Polk Audioの2.1.2chイマーシブシステムと超短焦点プロジェクターで新感覚シアターを大提案!
Signature Eliteシリーズ 〜音の量感から音場まで一段とスケールアップ〜
ミドルクラスとなるSignature Eliteシリーズは、軽量で高剛性の「マイカ強化ポリプロピレン・ウーファー」を採用。低音の量感とレスポンス向上に最大限注力したことが特徴で、バスレフポート背後に備える特許取得の「Power Port」は空気の流れを円滑にするだけでなく開口部の表面積を広げ、通常のバスレフ型に比べ約3dBの出力向上を実現した同社の看板技術となっている。
「テリレン・ドーム・トゥイーター」は、ポリエステル系合成繊維のテリレンを素材とすることで、40kHzの超高音域もクリアに聴かす。ラインナップの多さは同ブランド随一だ。今回、フロア型スピーカー「ES55」、サブウーファー「ES8」、イネーブルドスピーカー「ES90」でシステムを構築。イネーブルドスピーカーがフロア型スピーカーの頭にぴたりと収まるのもデザイン的なポイントだ。
「移動効果が豊かになり、水平移動の範囲とスピード感が増す」
映画『新幹線大爆破』(Netflix)は、「Power Port」の効験あらたかで、アクションシーンの音の量感が一段とアップする。劇伴の再現に厚みと広がりが加わり、セリフがくっきり浮き上がる立体感も新鮮だ。また、MONITOR XTシリーズと比較して、音場が1.5倍くらい広くなった印象を受ける。
映画『デューン 砂の惑星PART2』(Netflix)の中盤のクライマックス、ポールがサンドワームを御するシーンは音場がより高く大きく広くなる。サラウンドスピーカーを使わないフロントセクションのみのシステムだが、移動効果が豊かに発揮され水平移動が広範囲になりスピード感が増す。
ES55のハイレスポンスで開放的な音調がプラスに作用し、そこにES90が加わることで、ハルコンネンの戦闘機の群れがフレメンの岩山のアジトを襲うシーンは爆発音が音場高く厚く充満し、砂塵が立ち昇るかのように錯覚するほど。再生音は格段にパワフルになり、ポールとフェイド=ラウサの決闘はエンクロージャーの余裕で静寂を背景に効果音が生々しく際立ち緊張感を盛り上げてくれる。
Reserveシリーズ 〜高解像力で音の分離がよく、音場のスピード感も豊か〜
国内で取り扱っている最上位ラインとなるReserveシリーズは、他シリーズ比べてインターナショナルな音調で聴かせるHi-Fi指向のシリーズ。剛性と内部損失を高めた独自形状の「タービンコーン・ウーファー」、高精細広帯域の「ピナクル・リングラジエーター・トゥイーター」、バスレフポートの不要ノイズを除去する「X-Port・テクノロジー」が結集。
フロア型スピーカー「R600」中心に、サブウーファーにはSignature Eliteシリーズにラインナップされる上位モデル「ES10」を組み合わせ、イネーブルドスピーカーに「R900」を追加している。R600には、特許取得のバスレフポート技術「Power Port 2.0」が導入されている。
「サウンドデザインの勘所をつかまえる、説得力に富んだ音質」
映画『新幹線大爆破』(Netflix)は、Reserveシリーズの自然な音の質感、音場重視の設計が映画のコンセプトと一致してサスペンスの緊張感を生む。連結切り離しシーンの機械音の生々しい表現には息を飲むほどだ。
映画『デューン 砂の惑星PART2』(Netflix)のサンドワームを御するシーンでアクション描写が高まっても、Reserveシリーズは解像力があるためどろどろした音隗にならず、構成している音の要素がきれいに分離して、それぞれの質感を保持して音場の見通しが失われない。そしてスピード感も豊かだ。
映画『TAR/ター』(Netflix)は、サウンドデザインの狙いをいかに再現できるかが重要なのだが、今回のミニマムなシステムにおいても、勘所をしっかりつかまえてアウトプットできている。弱音の粒立ちに優れ、Dレンジが豊か。リハ場面はフィルハーモニーザールのひんやりした空気を背景に、主人公ターの指示によるマーラー交響曲第5番の冒頭の響きの変化が、俄然説得力豊かになる。
エルガーのコンチェルト演奏シーンは若いチェリストの奏でる音色の豊かさ、音圧も申し分ない。R900の指向性が広く音場が広いため、主人公が廃墟に迷い込むシーンで画面より一回り大きい音場を謎めいた跫音が素早く横切る。ひんやりした空気の表出に情報量の躍進を実感させるのもシステムの伸びしろと言えるだろう。
映画の音に求めるものが明解であるほど、3つのシステムの違いが活きる
試聴に先立ってシステムアップが完成した時のシンプルですっきりとした眺めは、まさに「引き算の美」。衝撃的でさえあった。近年は100型の超大型液晶テレビが台頭しているが、映像のオン/オフで部屋の表情が一変する今回のシステムは21世紀さを感じさせる。
印象深かったのが、スピーカー台数を欲張らなくても、4K大画面と的確なスピーカーコンフィギュレーションとの掛け算でホームシアターの醍醐味が味わえるという事実だ。Dolby Atmosという優れた立体音響フォーマットとAVレシーバーの機能進化が大きい。
その下地を踏まえ、ポークオーディオの3通りのシステムを聴いてみると、Monitor XTシリーズによるベーシックかつ軽快なシステムでもなんら不足はないのだ。しかし、ユーザーが映画の音に求めるものが明解であるなら、次のステップがある。
セリフがしっかり聴き手に飛んできて、映画館の雰囲気を感じさせるSignature Eliteシリーズ。「伝えること」至上のアメリカ製スピーカーのDNAを感じる。エンターテインメント効果という点でも、低域を重視しスケール雄大なSignature Eliteシリーズが勝っている。
一方、映画に散りばめられた効果音がこまやかで劇伴音楽が美しいのは、S/Nに優れ情報量が豊かでインターナショナルな性格のReserveシリーズ。音楽コンテンツを観る機会が多いのであればこちらだろう。超短焦点プロジェクターとポークオーディオが生み出すシンプルシステム。どれを選んでも新しい視聴スタイルが待っている。

(提供:株式会社ディーアンドエムホールディングス)
