細く取り回しのしやすさも魅力

ティグロンの最新SPケーブル「LIONESSES-HSE」の実力を検証! 自然な質感バランスで納得の性能

福田雅光
2020年06月10日
ティグロンから切り売りスピーカーケーブル、LIONESSES(リオネシス)の最新バージョンが登場した。導体をOFCから独自のディップ・フォーミングOFCに変更、オリジナルのHSE処理が施された最新モデルである。コストパフォーマンスの高さでも評価を得てきたティグロンの最新サウンドを福田雅光氏が評価する。

■6時間後に真価を発揮。細くて高性能なスピーカーケーブルLIONESSES-HSE

ティグロンから低価格で高性能、そして使いやすいケーブルに挑戦したスピーカーケーブルが登場した。最近は細い外径で解像度のしっかりした性能のケーブルが増加している。かつては入門用はそれなりの性能ということが多かったが、導体の進化やメーカーの姿勢も、性能を重視することで競争が激しくなっている。この種のタイプはコンパクトスピーカーへの接続から高級ヴィンテージスピーカーを使う人にも歓迎されている。

TIGLON
LIONESSES-HSE

切り売りスピーカーケーブル 1,600円/1.0m(税抜)


LIONESSES-HSE

ケーブル外径は6.2φ。旧リオネシスSPケーブルをバージョンアップしたもので、導体はOFCからディップ・フォーミング製法によるDF-OFCに、さらに独自の音質改善手法であるハイパー・サチュレーテッド・エナジャイザー(HSE)処理を採用。導体線径も0.75スケアに若干強化し、マグネシウムのシールド構造も継承。

なお、ディップ・フォーミング製法とは、米GEから製造炉を導入した昭和電線による手法で、真空中で清浄な銅母線の周囲に溶銅を付着形成し、断面積の大きな結晶のきれいな無酸素銅(OFC)が得られるというものだ。

試聴すると最初の15分程度はやや音はあまい。しかし、次第に締まりを効かせ輪郭描写やコントラストがしっかりしてくる。真価を再度確認したのは約6時間後。S/Nや解像力を高め冴えてくる。ヴォーカル帯域の厚みや中高域への展開もすっきりした繊細な表現で伸びきっている。

音にぬるさはなく、レスポンスのしっかりした立ち上がりのインパクトや中低域の明確な構成力など、帯域の広い範囲で十分に明瞭なことから、もう十分に納得できる性能が出てくる。自然な質感バランスで硬質感はなく、しかし、陰影コントラストのしっかりした分解力が得られている。

ティグロンは全てのケーブルでHSEシリーズ化を進めている。これはケーブルに特殊なバーンイン技術(エージング)で処理することだ。この処理に使う装置と方法がHSEと呼ばれる。導体経路に特殊な電流を断続的に周期を以って流し、効果の度合いは処理時間で調整される。HSE処理による新しい音が、今後さらに真価を発揮していくことになるだろう。



本記事は季刊・オーディオアクセサリー 177号 SPRINGからの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

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