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ハイエンドメーカーが本気で作った大注目サウンドバー、DEVIALET「Dione」の実力とは?

2022/06/26 土方久明
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一台とは思えないほどの豊かな低音を実現!映画も音楽再生も、明瞭かつ迫力あるサウンド



クオリティーチェックは自宅1Fの試聴室で、LG社の55インチ液晶テレビと組み合わせ実施した。設置されたカッシーナのラックとの視覚的なマッチングも優れており、存在感も抜群だ。

本体の横幅サイズを考えると、55インチ以上のテレビに組み合わせたい

本体中央にあるボール状のトゥイーターには、ジャイロセンサーを内蔵しているので、今回のような平置き設置、または壁掛け設置時には、その向きを変えて設置すれば、それぞれスピーカー・チャンネル・マトリックス(垂直方向の角度)を自動的に変更してくれる。

ボール状の部分は、平置き/壁掛けの設置向きに合わせて手動で回転。その上で配置することで、内蔵のジャイロセンサーが検知して最適化してくれる

壁掛け時には中央のボール部分が上側になるような向きで設置する

Dioneとテレビを、Kordz社のHDMIケーブル「Bravo」で接続して、テレビの音声出力設定を「HDMI ARC」に変更する。アプリの初期設定は対話式のUIにより、実にスムーズだ。

まずは、Apple TV 4K端末からDolby Atmosフォーマットの『フォードvsフェラーリ』を再生した。

チャプター25のレースシーンを視聴すると、音が出た瞬間、「なんというパワフルな音だ!」と驚いた。大型キャビネットと17基ものスピーカーユニットを生かした、まさにハイエンドモデルだからこそ達成できる迫力満点のサウンドだ。レースカーのエグゾーストノート(自動車のマフラーから発生する排気音)が部屋中に響き渡り、臨場感も抜群である。

サウンドバーの再現性を確かめる上で大切なポイントが、映画のセリフの明瞭度だ。Dioneで聴く音声は輪郭がクリアで、前へしっかりと出してきて感心した。音場表現については、画面の横と縦幅を超えつつ、前後方向の遠近感もしっかりと表現している。それゆえに、オーバルコースに反響するレース実況は、広大な音場表現に、明瞭なアナウンスとセリフの定位感も再現され、描き分けも秀逸だ。

続いて、Dolby Atmosコンテンツ再生時の “高さ方向” の表現効果を確認するために、チャプター12の飛行機が上空を駆け抜けるシーンを再生した。本モデルは余裕のあるサイズのボディに設置された合計4つのイネーブルドスピーカーから天井に音を放出/反射させることで、高さ方向からのサラウンド音声を強力に表現できている。

実際に、イネーブルドスピーカーから出たプロペラの音は、テレビ真上を超えて、視聴者前方の斜め上くらいまで聞こえて嬉しくなった。3次元的なサラウンドが大きく臨場感を増していて、大満足だ。

さらにSPACE機能を試すべく、Dolby Atmos非対応の『TENET テネット』を視聴してみた。SPACE機能の利用時には、シネマ、ミュージック、ボイスなど4種類の音声モードを選ぶことができる。ここでは「シネマ」を選択した。

冒頭のオペラハウス襲撃シーンを再生すると、爆発音や銃声の反響が、テレビの高さを超えて届いてくる。一般的なサウンドバーより迫力が増して感じられる。またSPACE機能によって、それらの音がテレビの高さを超え、おかげで臨場感を大きく高められていることに感心した。

ユーザビリティーも秀逸で、ソース選択や音量調整は本体左側側面のタッチボタンとアプリから可能。もちろんHDMI CECにも準拠しているので、テレビのリモコンからも音量調整可能となる。

アプリからの操作が最も手軽。本体にもタッチセンサーボタンを装備する

次に音楽再生も試してみよう。アプリのソース選択画面に、SpotifyやQobuz、Deezer、Tidalなど、世界中でメジャーなロスレスサービスが並んでいてビックリした。ここから各サービスのアプリへ移動できる。

アプリ画面はシンプルでわかりやすい設計。音楽再生のソースには多くのサービスが並ぶ

本試聴では、UPnPによる本格的なネットワーク再生を試すべく、アイ・オー・データ機器の「サウンドジェニック「HDL-RA3HG」をNASに使用して、同社のアプリ「fidata Music App」から女性ボーカルのアデル「Easy on me」(44.1kHz/24bit)を再生する。

サウンドモードはミュージックを選択したが、クセのない音色と音調で、ソースの質感表現も忠実に再現される。さすがはハイエンドオーディオメーカーのサウンドバーといったところだ。他の音声モードについては、「ボイス」は文字通り声のディテールが明瞭で、音の中心がセンターになる。スピーカーの左右を超えて大きく音場が展開し、低域の迫力も増した、よりエンターテイメント性を高めた音作りだ。



ここまで書いてきたように、Dioneは、余裕のある筐体サイズを生かした、上下にレンジの広い音と、迫力ある低域が大きな魅力だ。特に低域表現は、市場にある多くの一体型サウンドバーの中でもトップクラスといえる。価格は安くないが、Dioneを大型テレビと組み合わせれば、見た目もサウンドも、非常にリッチな体験をもたらしてくれる。

5.1.2chというチャンネル・アロケーションを、一本バータイプで実現したこともポイントだ。サブウーファーを必要としないので、文頭で書いた “設置のしやすさ” というサウンドバーのメリットを最大限生かすことができる。

操作や設置も手軽ながら、1台でサブウーファー要らずの低音も実現。映像も音楽再生も、満足度の高いサウンドで楽しめるだろう

さらに、イマーシブサウンドの再生能力も高いことも特筆したい。音質が上がると映像への没入感が上がると言われているが、まさにそれを具現化するような体験ができるだろう。サウンドバーで最上級の音を表現できる価値は大きい。

また、現代のサウンドバーに必須ともいえるスマホ連携による音楽再生機能についても、Bluetoothだけでなく、本格的な音楽ストリーミング再生も単体で行えるため、導入後の満足感はかなり高い。様々なブランドから多くのサウンドバーが登場している今、一気に最上級の環境を導入したい方にうってつけの1台である。

(協力:完実電気)

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