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ラジオとしての使いやすさが好印象

ラジオ好きが今買うならこれじゃね? JVCのBluetooth内蔵ラジオ「RA-C80BT-B」をレビュー!

2021/02/24 高橋敦
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まず受信できるのはFMのみ! AMは受信不可! ご存知のように現在となっては主要なAM局はワイドFMでも受信できるので、これで問題ない。

AMの受信感度を確保するには内蔵バーアンテナの強化か、外付けアンテナの利用が必要。しかし前者ではコストとサイズがアップ、後者では持ち運びの手軽さが損なわれてしまう。

本機はそこを「だったらもうワイドFMのみでいいじゃん!」と割り切ることで価格もサイズも圧縮成功! というわけだ。

そして、自宅のあちこちに手軽に持ち運んでラジオを聴くには電池駆動は必須だが、本機はその電池として、充電池ではなく乾電池を採用。これもコストダウンに貢献していると思われる。例えばいちばん使う場所に付属の電源アダプタを設置、他の場所での短時間の利用だけ電池駆動という使い方にすれば、電池切れも最小限にできるだろう。なお電池駆動時間は単3×4本で25時間、ACアダプタは標準付属。

AC電源と単3電池駆動の両方に対応

また「充電池がへたってしまって他は問題ないのに製品寿命……」なんて事態が起きない点も、そもそも頻繁に買い換えるものではないラジオという機器において好都合と思える。

■ラジオらしく部屋や気分になじむ好音質

続いては音質面。まずはトーク中心の番組を、本体でのラジオ受信、radikoアプリからのBluetooth受信の両方でチェック。

いちばん嬉しいポイントは「マイクを通して放送として聞こえてくる声らしい肉声感」だ。オーディオ的な「相手が目の前で歌っているようなクリアな再生」とは違う方向性。人の声を、物理の距離は感じられるが心の距離は感じにくい、温かみのある声質で届けてくれる。

言ってしまえばワイドレンジではなくミドルレンジ中心の音作りということだが、そもそもラジオ放送、特にAMのトーク番組は元からその傾向の音作りだし、となると低域端や高域端は受信時に混じるノイズ成分の方が強かったりすることさえある。本機は声の帯域はしっかり出しつつ、ノイズ成分の強い帯域は自然に引っ込めてくれるので、そういう意味でも聴きやすい。

FMやBluetoothで音楽を聴く場合はそのレンジの狭さで、低音側ではベースやドラムの迫力、高音側では音のエッジ感やキレなどが損なわれるが、それも考え方次第だ。

だってあくまでもこれはラジオなわけだから、本気の音楽リスニングのときには別のスピーカーやポータブルプレーヤーなどを使うのでは? ラジオで音楽を聴くのってBGM的に音楽が流れていてほしいときとかが多いのではないだろうか。

そう考えるとこのラジオで聴く音楽の、主張や迫力ではなくその場へのなじみのよさが心地よい、丸みを帯びた音は、むしろそこにフィットするとも言える。

■この収まりのよさ、やっぱり間違いない!

と確認してきてみたが、やはり本機は『ラジオ好きなら今はこれを選んでおけばだいたい間違いない! と言えるBluetoothスピーカー機能付ラジオ』だ。

もちろん、より高機能や高音質で高価格な製品もあるし、よりオーディオ的な音質を求めるならラジオ付Bluetoothスピーカー、あるいはウッドコーン採用一体型コンポーネント「EX-D6」のようなラジオ機能も搭載する本格オーディオシステムだってある。

しかし「ラジオを聴くのにそんな肩肘張らないよ」「ラジオは聴くっていうか流しておくものだよ」という方には、お値段もサイズも音も、この製品くらいの「収まりのよさ」がしっくりくるのではないだろうか。

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