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心地よさを極めた完全ワイヤレス、GLIDiC史上最小モデル「Sound Air TW-4000」レビュー

公開日 2021/07/16 06:30 高橋 敦
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イヤホン本体は、体積だけで言えばもっと小さい製品もあるだろうが、耳にぴたりとフィットする形状を併せ持った上でこの小ささとなると話は別。GLIDiCは近年、カスタムイヤーモニターブランドであるカナルワークスと協力して完全ワイヤレスイヤホンのフィット感向上を推し進めてきたが、そのフィット感とコンパクトさの融合が遂に完成の域に達したと思わされるほどだ。

カスタムIEMブランドのカナルワークスが監修したイヤホン形状は、コンパクトさの追求で1段上のレベルに

耳の穴の入り口付近をイヤホン本体でしっかり塞ぎつつイヤーピースをやや奥にまで入れる二段構えで、遮音性も高い。それでいて装着感に無理がなく、疲れにくい。また奥まで入れることでイヤーピースはこれまでより小さめサイズの方が合う場合が多くなり、それに伴いカナルワークス監修によるXXSサイズが追加。XXS/XS/S/M/Lの5サイズが付属するようになった。イヤホンの困りごととして特に女性から多かった、サイズが合わない問題の解消を目的に開発されたというだけあって、より多くの方が違和感なく装着できるだろう。

耳に無理なく収まり、しっかり遮音

フィット感の向上に伴い、従来よりさらに小さなXXSサイズのイヤーピースが追加された

ケースも「これ以上もうどこも削れないのでは?」というくらいの小ささ。イヤホンを取り出したあとのケースの内側を眺めると「回路とかバッテリーはどこに入ってるの?」と不思議になる。

ケースもこれ以上削ぎ落とすのが難しいほどスリムに

また遮音性の高さは機能面の評価にも関わってくる。このモデルの基本的な遮音性の高さはこの価格帯というか完全ワイヤレスイヤホン全般の中でトップクラス。ノイズキャンセリング非搭載でも、地下鉄など特別に騒音が大きな場所でない限り、周りがうるさくて音楽が聴こえないなんてことにはならない。

そしてノイキャンなしで遮音できるからこそバッテリー消費も抑えられている。コンパクトサイズだからバッテリー容量も最小限のはずだが、本体6時間+充電用ケース込みで16時間という十分な音楽再生時間を確保。

一方、ノイキャンと並ぶトレンド機能の外音取り込みはしっかり搭載。こちらは逆に遮音性が高いからこそ必須というわけだ。左ボタンの1回押しという使いやすいボタン割り当てになっていることからも、この機能を活用してもらいたい意図がわかる。

なおボタンはタッチボタンではなく、うっかり触れてしまっての誤動作の心配がない物理ボタン。ここでもGLIDiCのこだわりが継承されている。

その他の機能面では、小雨程度なら気にしないでOKなIPX4防水、対応スマホと組み合わせると接続安定性を向上させられるTWS Plus、イヤホンを見失ったときにアプリから探せるTile機能といったところが要チェック。音質面では高音質コーデックaptXへの対応が、Androidスマホとの組み合わせで力を発揮するだろう。

サウンドはシルキーで、落ち着いた低音を心地よく聴かせる

本体とケースの色合いは、ともにソフトなミルキーホワイトとベビーピンク。表面仕上げのシルキーさと合わせて柔らかな雰囲気、キラっと光るリング調のアクセントもガジェットではなくアクセサリーという印象を生み出している。

サウンドの印象も、そのルックスの印象に近しい。声や音色の手触り感が、コットンというよりはシルクのような、しっとりとした滑らかさなのだ。

なので星野源「不思議」のような楽曲との相性は特に抜群。現代的なクリアさとビンテージ的なアナログ感を併せ持つこの曲のサウンドの、そのバランスをアナログ感の方に少し寄せて優しく温かく表現してくれる。冒頭の静かな場面での歌を少し聴くだけで、その声と息遣いが優しく届けられる心地よさを感じられるだろう。

それでいて表現をソフトにしすぎることもない。例えば打ち込みのキックドラムとベース、低音楽器に注目。するとそれらの音色はソフトかつウォームでありながら、芯や輪郭のくっきり感は損なわれていないことがわかる。おかげでメロウな雰囲気と絶妙なグルーヴのどちらもが生かされているわけだ。

見た目や手触りのシルキーな感じに近い、心地よいサウンドを奏でる

ダンサブルなBTS「Butter」は、そのビートをキレよりも厚みを生かして聴かせてくれる。リズム成分のうちカッチリキレキレなところは強調せず、少しルーズで落ち着いた成分を引き出し、低重心の気持ちよさを感じさせてくれるタイプだ。

スネアやシンバルよりもバスドラムやベースのサウンドに耳を惹かれ、そのサウンドで体や心を揺らしたい人には特に合いそう。またこの曲ではベースがかなり低い音域にもいくが、そこでもベースが極端に薄くなったり逆に変にボリュームが出過ぎたりといった破綻は起こさず、素直に追従する。

ケースを手にしても、イヤホンを耳に入れても、サウンドを聴いても、常に収まりがよく心地よい。「心地よさ」というシンプルな要素も極めれば突出した魅力や個性になる。それを示すイヤホンだ。

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