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【PR】長尺でも劣化なく、品位を向上

いま最注目の光ファイバーHDMIケーブル、inakustikで自宅に劇場の息吹を吹き込む

2020/06/18 大橋伸太郎
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3本目のソフトは平成の日本映画の名作『海街diary』。SDRの2K BDの本作を見たのは、映像のルックに特徴があるからである。本作はコダック35mmフィルム撮影、4Kデジタルスキャンで制作された。

『海街ダイヤリー』

フィルムのラチチュード(露光範囲)を活かし、コントラストレンジをあえてナロウで階調密度の濃いものにして、人間の肉眼の明暗感覚に近づけ、物語の舞台の鎌倉の光と影といった風土感を映像に生み出している。ナロウレンジゆえに明るいデイライトのシーンで登場人物の四姉妹が平板な描写になりやすいが、HDMIケーブルの品位の向上で撮影カメラのレンズフォーカスをさらに追い込んだかのように、女優たちの輪郭がほっそりと引き締まり、浮き上がるような実在感。クローズアップの彼女たちの美しいこと。コミック→実写映画化の狙いが全面的に開花した瞬間だ。

音楽ディスクを聴いてみよう。ブルーレイオーディオディスク『至高のコンサートグランド ファツィオーリ F278』192kHz/24bitのトラックを再生した。曲目はドビュッシーとシューマン。すぐに気付くのはノイズフロアが下がったことだ。ビットストリームが整合され演奏の解像度が高まった。

『至高のコンサートグランド ファツィオーリ F278』

早いパッセージで楽音の輪郭の滲みが消え、鍵盤の上を滑走していく両手の動きが鮮明に見える。倍音の放射が豊かになり、ペダル操作による音の持続や減衰がリニアでリアル。音場と聴き手への浸透力が実感される。伝送経路の品位の向上から生まれたものは、突っ張った響きのない穏やかで心地よい自然体の音楽である。

最後に、1mの製品と10mの製品同士を比較して差が生まれるかを確認してみよう。プロジェクターが天井近くに設置しているため、両者を使って直視型液晶テレビにプレーヤーを接続し、画質を比較した。10mの製品のほうがごく僅かにコントラスト(明暗差)が強い印象だ。内蔵の変換チップの設定を、長さで若干変えているのかもしれない。

余裕を持った長さのケーブルを導入しておけば、システムの配置換えにも対応できる

厳格な技術規定から生まれたHDMIケーブルは、アナログオーディオケーブルで生じる音質上の変化、ことにスピーカーケーブルのように、システムの音質形成に積極的にコミットする変化はありえない。データの損失や劣化なしにビットストリームを乱れなく送り出すことが目的である。

しかし、ひとたびそれが厳密に実現されると、曇りが拭い去られたようにソフト本来のパフォーマンス、微妙なニュアンス、バランスが現れる。映像ならディレクターズインテンション(シーン毎の映像演出や撮影、ポスプロ作業上のグレーディングの狙い)、音楽なら演奏の素顔の美が表れる。ああ、このシーンで撮影監督が現場のディスプレイで見つめていたのはこの画だったのだな、と気付く。冒頭のコンテンツの作り手との距離をなくし、劇場の息吹を吹き込む、というのはそういう意味だ。

技術規格への適合にとどまらない作り込みが、コンテンツ本来の画質と音質を実現する

今回視聴したHDMI 2.0 OPTICAL FIBER CABLEからは、長い経験と実績を持つインアクースティックの技術の積み重ねと知見が感じられる。システムの幹線道路という点で、隠蔽配線で長尺で使用するホームシアターファイルはもちろん、HDMIにも高音質を求めるオーディオファイルにとっても、今最も注目すべき製品である。

(協力:株式会社ユキム)

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