスが拡充する今、最高の贅沢としてお勧めしたいプロダクトである。

 

SPEC

アンカー・ジャパン「Nebula X1」
・プロジェクター本体
●投写形式：DLP ●表示解像度：4K（3,840×2,160） ●レンズ：光学ズーム・14層ガラス製レンズ ●光源：3色（RGB）レーザー ●最大投写サイズ：300インチ（投写距離が1.2 - 4mの幅に収まっていない場合、台形補正はマニュアルでの設定が必要） ●明るさ：3,500ルーメン（ANSI） ●騒音：約26dB ●内蔵スピーカー：15Wウーファー×2、5Wトゥイーター×2 ●主な入出力端子：HDMI×2（うちeARC対応×1）、USB Type-A×1、USB Type-C×1、AUX×1 ●ワイヤレス：Wi-Fi（5GHz／2.4GHz）、Bluetooth Ver 5.1 ●消費電力：最大240W ●外形寸法：約186W×246H×282Dmm（ハンドル除く） ●質量：約6.2kg

・サテライトスピーカー（1台あたりのスペック）
●ドライバーユニット：20Wフルレンジ×4 ●連続再生時間：最大8時間／音量45%（再生可能時間は音量や音源によって異なる） ●遅延：25ms以下 ●入力端子：充電用USB Type-C×1 ●外形寸法：約265W×113H×78Dmm（脚部除く） ●質量：約1.5kg

 

 

（提供：アンカー・ジャパン株式会社）