【ミニレビュー】美的に攻める。スペインの俊英・Fono Acustica「Legato-XLRケーブル」
今話題のアクセサリーを毎週ピックアップして、音質改善のポイントをコンパクトにご紹介する「オーディオアクセサリーひとくちレビュー」。今月はXLRケーブル4本立てでお送りする。アキュフェーズに続き、今回はスペインのFono Acustica(フォノ・アクースティカ)の「Legatoシリーズ」をテスト!
艷やかに有機的に、美的に攻める
スペインFono Acusticaのエントリークラス「Legato」シリーズのアナログXLRケーブルを聴く。導体は6N銀メッキ無酸素銅で、絶縁体はテフロン。両端のプラグの導通部はロジウムメッキした銅である。
タン・ドゥン『交響曲1997「天、地、人」』は冒頭の鐘に艶がのっている。アタックにも余韻にも艶がある。柔らかなテクスチャーの児童合唱にも、独奏チェロにも。耳に美味しい音色に酔う。太鼓はアタックが強くて床にも響く。
武骨な「Hoist The Colours - Bass Singers Version」でもバリトンにまさかの艶。伴奏にやや無機的な電子音が多い録音なのだが、艶のおかげもあって有機的に聴こえる。そもそも不快な音を聴かせないケーブルである。そして連打されるバスドラムの低音はやはり強烈だ。
マレーシア出身のシンガーソングライター、ユナの「ティアダ・アヒール」は冒頭の雨音が生々しい。解像度が高い。そしてやはりピアノにも艶がのってじんわり沁みるし、ヴォーカルには甘さと切なさが濃厚である。
美的に攻めたケーブルだ。
