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ハイレベルな純正レンズが目白押し!

パナソニック「LUMIX DC-S1R」レビュー。Sシリーズレンズで深まる「システム」としての魅力

公開日 2019/12/17 06:00 河田一規
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■「LUMIX S PRO 24-70mm F2.8」



「LUMIX S PRO 24-70mm F2.8」(275,000円/税抜)は、いわゆる大三元を構成するズーム全域F2.8の大口径標準ズーム。重さは935gほどあり、手ブレ補正機構を内蔵していない24-70mmF2.8としてはやや重めだが、これは光学系に一切の妥協をしなかった結果だろう。

絞り開放から惚れ惚れするような見事な解像性能であり、画面全体の画質の均質さを含め、欠点を見いだしにくい素晴らしい描写性能を見せてくれる。特にボケ味は見事で、その自然で誇張のないアウトフォーカス描写を見ていると、このレンズが単に解像性能一辺倒ではなく、シャープさと美しいボケ味を高次元で両立させることをコンセプトに設計されていることがよく分かる。

ズームリングの操作トルクが適切で、携行中にズームが自由落下しないようになっているなど、機能面もよく出来ている。

前述したとおり手ブレ補正機構は非搭載だが、S1Rのボディ内手ブレ補正機構が非常に優秀なため、スローシャッターの手持ち撮影でも不安はない。試しに焦点距離70mm、シャッター速度1/8秒で撮撮影してみたが、全コマで手ブレはなかった。


ローキーの中に浮き上がるハイライトの描写が見事だ。デリケートなニュアンスを伝えることができる光学性能だと感じた。焦点距離24mmで撮影。


個人的に錆びのある被写体が好きなのだが、本レンズは錆びのテクスチャーもよく再現してくれる。焦点距離68mmで撮影。


ヌケがよくクリアな描写なのはもちろん、ディテール再現に長けた光学性能なので、どんな被写体にも対応できるだろう。焦点距離24mmで撮影。


ボケ味の良さはご覧の通り。周辺部でも光点ボケの変形が少なく、口径食についても優秀だ。焦点距離70mmで撮影。


作例は絞り開放での撮影だが、周辺まで乱れのない描写を得られた。焦点距離24mmで撮影。


画面内に光源が写り込む夜景でも、ゴーストやフレアの発生はまったくない。被写体に合わせて横長の画像縦横比「65:24」を使用。焦点距離70mmで撮影。


かなり強い雨が降る中で撮影したがトラブルは皆無。どんな天候でもカメラやレンズを必要以上にかばうことなく撮影できるのは心強い。焦点距離28mmで撮影。

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