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ゾノトーンの“売れ筋”電源ケーブルを徹底検証!システム全体の底上げに効果的

公開日 2021/06/24 06:35 井上千岳
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「3.5 Meister」芯線が同じでも再現力の深さを見せつける

「6NPS-3.5 Meister」「Blue Power」と芯線は一緒であるがプラグ部が3ピン構造となっている

続いて3.5 Meisterである。芯線は同じなのだが、もうひとつ再現力の深さを感じさせる。俗な言い方をすれば、「本物っぽい」鳴り方だ。やはりプラス・アルファの何かがあると考えるべきだろう。音の輪郭だけでなく、芯の方まで詰まっている。中身が厚い。信号ということで言えばディテールの情報量が増えていると考えていい。ケーブルのグレードというのは、こういうところに現れてくるものである。

ピアノを聴くと、タッチのクリアネスや表現の静かさなどはそのままに保たれていながら、響きに太さがあるのと余韻が豊富なことがわかる。川の水量が増えて流れが滔々としてきたような感覚である。

室内楽は表情の凹凸が先ほどよりもっと深い。ピアノの余韻が細かなところまで乗っているし、ヴァイオリンやチェロも潤いのある瑞々しい質感だ。そして3者がもっと緊密に絡み合って、アンサンブルがさらに生き生きとしている。それは楽器それぞれが立体的で位置感がよく見えていることとも関係がある。
 
オーケストラにも全く同じことが当てはまり、金管楽器が壮麗に鳴り響くときでもその位置感と遠近が明確に感じられるためリアルさが違うのである。解像度も高まっているので、余計楽器どうしがきれいに分離して空間が広く感じられるのだ。

空間がほぐれてくると、それぞれの楽器がどれも実体を持ち始める。そういう出方をするのである。ジャズでは先ほどの活きのいい鳴り方が、もう一回り大きくなって当たりが弾力的だ。弾みの良さが違うのである。段々ライブに近づいてくる。そういう印象を強く覚える。

「6NPS-3.5 Meister」SPEC:●導体構成:超高純度6NCu、純銀コートOFC、高純度無酸素銅OFC●構造:3種ハイブリッド導体によるマルチストランド仕上げ、3芯構造(アース線・緑色は高純度無酸素銅線のみ使用)●導体サイズ:3.5スケア×3●外装ジャケット:ブルーとブラックのオリジナル2色特性外装ジャケットを着用したことで、長期間にわたる性能を安定的に継続・維持。防振にも威力を発揮。●シース:PVC(EU-RoHS対応)●絶縁体:耐熱PVC●シールド:厚手アルミラップシールド●介在:天然綿糸●外径:12oφ●電源プラグ・コネクター:プラグ及びインレットコネクターは、安全性を重視したオリジナルの一体成型モールド型を使用。接点部は長期間の激しい着脱にも被膜が傷つきにくいタフで高性能な高級ロジウムメッキを採用●耐電圧:1000V/分●導体抵抗:5.5Ω/km●絶縁抵抗:5MΩ/km●許容電流値(定格):15A(125V)VCTF(PSE準拠)※3P-2P変換プラグ付属せず


「Neo Grandio 5.5 Hi」準フラグシップでは音楽の濃さが違う

「6NPS-Neo Grandio 5.5 Hi」高機能純銅線・HiFC、6N超高純度銅、純銀コートOFC、高純度無酸素銅からなる4種の素材を導体としている

Neo Grandio 5.5 Hiは準フラグシップで、前の2つとは少し格が違う。導体は先の3種に、HiFCという高機能銅線を加えた4種ハイブリッドだ。これをマルチストランドの芯線とし、OFCによるアース線とともに5.5スケアという極太の3芯構造を形成する。

「6NPS-Neo Grandio 5.5 Hi」の断面図。アース線・緑色は高純度無酸素銅線のみ使用している

繋げてみると、ソース本来の出方はこういうものだという印象である。余韻の乗り方がまるで異なり、量から言えば倍以上、しかも実音と重なりながら空間全体に広がって分離しているため、音場全体が豊かな残響に満たされているに感じられる。微小レベルまで含めてあらゆる信号が均一に正確に伝わっているのである。

ピアノは実にしっかりとした出方だ。芯が明確なだけでなく、骨格が強く立ち上がりのエネルギーも高い。それがどんな小さな音でも彫りが深く、表情のディテールをくっきりしたものにしている。表現力というのはそうして深まってゆくものである。室内楽の出方としては、先ほどまでとそう変わらないように感じられるかもしれない。違うのは楽器それぞれの一音々々の彫りの深さである。

ピアノなど特によくわかるが、どんなに小さな音でもそのひとつひとつに表情がある。弦楽器も人がしゃべっているようだ。演奏の表現力というものが、ここではずっとはっきり表れている。音楽の濃さが違うのはそのためと言っていい。オーケストラはさすがにグレードの違いが明らかで、強弱の激しさ、コントラストの強さが歴然としている。瞬発力の差と言っていい。金管楽器も弦楽器も単に音が大きいだけではなく、起伏の深さが倍加したように感じられる。ダイナミズムの違いが表現に多大な差を生み出しているのである。

ジャズは耳をぐっとそばに持って行ったようによく聴こえる。音楽が近づいてきたように、実在感がぐっと増しているのだ。どの部分も大きく見えてくる。これが本物のリアリティと言うものだろうか。

「6NPS-Neo Grandio 5.5Hi」SPEC:●導体構成:超高純度6NCu、高機能純銅線HiFC、純銀コートOFC、高純度無酸素銅OFC●構造:4種ハイブリッド導体によるマルチストランド仕上げ、3芯構造(アース線・緑色は高純度無酸素銅線のみ使用)●導体サイズ:5.5スケア×3●外装ジャケット:防振にも性能を発揮する青と濃青の2色で堅く編み上げたオリジナル特製ジャケットを外装着用。長期間にわたるケーブル性能の安定化維持に効果を発揮。●シース:PVC(EU-RoHS対応)●絶縁体:耐熱PVC●シールド:厚手アルミラップシールド●介在:天然綿糸●外径:16oφ●電源プラグ・コネクター:プラグ及びインレットコネクターは、安全性を重視したヘビーデューティな一体モールド型を使用。接点部は長期間の激しい着脱にも被膜が傷つかぬタフで高性能なロジウムメッキを採用●耐電圧:2000V/分●導体抵抗:3.5Ω/km●絶縁抵抗:5MΩ/km●許容電流値(定格):15A(125V)VCTF(PSE準拠)※3P-2P変換プラグ付属せず


さて最後にこれら3本を全部使ってみることにする。大本はNeo-Grandioのままにして、CDプレーヤーにBlue Power、アンプに3.5 Meisterという具合である。

ちょっと贅沢なシステムになるが、それだけのことは十分にある。1本ずつとは次元の違う変化で、Neo-Grandioだけの音をさらにいい状態にして全体に広げたようなイメージだ。考えてみるとこの接続はなかなかうまくできていて、大本での改善力をそのまま劣化させずに各機器にまで持ってきている。その効果は1本だけのときより2倍3倍となって表れるのである。

CDプレーヤーにBlue Power、アンプに3.5 Meisterを接続

壁コンセントにはNeo-Grandioを接続。ゾノトーンパワーケーブル3本での試聴を行った

ピアノは前に触れたようなことが、磐石の安定感で描かれている。楽器が目の前にあるような重い現実性を感じるのである。室内楽は少し奥へ引いたところにアンサンブルが出来上がり、最も正しい距離感でそこを見ている印象だ。そのピアノの雄弁なこと。そして弦楽器も含めての表現力が、いっそう高まっている。

オーケストラは低音弦のピチカートがものすごくリアルなのにびっくりするが、それはティンパニーでも金管楽器でも同じで、立ち上がりのエネルギーと細かさによるものだろう。峻烈そのもので、「巨大」というイメージが残るのである。

ジャズはふくよかで弾みがよく、何より曇りを払ったように全てが明瞭なことに感激する。それ以上は言う必要がなさそうだ。雑味のようなものも含めて、生の感触に溢れている。ぜひその感覚に触れていただきたいものである。

試聴音源
・「モーツァルト:ピアノ・ソナタ第11番〜ルネ・ラリックの花束と旅するオリエント急行」藤井一興(ピアノ)
マイスター・ミュージック MM-4076
・「メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第2番|葵トリオ」小川響子(Vn)、伊東 裕(Vc)、秋元孝介(Pf)
マイスター・ミュージック MM-4078
・「ブルックナー|交響曲第3番」尾高忠明(指揮) 大阪フィルハーモニー交響楽団
フォンテック FOCD9837
・「Jubilation/八城邦義プロジェクト〜フィーチャリング2トロンボーンズ」
ウッディクリーク CD-1008


使用機材
CDプレーヤー:アキュフェーズ「DP-750」
プリメインアンプ:アキュフェーズ「E-480」
パワーアンプ:アキュフェーズ「P-4500」


(協力:株式会社前園サウンドラボ)

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