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Unique Melody「MEST」レビュー。骨伝導+静電型ハイブリッドの“良い違和感”に満足

公開日 2020/05/29 09:50 高橋 敦
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フェイスプレートとシェルはフルカーボンファイバー製。通常のアクリル製シェルよりも軽量ながら強度は高く、加えてファイバーの分布による乱反射が生み出す、独特の黒い輝きも大きな魅力だ。カーボンファイバー素材には骨伝導ドライバーからの振動を効率よく伝えるという役割において、優位でもあるとのこと。

シェル周りでは、同社ユニバーサルモデル全般に共通する、耳へのフィット感の良さ、密着度の高さにも改めて注目してほしい。

同社によれば、シェルを経由しての骨伝導は本来、個人個人の耳に完璧にフィットするカスタムシェルでこそ真価を発揮するものだという。しかし、MESTはユニバーサルモデルでの展開。それを可能にしたのは、同社のユニバーサルシェルが、ユニバーサルであっても十分な密着を確保できるものだからこそだろう。

なお、MESTのシェル形状については、同社従来のものをベースに骨伝導ドライバーに合わせた最適化も施されているという。

十分な密着を確保できる、Unique Melodyならではのフィット感高いシェル形状も、骨伝導ドライバーの機能を最大限発揮するのに寄与している

またフェイスプレート上に視認できる二つのポートのうち、ひとつは「エアフローチューブ」機構。チューブに設置されたフィルターを通して耳道内と外部の圧力を適正に調整、一部の超低域を逃すなどして、耳への負担の軽減と心地よいサウンドを両立する。

この機構は日本版モデルのみの追加装備だ。各国ごとの要望に対する柔軟な対応、それを実現できる技術力や生産体制も、同社の強みと言えるだろう。

「エアフローチューブ」機構を追加し、日本モデルでは二つのポートが備わっている

そして超高域ドライバーに静電型を採用することで、スペック上の再生周波数帯域の高域側は55kHzまで伸びている。といっても、静電型ドライバー採用の狙いはスペック値を引き上げることではなく、繊細なレスポンスなど実際的な音質向上の方だろう。

イヤーチップはシリコンタイプとフォームタイプを用意

Dignis製オリジナルケースも付属する

滑らかに各帯域が繋がり、ナチュラルで心地よい描写と空間表現を実現

早速、気になるサウンドをチェックしていこう。日本向けチューニングを担当した代理店スタッフ曰く、「聴いたことのないような音、不思議な音がするので、最初は戸惑いながらチューニングを進めた」とのこと。そのご苦労のおかげか、筆者としては、ハイエンドイヤホン全般と並べて聴いても極端な違和感のない、音に仕上げられた印象だ。

次ページ異種ハイブリッドながら、馴染みの良いナチュラルで忠実な音楽再生

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