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「実に素晴らしい技術力の高さ」。HIFIMANの独自開発DACチップ「HYMALAYA」実力徹底チェック!

2021/12/29 岩井 喬
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まずはPC(Windows10+foobar2000)とのUSB接続でチェック。48kHz/16bitまでの対応とは言え、プレーヤーソフト内変換でのDSD再生や、よりハイレートな音源でも変換再生が行えるので、ネイティブではないものの実質的にほとんどの音源は再生できる。滑らかな質感描写性と素直で開けた空間表現力を持っており、しっとりとしたボーカル表現やキックドラムのアタックの深さ、胴鳴りの豊かさも実にリッチだ。オーケストラの響きも湿潤で、余韻の階調性の細やかさも的確に描き切る。エレキギターのコシの太さ、リヴァーブ表現のきめ細やかさも価格以上のクオリティであり、ΔΣ型とは一味違う音像の密度感、豊かでコクのある倍音表現を堪能できた。

PCと接続したところ

続いてハイレゾ対応ウォークマン、ソニー「NW-WM1Z」からのLDACコーデックによるBluetooth接続でも聴いてみる。ハイレゾ音源ならではの緻密さや、S/Nの良い滑らかな描写性に加え、マルチビット型らしいエッジ表現のきつさを感じさせないスムーズな音像描写性を実感。オーケストラも立ち上がりの流麗さ、余韻の階調性の細やかさも一段とクオリティが高まり、低重心なローエンドの伸びやかさも高級機並みの安定感を持っている。ボーカルの肉付きのナチュラルさ、口元の滑らかで湿潤な描写も見事で、コーラスワークの重厚さ、前後の分離感もしっかりと表現。全体的に音像の密度は高く、低域方向の安定度、階調性の細やかさ、楽器やボーカルの存在感の高さといった点でマルチビット型らしい音質傾向を実感できた。

特に『Vivy -Fluorite Eye’s Song-』の「Sing My Pleasure」など、音数が多く音圧の高い音源でも飽和せず、ボーカルのバックを支えるストリングスやエレキギターの細やかなフレーズも丁寧に引き立たせ、色彩豊かにサウンド全体をまとめあげてくれる。ボーカルの儚いニュアンスやボトムの適度な厚みも素直にトレース。ベースの滑らかな押し出しと倍音の豊かさからくる弦楽器のウェットな艶感も耳馴染み良い。打ち込みものであっても音の重なりを丁寧にほぐし、シームレスで聴きやすいバランスとしてくれる、リスナーに寄り添った表現力もHYMALAYA DACの成せる業なのかもしれない。

DEVA PROはそのほかにもBlueMini R2Rを使用せずに有線接続で利用することも可能

DEVA PROとBlueMini R2Rの組み合わせは、Bluetooth接続の状態であっても有線接続を思わせるアナログライクな音の厚みと滑らかさを実感させる価格を超えたサウンドを持つ。これもR2Rディスクリート構成のHYMALAYA DACがもたらした、マルチビット型ならではの音質の良さが働いているのだろう。現段階のBlueMini R2RではHYMALAYA DACが持つ本来の768kHzまでのネイティブなハイレゾ再生に対応できていないが、今後の展開にも大いに期待できるサウンドクオリティである。

まずはこの組み合わせでHYMALAYA DACの魅力を体感できるというのは、入門としてこれ以上ない魅力的な提案だ。またR2RディスクリートDACを破格のプライスで味わえることも驚きであり、HIFIMANの戦略性をうかがい知ることができる。いずれにせよ、HYMALAYA DACが提示してくれたR2Rマルチビット型ディスクリートDACの魅力は、これからのポータブルオーディオの在り方も変えていくようなパワーを持った革新的なものであるといえるだろう。

(提供:HIFIMAN JAPAN)

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