“全部入り”のワイヤレス機をレビュー

ノイキャンが大幅進化、音質は成熟の域へ。デノンのBluetoothヘッドホン「AH-GC30」の充実ぶりに驚いた

山本 敦

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2019年03月28日
ノイズキャンセリング機能を搭載するBluetoothワイヤレスヘッドホンは、今では主要なブランドの製品が出そろって、ポータブルオーディオの中で最も盛り上がるカテゴリーのひとつだ。デノンが2015年に発売した「AH-GC20」は、当時いち早く音質にこだわったノイズキャンセリング機能とBluetoothによるワイヤレス音楽再生をあわせて実現したヘッドホンとして注目され、ロングセラーとなった。

「AH-GC30」

そのデノンが、ノイズキャンセリング機能を大幅にアップグレードした「AH-GC30」を発売する(関連ニュース)。その実力を音質だけでなく様々な角度から検証してみたい。

AH-GC30は、従来モデル AH-GC20と同じアラウンドイヤースタイルのヘッドホンだ。マット塗装のハウジングをアルミダイキャスト製のハンガーで支える、大胆さと、どことなく女性らしいしなやかさが共存する独特のデザインは健在。カラバリはブラックとホワイトの2色が揃う。

「AH-GC30(ブラック)」¥OPEN(予想実売価格36,750円前後)

「AH-GC30(ホワイト)」¥OPEN(予想実売価格36,750円前後)

AH-GC20から外観は大きく変わっていないが、右側イヤーカップの側面パネルにタッチセンサーリモコンが新設された。大きなポイントとなるのが、デノンのヘッドホンとしては初めてデジタル・ノイズキャンセリング機能が搭載されたことだ。このノイズキャンセリング機能は、ハウジングの内外両側にマイクを乗せてノイズ成分を高精度に解析・消音するフィードバック・フィードフォワード方式としている。

ノイズキャンセリング機能は3つのモードを使用シーンに合わせて切り替えられる。モードの内訳は「飛行機」「シティ」「オフィス」の3つ。ノイズキャンセリングをオフにして通常のBluetooth、または付属のケーブルをつないで有線ヘッドホンとしても使える。さらに、USBケーブルでパソコンなどにデジタル接続できる機能も新設された。


優れたノイズキャンセリング効果。シーンに応じて効果を調整できるのも◎

はじめにノイズキャンセリング機能の出来映えから試そう。右ハウジング側面に配置されたNCボタンを2秒間長押ししてノイズキャンセリング機能をオンにする。オンにした状態で同じボタンを短く押すとモードがスイッチして、音声ガイダンスが知らせてくれる。

右ハウジング側面のNCボタンによってノイズキャンセリング機能を操作できる

「飛行機」モードは周りの騒音がまったく聞こえなくなるほど強力だ。オフの状態からの遷移に違和感はないのだが、ノイズキャンセリング効果はとにかく高い。飛行機に乗らなくても、日常生活で頻繁に使う地下鉄やバスなど公共交通による移動時にも効果は大きく、とても静かな環境の中で音楽リスニングに深く集中できた。

「シティ」はカフェなど街中の賑やかな場所に腰を落ち着けて使う場合を想定したものだ。歩きながら音楽を聴く場合は安全性を考慮するならばノイズキャンセリングをオフにして使う手もある。または周囲の音をミックスしながら音楽を聴ける周囲音ミックス機能機能も併用したい。右側面のタッチセンサーリモコンの真ん中を2度タップすると機能が切り替わる。開放型のヘッドホンで音楽を聴いているようなミックスバランスだ。

そして3つめのモードである「オフィス」は、ノイズキャンセリング効果としては最も穏やかであるように感じた。シティに比べて人の話し声などが音楽を聴きながらでも若干わかる程度の効果に整えられているので、あるいは街中で音楽を聴くときにもオフィスを選択した方が落ち着けるという向きもあるだろう。好みで使い分けたい。

イヤーパッドが肉厚で柔らかく、高い遮音性を確保しつつも側圧が気になることはない

イヤーパッドは肉厚で柔らかい。ふわふわとし過ぎず、ほどよい弾性があるので装着した時にしっかりと頭部に固定でき安定する。側圧が気になることはなかったが、ノイズキャンセリング機能をオフにしても高い遮音効果が得られる。筆者の場合、屋外を歩きながら使う時にはやはり周囲音ミックス機能機能をオンにした方が安心できてよかった。

ワイヤレス/ワイヤードの両方でリスニング

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