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ハブこそネットオーディオの要! テレガートナー「M12 SWITCH IE GOLD」のロングセラーに納得

2020/11/13 土方久明
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■独自のM12コネクタを搭載するテレガートナーの最強ネットワークハブ

スイッチングハブやLANケーブルで音が変わる……ネットワークオーディオの黎明期であれば多くの方が信じなかったことだろう。しかし、振動、電磁波障害、信号処理精度などの対策が施されたオーディオグレードの高品位スイッチングハブやLANケーブルが登場して、それらを実際に使ってみて予想以上の音質向上効果を実感した人は多かっただろう。

そんな中でも、オーディオ用スイッチングハブとして驚異のロングセラーを続けているのが、テレガートナーから発売されているM12 SWITCH IE GOLDだ。

TELEGARTNER「M12 SWITCH IE GOLD」(M12コネクタ搭載の専用LANケーブル2本同梱、定価350,000円/税抜)

テレガートナーはドイツに本拠を置く世界的なネットワーク部品メーカーだ。第二次世界大戦後から産業用通信機器の開発と製造を手がけ、同社のネットワークコネクタ類はISS(国際宇宙ステーション)を始め、オートメーション工場など安定したネットワークを必要とする多くの現場で使用されている。

オーディオ用LANケーブルの世界はITの技術を持つメーカーとオーディオメーカーの2つが凌ぎを削っているが、テレガートナーは前者で最も成功したメーカーと言っても過言ではない。

同社が2015年にリリースしたオーディオグレードのLANケーブルMFP8 GOLDは頑強なコネクタとシールドが徹底され、一本一本をシリアル管理、スペックシートも付属しており、ネットワーク屋が作るLANケーブルとしてオーディオ市場から受け入れられた。その後はMFP8 GOLD IIへと進化し、最新モデルのMFP8 IE GOLDでは、ケーブルを360度の全方向から締めつけて、コネクタとケーブルの接続点の負荷を減らすIEコネクタが搭載されている。

コネクタ部を丸型IEコネクタにした最新LANケーブル「MFP8 IE GOLD」

話をM12 SWITCH IE GOLDに戻すが、本製品はアルミ削り出し筐体とファンレスを採用した、レイヤー2伝送速度1Gのスイッチングハブ。ポート数は5となっている。

プラグの受け口は一般的なRJ-45タイプLAN端子とは違うM12 X‐Codeを採用。接合部のガタがまったくなく、電磁波などの外来ノイズを完全シールドすることに成功した。内部の信号処理とスピードも徹底している。製品には先述したLANケーブルのMFP8 IE GOLD(片側端子はM12)が2本付属する。

主に産業用用途で使われることが多いM12コネクタ。オートメーション工場などで使われるため、万全のノイズ対策・振動対策が施されている

筆者自宅の試聴環境に持ち込み、ネットワークプレーヤーにリンのKLIMAX DS/1、NASにfidataのHFAS1‐H40を使いクオリティチェックを敢行した。

試聴曲には2曲のハイレゾ音源、ダイアナ・クラールのアルバム「ターン・アップ・ザ・クワイエット」とアンドリス・ネルソンス/ボストン交響楽団「ショスタコーヴィチ:交響曲第6番&第7番」を使用した。

■ひとつひとつの音にディテールが生まれ、別次元の音が再現される

まずは比較用に、筆者所有の普通のパソコン用ネットワークハブを試してみたのだが、高域に透明度がなく、2曲ともひとつひとつの音の分解能も明らかに不足している。サウンドステージにも立体感がない。このハブは現在では使用していないものの、以前にはイベント等でよく持ち込んでいたものだったので「あれ、こんなに冴えない音だったっけ」と訝しい気持ちになる。

リンのネットワークプレーヤーKLIMAX DS/1と組み合わせて試聴

次にM12 SWITCH IE GOLDにつなぎ換えた。音が出た瞬間、筆者も含めてその場にいた一同の顔が明るくなる。あまり派手に書きたくないのだが、違いすぎるのだ。

中高域の透明感が向上して分解能も上がり、ひとつひとつの音にディテールが出てくる。ダイアナ・クラールのヴォーカルはようやく口元の動きが見えて、ショスタコーヴィチのオーケストラはステージの空間成分を表現する小レベルの音が浮き出てくることで、ステージングの広さまで別次元になる。これは素晴らしいの一言だ。

ダイアナ・クラール『ターン・アップ・ザ・クワイエット』

初代のM12 SWITCH GOLDは、2017年に発売されたが、その価格も含めこれまでのオーディオの常識を覆すスイッチングハブとして、多くの人が驚いたものだった。しかし、コアなオーディオファイルからその音質が絶賛されたことで、発売から3年を経過してもなお売れ続けるロングセラーモデルとなっている。

価格は決して安くないが、それを納得させるだけの音質改善効果がある。この音を聴くと「ネットワークプレーヤーの魅力を生かすも殺すもケーブルとスイッチングハブ次第」と言いたくなるほどの素晴らしい音だった。


本記事は『ケーブル大全2021→2022』 からの転載です。本誌の詳細および購入はこちらから。

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