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PR110周年機の技術を多数投入の中級機

日本のアンプもここまできた。デノン「PMA-1700NE」が“超ハイコスパ”である理由

2022/06/21 石原 俊
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クラシックではオーケストラの姿を描くのが巧みだと感じた。凡百なシステムでは聴き逃しがちな第2ヴァイオリンやヴィオラ、チューバなどといった縁の下の力持ち的な楽器のサウンドが明瞭に聴こえてくる。

この種の楽器の音はオーケストレーションの隠し味的なものであって、必ずしも明瞭に聴こえる必要はないという意見もあるだろう。「こっちが一生懸命混ぜ合わせているものを、オーディオマニアは分解しようとする」と言ったのは、あの小澤征爾だ。その意見にはうなずけなくもない。しかしながら、混然一体となったサウンドを解体してみたいと願うのがオーディオ愛好家の性(さが)であり、それに応えるのがアンプメーカーの使命だと筆者は確信する。

本機の機能に話を戻すと、ソースダイレクトモードを解除すると、トーンコントロールとバランス調整ができるようになる。これらは深夜などのイレギュラーなポジションでのリスニングに効果的なので活用したい。トーンコントロールの使い方のコツは、音量を思い切って落とし、コントロールノブを思い切って右に回すことだ。

デジタルもアナログレコードも一級品のサウンド

製品の背面部。デジタル接続用のUSB-B端子やフォノ端子も搭載するため、幅広いソースを再生できる

ここでソースをNASに切り替え、本機とUSB接続した。USB-DACを使用するわけだから、当然のことながらアナログモードは解除している。しかしながらNASには高音質なハイレゾ音源が入っている。

前述のように本機にはフルスペックのUSB-DACが搭載されており、MQAを除くあらゆるハイレゾデータをデコードすることができる。さらには、ここまで縷々として書き連ねてきたように、アナログアンプの性能が極めて高い。したがってハイレゾデータを高解像度で再生することができるのだ。DSD11.2MHzのデータを聴いたのだが、CDとは比べ物にならないほどの音像定位と空気感を享受することができた。

最後にアナログレコードを聴いた。カートリッジはフェーズメーションの「PP-2000」を、レコードプレーヤーはテクニクスの「SL-1000R」を用いた。結論から先にいえば、本機のフォノイコライザー部は単なるオマケではなく、第一級の実力を有している。超高級なPP-2000に位負けすることなく、その高精細で気品あるサウンドを堂々と受け止め、スピーカーから放射してみせた。

さて、このアンプをどう使おうか。CDコレクションをもたない若者ならストリーミングを中心として、気に入った楽曲はハイレゾ音源で楽しむような使い方をするのもいいだろう。

もしも私が40歳若かったら、普段聴きはストリーミングで我慢して、小遣いの全てをアナログレコードに注ぎ込むようなミュージックライフを送ってみたい。若者でも多少の無理をすれば手に入れることができる、超低価格の超高性能機である。


(協力:D&Mホールディングス)

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