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【PR】破格の“空間の広さ”が音楽表現を格上げ

“MAVERICK”シリーズ史上、最大の進化。Unique Melodyユニバーサルイヤホン「MAVERICK Ti」レビュー

2020/03/10 高橋 敦
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まずは装着感。チタン素材のおかげもあってかこの大きさの割には軽量だ。形状としても違和感は少ない。多くのユーザーの耳に問題なくフィットするだろう。

とはいえ大型機ではあるので、人によってはそのままではしっくりせず、工夫が必要になることもあるかと思う。例えば装着が緩いように感じる場合は、AZLA「SednaEarfit」等、素材の硬さや厚みがしっかりとしていて固定力のあるタイプのイヤーピースを組み合わせてみるとよい。

今回の試聴も筆者の耳との相性から、主に「SednaEarfit Light Short」を使用して行った。より万全な状態で、完全に近いパフォーマンスを発揮できる状態での試聴レビューの方が有用だろうとの判断からだ。

いざそのパフォーマンスを確かめてみると、まず何よりも空間の広がりが印象的。イヤーモニタースタイルのイヤホンとしては破格とさえ感じられるほどだ。チューニング時のイメージは「10畳程度のスタジオルームにニアフィールドモニターが配置された空間」とのことだが、その意図は見事に実現されている。

「10畳程度のスタジオルームにニアフィールドモニターが配置された空間」というテーマを見事に実現している

たとえば、ミックスで大きく左右に振られている音は、実際にわかりやすく大きく左右に振られて聴こえてくる。その振り幅があるおかげで、その広さの中での繊細な配置もより明瞭に表現される。

すると、本来は重ならない位置関係であるはずの音が重なってしまうようなことがなくなり、全体の情報量も広がる。空間の余裕を起点として、サウンド全体の見え方がぐっと引き上げられているのだ。アコースティックにせよエレクトリックにせよ、音の配置、空間描写へのこだわりを感じさせる音源との相性は特に抜群だ。

また楽器が広く余裕を持って配置されることで、中央最前に配置されるボーカルの見え方も当然よりクリアになる。そのため、ジャズやポップスなど音楽ジャンルを問わず、歌物の見せ方も見事だ。そのボーカルも含めて音像はやや大柄だが、空間の広さのおかげで窮屈さはない。

ドライバー構成が変更された低域側も文句なしのレベル。アコースティックサウンドでは、バスドラムなど低音側の太鼓類が、胴の容積の大きさ、その内部に一瞬だけこもってから抜けてくる響きの様子を感じられるほどに、低音の空気感を豊かに再現している。その豊かな響きがぼわんと緩まってその場に留まってしまうこともなく、スッと軽やかに抜けていってくれるのも心地よい。そこは中高域側の軽やかさもあってこそだろう。

本体はもちろん、付属のDignis社製革ケースも作り込まれた一品だ

それら全てが前提となって実現する、もたつかないスピード感のあるリズム表現もポイントだ。こういうところは、名盤から最新の高音質音源まで、アコースティック編成のジャズ全般を聴いてみると体感しやすいかと思う。

一方エレクトリックサウンドでも、極端に低い音程のベースサウンド等にも余裕で対応し、その音色をブレさせずにぐっと沈めてくれるから気持ちよい。クラブ的な密度感のある低音でも、ヒップホップ的な抜け感ある低音でも、リズムの重心が不用意に浮いてきてしまうような場面はない。その安定感を土台とすることで、プレイやプログラミングの細かなニュアンスから生み出されるグルーヴがさらに際立つ印象だ。



試聴を通して、MAVERICK Tiは空間の広さというアドバンテージを最大限に生かし、深い低域から軽やかな高域、大きな表現から細やかな表現までをしっかり届けてくれた。現在のハイエンド戦線に向けて絶対的なクオリティを引き上げつつ、MAVERICKとしての主張も備えた魅力的なサウンドだ。

チタニウム筐体という要素も考えると、税込13万円前後と言う価格ながら「むしろハイコストパフォーマンスモデル」と言ってもよいのではないだろうか。

加えてドライバー構成の刷新、T.F.A.T搭載と、歴代最大規模のアップデートが施されたMAVERICK Ti。それらによって実現されたサウンドは、「最新のMAVERICKが最高のMAVERICK」という説得力に満ち溢れている。

(企画協力:ミックスウェーブ株式会社)

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