HOME > レビュー > 比類無き完成度。Bowers & Wilkinsの完全ワイヤレスイヤホン「Pi5 S2」「Pi7 S2」に迫る

PRさらなるブラッシュアップを経て登場

比類無き完成度。Bowers & Wilkinsの完全ワイヤレスイヤホン「Pi5 S2」「Pi7 S2」に迫る

公開日 2023/02/03 06:30 高橋 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

総じて高い再生力を誇るPi5 S2、クラスを超えた完成度のPi7 S2


構成する要素を並べて見ても、両モデルともに十二分の完成度であるが、こちらもやはり、何より素晴らしいのはサウンド。Pi5 S2は、豊かな低音表現やバランスとなじみの良さを発揮。そして、Pi7 S2はPi5 S2の強みはそのままに、解像感、表現の緻密さなどがさらに強化される。自然な感触を維持したままでの豊かな情報量は特に圧巻だ。

aptX Adaptive対応機器との接続で、48kHz/24bit音源を精細に鳴らし切る

Pi5 S2での楽曲再生も非常に高いクオリティであるのだが、その上位に位置づけるPi7 S2は、あらゆる楽曲の再生においてはPi5 S2の上位互換。いや、シリーズ機ということで比較表現を用いたが、完全ワイヤレスイヤホンというカテゴリで比肩するモデルは無いという気さえしてくる。中でも現代ポップスへの対応力は目覚ましい。

例えばビリー・アイリッシュさん「bad guy」のように、音数は少なめにして、代わりにひとつひとつの音の質感や配置、空間の余白の使い方などを徹底的に作り込むサウンド。Pi7 S2はその全てを余すところなく再現できる数少ないイヤホンのひとつだ。それでいてクールなタッチに寄りすぎることはなく、Pi5 S2で絶品の表現を見せるボーカルの湿りや憂いの表現も兼ね揃えるといった隙の無さだ。

それに加え、音場全体を支配するほどのボリューム感で響く、ベースの迫力も余裕で再現。この低音を、無難にまとめるのではなく、盛大に鳴り響かせつつ適切にコントロールしてまとめてくれるのはPi7 S2の大きなアドバンテージ。バイアンプ駆動の効果が特に発揮されている部分かもしれない。

イヤーピースは本体色に応じたカラーが3サイズ同梱。音質を追求し、スポンジ状のフィルターを装備する

音数の多い楽曲も精細に鳴らし切るPi7 S2の強みと凄み


一方で同じ現代ポップスでもJ-POPに目を向けると、星街すいせいさん「Stellar Stellar」のように、音数を抑えた「bad guy」とは対照的に圧倒的な音数で構成された楽曲も多い。しかしPi7 S2はそちらとの相性も良好。複数の音色とパターンを重ねて緻密に構築されたドラムスのその複雑なリズムも、Pi7 S2はごちゃつかせずクリアに届けてくれる。

「Pi7 S2」は充電ケースにBluetoothトランスミッター機能を搭載。こちらも上位モデルならではのアドバンテージの一つといえる

それでいて、そのドラムスに耳を向けない限りは、その複雑なリズムが妙に主張して目立ちすぎることもないというのがまた好ましい。

特に、この「意識を向ければそれに応えてくれ、意識しなければ変に気になることはなく、しかし意識を向けていないときもリスナーの無意識には働きかけている解像感」こそ、Pi7 S2の強みであり凄み。他の何でもなくこのイヤホンを選ぶ理由となり得る、大きな大きな価値だ。



Pi5 S2で超ハイエンド、Pi7 S2はそれをさらに超える超超ハイエンドの価格帯。両機ともそれも納得の高みに到達しているが、それにしても強気な価格設定ではある。

しかしいまや、普通の価格で普通に優秀なイヤホンは世に溢れているのだ。ならばそれに満足できないミュージックラバーやファッショニスタに刺さる、他に比類するもののない突出したアイテムの提案こそ、トップ・ブランドたるB&Wに期待されるところだろう。

Pi5 S2はまさにその期待に応えた製品。
そしてPi7 S2はその期待を超えた逸品と言える。
どちらを選ぶにしても、他のイヤホンからは得られない満足を得られることだろう。

(提供:ディーアンドエムホールディングス)

前へ 1 2 3

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE