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押さえておきたい高音質のための基本設定も確認

新ウォークマン「NW-A300」を最高に鳴らせるヘッドホン/イヤホンを探せ! ソニー以外の製品ともチェック

公開日 2023/03/14 06:30 山本 敦
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ハイレゾストリーミングを良い環境で楽しむ方法



NW-A300シリーズはAndroid 12とWi-Fiによるインターネットへの常時接続機能を備えるストリーミングウォークマンだ。Amazon Music UnlimitedやApple Musicのアプリをインストールして、それぞれのサービスが配信するハイレゾ音源のストリーミング再生が楽しめる。

ウォークマンの場合、システム設定から「音」を選択後、「ハイレゾストリーミングの使用」をONにすると、音楽配信サービスのハイレゾ楽曲を「ハイレゾで聴く」ための体制が整う。この設定がOFFのままだと、Amazon MusicやApple Musicのアプリ側のストリーミング設定からハイレゾを有効化しても、すべての出力が48kHz/16bitに制限されてしまうので要注意だ。

音楽再生アプリのハイレゾ音源を楽しむための前準備として、Androidの設定から「ハイレゾストリーミングの使用」をONにする

ただ、「ハイレゾストリーミングの使用」をONにすると、ウォークマンが搭載するAndroid OSの制約によってアプリ、およびアラート音などシステムの音声出力が192kHz/32bitに変換されてしまう。唯一、W.ミュージックアプリによる音楽再生のみ、システムのハイレゾストリーミング設定に影響を受けることなく、元の楽曲データのサンプリング周波数とビット深度のまま出力される。

Amazon Music Unlimitedの場合、ストリーミング設定も「HD/Ultra HD」を選択しよう。すべての条件が整うとプレーヤー画面に「ULTRA HD」のアイコンが表示される

ハイレゾ配信よりも、moraなどミュージックストアで購入したハイレゾ音源をウォークマンにダウンロードしてW.ミュージックアプリで聴く方が、同じ楽曲で聴き比べた時に純度が高く感じられる理由はこの辺りにありそうだ。

でも、だからと言ってウォークマンでAmazon MusicやApple Musicなどアプリによるハイレゾストリーミングを楽しまない手はないと筆者は思う。ストリーミングサービスによってハイレゾで入手可能な様々な楽曲を知り、気に入った音源は別途購入して、より良い再生環境を探求すればいい。

DSEE Ultimateやバッテリーセーバーも使いこなそう



ハイレゾ以外のストリーミング音源やダウンロード音源、CDからリッピングした音楽ファイルをウォークマンに保存して聴く場合はDSEE Ultimateの機能も有効に使いたい。

DSEE Ultimateは、AIにより楽曲再生時にハイレゾ級の音質にまでリアルタイムにアップスケーリングする技術。最新版Ultimateではサンプリング周波数とビット深度の両方をAIによって拡張する。

DSEE Ultimateにより様々な音源がハイレゾ級の音質で楽しめる

2019年に発売されたNW-A100シリーズではヘッドホン・イヤホンの有線接続時、およびW.ミュージックアプリによる再生時のみDSEE Ultimateが有効になった。一方、今回のNW-A300では音楽再生時はアプリによる制約を設けず、DSEE UltimateをONにすればアップスケーリングがかかる。ただし、元が88.2kHz/24bit以上のコンテンツを再生する場合には効果はない。

NW-A300シリーズでは、SoCに省電力性能の高いクアルコムのチップを採用した。さらにソフトウェアのチューニングをブラッシュアップしたことで、Wi-Fi経由によるストリーミング再生時に消費されるバッテリーをNW-A100シリーズよりも低く抑えている。

とはいえ、Wi-Fiを使わない場合に比べるとバッテリーが消費されるスピードはNW-A300シリーズも若干早くなるように、実機で試した限りで筆者は感じる。Android OSの設定にある「バッテリーセーバー」をONにしても、端末のオーディオ再生のクオリティには基本的に影響が及ばない。なので、この機能を積極的に活用する手もアリだ。

バッテリーセーバーの機能も有効に活用して、ストリーミング再生時のバッテリーの減りを抑えたい

Androidスマホの感覚で、NW-A300シリーズもつい電源を常時オンのままに使ってしまうという方もいるはずだ。電源の切り忘れにより、いざ音楽を聴きたい時にウォークマンのバッテリーが尽きているということがないように「自動電源オフ」の設定も済ませておこう。

これからウォークマンAシリーズの購入を検討している多くの方々に、このレポートが良いヘッドホン・イヤホン、そして音楽コンテンツとの出会いを呼ぶきっかけとなることを願うばかりだ。

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