【特別企画】メイド・イン・スウェーデンのケーブルブランド

恐ろしいほどの分解能と情報量、SUPRAのフラグシップ「SWORD EXCALIBUR」に喝采!

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小原由夫
2021年04月30日
■独自のバイフィラー巻きに、シールド対策も最高峰を目指す

貴方がスピーカーケーブルに求める、絶対に譲れない条件とは何か? 音色? 周波数特性? そうした要素がボトルネックになってはもちろん困る。しかし、私の場合は単純明快だ。それはズバリ、分解能と情報量。普段聴いているリファレンスソースを再生した時、耳が覚えている微かな音の響きやニュアンス、フォルテッシモでも飽和しないヘッドルームマージン、そしてローレベル信号を埋もれさせない確かなS/Nが重要である。

小原由夫氏の自宅試聴室にて、「SWORD EXCALIBUR」の実力をチェック!

そうした点で私が長年自室のシステム、メインスピーカーのTAD「Reference One」で使い続け、絶大の信頼を寄せている不動の存在が、スウェーデンのケーブル専業メーカーSUPRA(スープラ)のSword(以下、スウォード)である。私はその4.0mペアをバイワイヤリング接続にて、もうかれこれ15年ほど使い続けてきた。

同社からこの度、スウォードのさらに上をいく最上級モデルのフラグシップ版「SWORD EXCALIBUR」(以下、エクスカリバー)が登場。もちろんメイド・イン・スウェーデンである。早速バイワイヤリングの4.0mペア2組を送付していただき、自宅テストと相成った。

SUPRA「SWORD EXCALIBUR」(写真はシングルワイヤーのもの)193,600円(2.0mペア)、231,000円(3.0mペア)、268,400円(4.0mペア)※いずれも税込

同社が特許を有するバイフィラー巻きとは、芯線に用いた複数の導体を相互に逆方向に向けて構成することで、正確なワインディングを実現したもの。本ケーブルはその構造を、5N高純度無酸素銅リッツ線(φ0.40mm)にて採用しており、導体に発生しがちなインダクタンスを限りなくゼロに近付け、抵抗値を大幅に減少させることに成功。さらに導体にPE絶縁を施すことで伝送速度を高めると共に、アルミ箔シールドによる耐ノイズ性能も最高峰を目指した。

無酸素銅リッツ線をバイフィラー巻きし、アルミ箔シールドでノイズを抑制。金属的な光沢をケーブルの上からも確認できる

ターミナル部は銅素材にロジウムメッキを施し、より確実なコンタクトを可能とした。交換可能なYラグとバナナプラグ仕様という点も嬉しい(出荷時はYラグを取付けた状態)。また、30cm長のアース線も同梱されており、これをアンプ側に接続することで、より高S/Nな信号伝送も期待できるという。

30cmのアースケーブルも付属。SUPRAは、アースをアンプに繋いでの試聴を推奨している

■ウィーン・フィルが奏でる雄大なスケール感と流麗なハーモニーに陶然

エクスカリバーの取り回しは、イヤになるほど硬い。スウォードも硬い部類ではあったが、感覚的にはその2倍以上だ。おまけにシースのPVCに適度な粘度があって滑らないため、狭いところの通線や急激な曲げはかなり難儀。実際の結線作業は実に苦労した。

TAD「Reference One」に取り付けたところ。ケーブルも硬く取り回しに苦戦するが、音を聴けばその苦労も吹き飛ぶ!

しかし音を出した瞬間、そんな苦労は吹き飛んだ。恐ろしいほどの情報量、分解能だ。「これこれ、これだよ、スウォードのさらに上なら、こうこなくっちゃ!」と、私は心の中で快哉を叫んだ。

スピーカーケーブルの評価基準は、「分解能と情報量」と話す小原由夫氏

確かに全体的な質感再現はまだ硬い。レンジ感も長く使ってきた現用スウォードには及ばないが、手応えは感じ取れた。じっくりエージングを進めていけば、これならば間違いなくスウォードを凌ぐに違いない。エージングの間も、日に日に音がほぐれ、よりしなやかな質感再現に変わってくるのがわかった。

ほぼ1ヵ月が経過したところで、改めて腰を据えてエクスカリバーの音と対峙した。結線直後に感じた高分解能は、より微粒子となって全帯域に満ち満ちており、映像でいえば4Kが8K解像度にアップコンバートされた感覚に似ている。その結果、音楽は一段と3次元的な立体感を伴うこととなり、ステレオイメージの奥行きと高さについては、かつてこの仕事部屋で体験したことのないステージに到達している感じすら受けた。圧倒的に広々としていながら、曖昧さや不鮮明さはまったくない。

床を這わせる際はFURUTECHのNCF Boosterでサポート

1ヵ月程度のエージングによって、声の再現にも瑞々しさと艶が齎らされたようだ。パトリシア・バーバーの最新SACD『Higher』の「High Summer Season」は、ガットギターと歌のデュオ演奏。ギターのアルペジオの響きが実に豊かな上、微かなリヴァーブが乗った声が適度な湿り気を伴って眼前に定位するのだ。声の微細なニュアンス描写も素晴らしく、パトリシア独特の“th”がややきつく発音されるところも、極めて生々しく再現されて驚いた。

アナログで、話題のダイレクトカッティング盤、八木隆幸トリオの『CONGO BLUE』のタイトル曲を再生。ブルージーな旋律がスピーカー間に浮かび上がり、繊細なシンバルやスネアドラムの音色、胴鳴りの豊かなベースのトーンがリアリスティックに響いた。ピアノがグイグイと疾走するイメージがとてもよく表現されている。

八木隆幸トリオ『CONGO BLUE』

極めつけは、映画音楽の巨匠ジョン・ウィリアムズがウィーン・フィルを指揮した『ジョン・ウィリアムズ・ライブ・イン・ウィーン』だ。大好きな「レイダースマーチ」の打楽器の力強さ、ファンファーレ的なトランペットの突き抜ける響きがたいそう精悍に聴こえ、映画のワンシーンが思い浮かんできて実にワクワクしてきた。ウィーン・フィルが奏でる雄大なスケール感と流麗なハーモニーに、しばし陶然としたのである。

私はここで確信した。エクスカリバーは、スウォードよりもずっと深くて豊かな音楽性を宿したスピーカーケーブルなのだと。真にフラグシップモデルに相応しい品位・品格を備えた逸品である。

(提供:サエクコマース)

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