USB-C搭載など変更点もチェック

第6世代「iPad mini」レビュー。これは最も手軽なエンタメプレーヤーだ

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山本 敦
2021年09月27日
アップルがオールスクリーンのデザインに生まれ変わった第6世代の「iPad mini」を発売した。オーディオ・ビジュアル的視点から新しいiPad miniの魅力を掘り下げてみたい。

第6世代の「iPad mini」

「iPhone 13」シリーズと同じ高パフォーマンスのA15 Bionicチップを搭載

iPad miniは「iPhone 13」シリーズと同じ最新のA15 Bionicチップを搭載している。GPUの仕様を5コア構成としているところは上位の「iPhone 13 Pro/Pro Max」と同じだ。

背面にはシングルレンズ12MPのメインカメラを搭載。フロント側のFaceTime HDカメラも第5世代機から強化。イメージセンサーの解像度を7MPから12MPに上げて、さらに122度の視野角をカバーする超広角カメラとした。

カメラが捉える人物などの被写体を常時トラッキングしながらフレーム内に収める「センターフレーム」の機能はビデオ会議のカメラ兼モニターとしてiPad miniを使う際に役立つ。

8.3インチのLiquid Retinaディスプレイを搭載

オールスクリーンのデザインとして、ベゼルの中にFaceTime HDカメラを目立たないよう配置している

そして何より目を引くのが、本体のサイズを第5世代のiPad miniからほぼ変えず、より大きな8.3インチの液晶Liquid Retinaディスプレイを搭載したことだ。Touch ID付きのホームボタンを廃して、現行の「iPad Pro」「iPad Air」と同じオールスクリーンのデザインとした。フロントカメラはベゼルの中に目立たないように埋め込んでいる。

生体認証にはFace IDを採用せず、本体側面の電源ボタンを兼ねたトップボタンにTouch IDによる指紋認証センサーを載せた。トップボタンスタイルの指紋認証が採用されたiPadは、昨年秋に発売された第4世代のiPad Air以来になる。

長さが短い方の側面にボリュームボタンを配置

トップボタンに埋め込まれたTouch IDで画面ロックの解除等が素速くできる

デジタル端子はUSB-Cを採用

デジタルペンは第2世代のApple Pencilによる手書き入力に対応する。iPad miniの側面に搭載するマグネットに装着して素速くペアリングと充電ができる。Apple PencilとiPad miniの側面の長さがほぼ同じなので、ボリュームボタンはトップボタンがある本体の短い方のサイドに移動した。

ステレオスピーカーは本体の側面横向きに開口部を設けた。デジタル端子はLightning端子からUSB-Cに変更。これで第9世代の“無印”「iPad」だけがLightning端子を搭載するiPadとして残った格好だ。

デジタル端子はUSB-Cを採用する

デジタル端子と言えば、アップル独自のSmart ConnectorがiPad miniにはない。そのため現行iPadシリーズの中で唯一、アップル純正のSmart KeyboardやMagic Keyboardが発売の時点で揃っていない。現在のSmart Connectorにより接続する仕組みのまま「iPad mini専用」のキーボードとして今後登場する確率は低いと思う。

もちろんiPadOSの機能により、Bluetooth対応のキーボードやトラックパッド、マウスを組み合わせて使うことはすぐにでもできる。筆者のようにキーボードを使ってテキストを書く作業にも頻繁にiPad miniを使いたいと考えている方は、iPad miniにジャストフィットするキーボードを見つけたい。

空間オーディオを楽しみ尽くせるプレーヤー

今回筆者が試用したモデルは、男女ともに持っていても違和感のない落ち着きのあるパープルのカラーバリエーション。Wi-Fi+Cellularモデルだ。

新しいiPad miniはApple Musicのドルビーアトモスによる空間オーディオに対応するコンテンツととても相性が良い。本体に内蔵するスピーカーだけ空間オーディオの立体感を再現できる。

iPad miniの背面。素材にアルミニウムを採用する

両側サイドに開口部を向けたステレオスピーカーを搭載

iPadOS 15以降、AirPods ProまたはAirPods Maxをペアリングすると、Apple TVアプリだけでなく、ミュージックアプリでApple Musicの空間オーディオ対応コンテンツを再生した時にダイナミック・ヘッドトラッキングが効くようになった。

さらに様々なステレオ音源をアップミックスして「空間オーディオ化」するiPadOS 15の新機能も楽しい。Apple Musicのミュージックビデオ、YouTubeなど8.3インチのLiquid Retinaディスプレイによる動画視聴の没入感がいっそう引き立つからだ。

なお、顔の正面以外の位置にiPad miniを置いて空間オーディオ対応のコンテンツを再生しても、ダイナミック・ヘッドトラッキング機能はセンターに定位するべき音源を解析して、自動的に正面の向きから聞こえてくるように音場を再構成してくれる。

AirPods Pro/AirPods Maxを組み合わせると空間オーディオのダイナミック・ヘッドトラッキングが楽しめる

オーディオ機器をつないで5G対応のハイレゾプレーヤーとして楽しめる

デジタル端子にUSB-Cを採用する新しいiPad miniは、ポケットサイズのハイレゾ対応USB-DAC内蔵ヘッドホンアンプとの相性がとても良い。Apple MusicにAmazon Music HD、mora qualitasのハイレゾ音楽ストリーミングを最も手軽に楽しめる携帯音楽プレーヤーだ。

USB-CタイプのポケットサイズのUSB-DAC内蔵ヘッドホンアンプとの相性も良い

外出時にも音楽ストリーミングサービスを楽しむのであれば5G対応のWi-Fi+CellularモデルのiPad miniがおすすめだ。都市部を中心に5G対応のエリアが拡大しているので、音楽・映像のモバイル視聴が安定した品質で楽しみやすくなった。

ただし、192kHz/24bitのハイレゾストリーミングを約60分間再生すると2.9GB前後のデータ量を消費することになる。大容量のデータ通信が使えるプランを契約していたとしても、やはりデータ使用量は注意しながら楽しみたい。

筆者は家の中でも、iPad miniの可搬性の高さを活かしてYouTubeの動画を見ながらギターを練習したり、ストレッチの動画視聴にも役立てることができてとても重宝した。

グーグルやアマゾンのスマートディスプレイにも、ちょうどiPad miniのディスプレイにサイズが近い製品もあるのだが、バッテリーを内蔵していないためiPad miniのように自由に持ち歩けない。もしアップルにひとつ注文を付けるとすれば、次のiPad miniはぜひバスルームでも使えるように本体を防水対応としてほしい。

コンテンツ検索にもApple Pencilが役立つ

先ほどiPad miniにはアップル純正の外付けキーボードがないことについて触れたが、代わるテキスト入力の手段としてApple Pencilによる「スクリブル」も活用したい。

スクリブルとはApple Pencilによる手書きの文字をデジタルタイピングに変換する機能であり、ほぼすべてのテキストボックスが変換に対応している。

iPadOS 15からは遂にこのスクリブルが日本語の認識にも対応した。音楽・動画配信アプリのタイトル検索が日本語でもできるのでとても便利だ。

Smart FolioカバーとApple Pencilを装着

スクリブルによる手書き文字入力が日本語の認識をサポートした

また、iPadOSのソフトウェアキーボードをコンパクトに表示して日本語かな文字のフリック入力もできることをご存じだろうか。キーボードの設定から「日本語かな」を追加して、画面に表示した状態で2本の指によるピンチイン操作でキーボードをなぞると小さく変形する。フリック入力に慣れ親しんでいる方におすすめだ。

コンパクトな日本語かなキーボードによるフリック入力もiPad miniなら使いやすくて便利だ

iPhoneとiPadの間にあるオンリーワンの魅力

モバイル通信ネットワークに常時接続できるWi-Fi+CellularモデルのiPad miniは、オーディオ・ビジュアル的な視点から見ればもはや「画面の大きなiPhone」だった。Bluetoothコントローラーを使わなくても、両手で持ちながら快適にモバイルゲームが楽しめるベストフィットなサイズ・質量のバランスもいい。「iPhoneとiPadの中間」にある、iPad miniのオンリーワンの魅力を楽しみ尽くしたい。

サイズはコンパクトなのに、iPad Pro級のパフォーマンスを備えている最新のiPad miniは、多くのユーザーにとって最高のエンターテインメントプレーヤーになるだろう。

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