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ELAC「DCB61」は名門ブランドの高音質と先進の接続性でHi-Fiファンも長年愛用できるアクティブスピーカー

公開日 2025/05/19 06:30 高橋 敦
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「ConneX DCB61」 165,000円(税込/ペア)

ドイツの名門スピーカーブランドであるELACは、2023年5月に発売したアクティブスピーカー「Debut ConneX DCB41」(以下、DCB41)が、デスクトップオーディオからテレビ周りのサウンドまでカバーできるモデルとして、Hi-Fiオーディオファンから高評価を得た。多彩な接続端子とコンパクトさによる汎用性と名門ブランドに期待される音質を、ベストバランスで併せ持っていたことが人気を高めた要因のようだ。

今回新たに登場した「ConneX DCB61」(以下、DCB61)は、その汎用性と音質の両方をさらに強化させたモデルだ。接続性のブラッシュアップはもちろん、操作性の向上、そしてスピーカーユニットやアンプ駆動力が磨き上げられたハイグレード・アクティブスピーカーである。

汎用性の面では、「テレビと接続したのに音が出ない…」といったトラブルの可能性を格段に減らしてくれている部分も注目ポイント。音質面は、キャビネットサイズの大型化からも伝わってくる、スケール感を増した表現が、音楽再生だけでなく映像コンテンツにおいても大きな効果を与えてくれる。本稿では、DCB61の特徴とポテンシャルを紹介していこう。

スピーカーユニットとキャビネットの大型化で音質を根本的に高めている

DCB61では、ウェーブガイドを備えた19mmソフトドーム・トゥイーターと、可動域の大きいロングストローク・ボイスコイルとポリプロピレン振動板を採用した165mmウーファーによるユニット構成となっており、最大出力80W+80Wのアンプで駆動。バスレフポートは背面上部に設ける構造となっている。

19mmソフトドーム・トゥイーター

前モデルのDCB41と比較する、ウーファー口径が115mmから165mmに大型化、アンプ出力が50Wから80Wへと出力が向上している。それに伴うかたちでキャビネットの横幅は60mm、奥行きは130mmのサイズアップが図られている。また、キャビネットには12mm厚のMDF材を用いた。

165mmポリプロピレンコーン・ウーファー

左右のスピーカーの接続は、一般的なスピーカーケーブルで繋げていたDCB41から変更され、本モデルでは独自ケーブル1本で接続。接続が容易になっただけでなく、ケーブルの太さや外部ノイズの低減を考慮したジャケットなど、音質的に安心感のあるケーブルが導入されている。

スピーカーの左右の切り替えは、ボディにあるスイッチ1つでできる仕様だ。さりげないが、壁コンセントや壁の位置などによって起きる置きにくさなども、こういった配慮によってカバーしている。

物理的な大型化という、スピーカーの音質向上において根本的な一手が打たれたことは、新モデルならではの明確な優位性だ。デスクトップでの設置性はコンパクトなモデルのほうが有利であろうから、DCB61とDCB41で選び分けのポイントが生まれている。

バスレフポートはキャビネットの背面上部に設置されている

HDMIがeARC対応、Dolby Digitalもカバーすることで接続性が格段に向上

前モデルのDCB41が人気を獲得した背景には、接続性の高さが大きな要因だったと思うが、最新モデルのDCB61ではさらにブラッシュアップ。HDMI端子がeARC対応になり、そしてDolby Digital音声に対応した。

HDMIをはじめ、USB Type-Bや光デジタル音声出力、フォノイコライザーのオン/オフが可能なアナログ音声入力といった端子を備える

おかげでテレビ側の音声出力を「リニアPCM」に設定変更などせず、「オート」などのままで問題なくスピーカーから音が出力されるし、また主要VODサービスで採用されている音声フォーマットのほとんどを、スピーカー側がそのまま受け取って処理することができる。

事前にテレビ側の音声出力フォーマットの設定を変更しておかないと音が出ないといった、よくありがちなトラブルの可能性もカバーし、本当にHDMIケーブルでつなぐ"だけ"で楽しめるようになったわけだ。また、必須のeARC対応HDMIケーブルも同梱されているため、とても安心して使うことができるのだ。

Dolby Audioに対応しているため、テレビ側の音声出力を「オート」のままで問題なく再生できる

アプリ「Debut ConneX」や「LC3plus」対応など機能性も着実に進化

Bluetooth周りでは、ワイヤレスでのハイレゾ再生と低遅延接続を実現するという最新世代Bluetootオーディオコーデックである「LC3plus」にいち早く対応している。これは将来に備えてという意味合いが強いと思うが、今後対応するスマートフォンが増えてきたとき、高音質モデルであるDCB61の恩恵を最大限に受けられそうだ。

スマートフォンとBluetooth接続する際のGI。LE Audioを再生しようとする場合はスマートフォン側の「開発者向けオプション」の設定が必要

その他、最大96kHz/24bitに対応したUSB Type-B端子、フォノイコライザー機能をオンにすることでアナログプレーヤーも接続できるアナログ音声入力端子、光デジタル音声入力や、拡張性に繋がるサブウーファー出力端子などは引き続き踏襲している。    

そして最後に、アプリ「Debut ConneX」からの操作に新たに対応したことも注目ポイント。日常操作は付属リモコンで十分だが、設置環境に合わせたセットアップやイコライザー機能による音質調整は、アプリからの操作が非常に便利。これもDCB61ならではの強化点と言える。

アプリ「Debut ConneX」のUI。写真左がホーム画面、写真中央が入力切替、写真右がセットアップ画面。「XBass」や「Night」の設定も可能

 

アプリではイコライザー機能や設置方法に合わせたサウンド調整もできる

デスクトップオーディオで音質チェック〜ナチュラルな音質で声や楽器が瑞々しい

ではDCB61のクオリティレビューをお届けしていこう。まずはPCとUSB接続して、本モデルの基本であるデスクトップオーディオとして音質からチェックしていく。スピーカーの大きさに合わせて左右の設置間隔はやや広めにして、デスクから少し椅子を引いた距離にて試聴を行った。

USB Type-B接続によるデスクトップオーディオシステムで音質チェック

何より好ましいのは音色のナチュラルさ。音の硬さや鋭さによって解像感や情報量を強調するような音作りは全くなく、そのおかげで声や楽器の瑞々しさが全く損なわれずに届いてくる。そしてそのタッチのしなやかさもあり、ニアフィールドの距離感でも聴き疲れにくい。

それは昨今のユーザーがハイエンドイヤホンで聴き慣れているであろう、超現実的なまでにシャープな再生とはおよそ真逆の魅力とも言える。だからこそ新鮮で、イヤホンやヘッドホンとの使い分けもはかどるだろう。

DCB61の付属リモコン

ヨルシカのシングル曲『晴る』においてはその魅力を特に発揮。楽曲冒頭のギターの音色はまさに瑞々しくしなやかだ。このギターを角の立ったカッチリと硬い音で再生してしまうオーディオも少なからずだが、このスピーカーはそんなことはないどころか、その瑞々しさしなやかさをより際立たせてくれた。とくれば当然ボーカルも同じ感触であり、楽曲全体がそのタッチで描き出される。この曲においては大正解だ。

バンドサウンド全体のバランスも整っており、ベースやドラムスはボーカル後方に適正な音量、音像の大きさでクリアに定位。ベースの音像の適度にルーズな太ささ、それによるドライブ感の再現などから、本機の低音再生能力も確認できる。

キャビネット前面にあるリモコン受光部は、入力切替によってライトの光が変化する

 

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