【ガチンコ対決 第2弾】いま買うべきプリメインアンプが決まる!

デノン「PMA-A110」vs マランツ「MODEL 30」 最強のミドル級アンプはどっちだ!?

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生形三郎/土方久明 構成:季刊・オーディオアクセサリー編集部

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2021年06月18日
前回のプレーヤー対決に続き、今回も2大ブランドによる意地とプライドを賭けたプリメインアンプ対決が実現。

3組のスピーカーを用意し、CDからSACD、レコードまで、あらゆる音源で生形三郎氏と土方久明氏が徹底的に比較試聴した。ミドル級最強のモデルは、110周年の節目に圧巻のモデルを誕生させたデノン「PMA-A110」か、それとも70周年を迎えるにあたり新世代を掲げて革新的なモデルを誕生させたマランツ「MODEL 30」か……。

両名の試聴対談から、最新アンプの実力の高さをぜひチェックしてほしい。

DENON「PMA-A110」363,000円(税込)


【PROFILE】デノンの伝統と最新技術を融合させた110周年記念モデル「PMA-A110」。同社のHi-Fiアンプの根幹となる大電流素子UHCMOSによるシングルプッシュプル回路、そしてベースモデル「PMA-2500NE」に至るまで8世代にわたり磨き続けてきた最新のアンプ設計技術を惜しげもなく導入。サウンドフィロソフィーである「Vivid & Spacious」を具現化したハイエンドモデル「PMA-SX1 LIMITED」からも、数多くのカスタムパーツや高音質パーツ、アルミ製トップカバー&フットを受け継ぐなど、徹底した高音質を目指した力作。

MARANTZ「MODEL 30」297,000円(税込)


マランツの伝統を継承しつつも、現代のリスニングシーンに合わせた性能や機能、そしてデザインを纏った、新世代を象徴するプリメインアンプ「MODEL 30」。“入力信号の鮮度をいささかも損なうことなく、パワーアンプに送り届けること”をプリアンプの哲学に、高速アンプモジュール「HDAM-SA3」を用いた電流帰還型アンプにJFET入力とDCサーボ回路を組み合わせた1段構成のプリアンプ回路を採用。さらに、Hypex社製「NCore NC500」スイッチングアンプモジュールを採用した強力なパワーアンプを搭載する渾身のモデル。



自由に組み合わせられることがピュアオーディオの醍醐味

土方 最近のスピーカーは、大きく3つの流れがあると思うんです。「B&W」「マジコ」「YG ACOUSTICS」「パラダイム」などに代表されるオーディオ的再生能力に長けたハイテクモデル、「JBL」「タンノイ」「ソナス・ファベール」などの明快なコンセプトで音楽性を重視したモデル、そして「エラック」「モニターオーディオ」「フォーカル」「クリプトン」などのその中間バランスを備えたモデル。アンプも、それらに合わせた魅力的なモデルが登場していて、まさに“いまが買い時”と言えますね。

生形 そうですね。ハイレゾの普及もあって、個性がありつつも、よりナチュラルなサウンドを奏でるアンプの登場が目立ちます。また、最近のクラスDアンプは音質も十分だし、低域も速いし、消費電力も少なく電気代もお得です。電気を熱で捨てるのはもったいないので、電気代もエコなオーディオが、これからはいいのではないかと思ったりもしています。

土方 環境まで気にされているんですか!?

生形 私の自宅はチャンデバを使ったマルチアンプ構成なのですが、狭い部屋がさらに狭くなって如何なものかなと……(笑)。そういった意味でも、電気代やスペースを圧迫しないけど、すごく良い音が鳴るオーディオは大歓迎ですね。

土方 真の新世代だ! 本当に一番みんなが考えていることかも。

生形 特にマランツは、最上位の「PM-10」で初めてHypex製クラスDアンプを採用して以降、そのノウハウがかなり溜まって「PM-12 OSE」からこの「MODEL 30」と、かなりこなれた印象があります。

土方 僕はA級アンプにもロマンを感じるので、昔ながらのオーディオも大好きで、電力をかけたアンプは良い音がするのではないかと期待しています。そういった意味でも、デノン「PMA-A110」は限られたコストで徹底的に音質に物量投資していて、思い切りを感じますね。帯域バランスと音調がバッチリ合うスピーカーと組み合わせれば、コスト以上の音が必ず出せると思います。

生形 確かに、スピーカーやアンプ、プレーヤーを自由に組み合わせて音作りができる魅力や楽しさが、ピュアオーディオの醍醐味と言えますからね。何よりも音の良さが一番だとは思います。

前回のプレーヤー編に引き続き、生形三郎氏(左)、土方久明氏(右)が徹底検証

プリ回路の改良を図りつつ使い勝手も考えられた設計

土方 最近はプリアンプ部の回路に力を入れたモデルが増えた印象で、今回の2モデルはその流れを汲む代表的なモデルですね。デノンは可変ゲイン型プリアンプとパワーアンプによる二段構成を採用しているし、マランツもプリアンプ部の回路を大幅に見直し、単体プリアンプさながらの構成を実現しています。一体型の人気が出ているからこそ、プリ部の重要性に気が付きますよね。

生形 私自身は音楽制作をしてきたから、プリ部は正確なフェーダーのような存在であってほしいと思っていたんです。でも、さまざまなオーディオ機器を聴くうちに、デジタルからアナログまで、いろんな製品を司ってコントロールするプリ部は、音の方向性を左右する意味において非常に重要な存在だと気付かされました。両モデルともプリ回路を改良したことは、“オーディオを楽しむ”上で必然の流れだったと思います。

土方 体感的に、プリ回路に気を遣っているアンプって、押し並べて音が良いですからね。

PMA-A110は、「繊細さと力強さ」を高次元で両立するため、リニアリティに優れ大電流を流せる新世代の「Advanced UHCMOSシングルプッシュプル増幅回路」を採用する

MODEL 30は、独自の高速アンプモジュール「HDAM-SA3」を用いた電流帰還型アンプに、JFET入力とDCサーボ回路を組み合わせたプリアンプ回路を搭載。解像度や透明感が大幅に向上した


PMA-A110は、2つのトランスを対向配置して漏洩磁束の影響を打ち消す LCマウント方式を採用。また、専用の大容量カスタムコンデンサーにより、十分かつクリーンな電流供給を実現している

MODEL 30は、プリアンプ専用の大容量トロイダルトランス、電流ショットキーバリアダイオード、カスタムブロックコンデンサーなどを採用し、ハイスピードかつ安定した電源供給を可能にした

生形 一方で、使い勝手の面ではネットワーク対応の有無も重要になりますよね。純粋な回路の論理なら、デジタルとアナログを混在させたくないので、マランツがプレーヤー側だけにDACを搭載しているのは納得がいきますね。

土方 デノンがアンプにDACを積んでいるのは、伝統的なディメンションですよね。1980年代後半には、CDプレーヤーやDATからのデジタル入力を受けるDAC内蔵のプリメインアンプが流行りました。当時はデジタル伝送すれば音が劣化しないとされ、良質なDAC回路を利用できるメリットもありました。私にとっては「PMA-1010D」などが印象に残っています。現在はパソコンやミュージックサーバーのUSBデジタル出力を受けるDACは必要な要素なのに、単体DACが減っています。だからこそ「DACを再生システムに加えたい」という強いニーズに応えた形でもあるのでしょうね。

PMA-A110は、超低ノイズ可変ゲインアンプを搭載した、高精度な電子ボリュームを採用。電子コントロールにも同様の構成を採用したことで、理想的なミニマムシグナルパスを実現している

MODEL 30は、パワーアンプにHypex社製「NCore NC500」のスイッチングアンプを2基採用。歪が少なく、スピーカーのインピーダンスに影響を受けず周波数特性が変化しない特性を持つ


PMA-A110は、最大11.2MHzのDSD、384kHz/32bitのPCMに対応した USB-B入力を搭載。超低ジッタークロック発振器のマスタークロックで制御を行うアシンクロナスモードにも対応する

MODEL 30は、可聴帯域外まで優れた特性を備えたJRC製の最高級ボリュームコントロールIC「MUSES 72323」を採用。クロストークや音量差をなくし、空間表現力を大きく向上させている

3種類のスピーカーを使ってサウンドレビュー

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