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美しい積層チタン筐体、広がりある空間表現

人気ブランドが新技術で「さらなる高み」に挑戦! Unique Melody「MAVEN/MIRAGE」レビュー

2019/03/15 高橋 敦
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一方でその内部に収められたテクノロジーは、それぞれのモデルごとに異なる。「MAVEN」はBA型ドライバーを低域/中域/高域に4/2/4基ずつ搭載する、BA×11基のマルチドライバー機だ。

MAVENは、BA型ドライバーを低域/中域/高域に4/2/4基ずつ、さらに新技術「T.F.A.T」のために1基搭載した合計11基のマルチドライバー機

……お気付きだろうか?「低域/中域/高域に4/2/4基」というドライバー構成だけだと「BA×11基のマルチドライバー」にはまだ1基足りていないことに。

残りのBA1基は音を届けるための通常ドライバーとしてではなく、新技術「T.F.A.T(Targeting Frequency Adjustment Technology)」のための専用ドライバーとして搭載されているのだ。

ではその「T.F.A.T」とはどんな技術なのか?まず目的としては「特定の帯域に発生してしまうピークノイズを抑え込むための技術」である。従来はネットワーク回路や音導管の調整といった手法で対処していたのだが、それらの手法での完全の除去は難しかったという。

MAVENの内部構造

そこで「T.F.A.T」は従来とは全く異なる手法を採用した。専用に搭載したセミオープン型BAドライバーからピークノイズに対して逆位相の音を発生させ、それをぶつけることでそのピークを打ち消す。ノイズキャンセリングの理屈を思い出してもらえるとイメージが伝わりやすいだろう。これまでのモデルでオーソドックな手法を極めた上で、次に踏み込んでいくための、同社の新たなる挑戦技術だ。

「MIRAGE」はBAマルチの基本形とも言える、低域/中域/高域に各1基のドライバーという構成を採用する。だがこちらの内容もやはり挑戦的だ。

「MIRAGE」では低域/中域/高域に各1基ずつBAドライバーを搭載。最新のチューブレス設計を採用し、フルオープン型とした中域ドライバーのため、チタン筐体内部も音響設計を最適化した

各ドライバーから音導管で音を引き回す伝統的な構造ではなく、最新のチューブレス設計を採用。その上で中域用ドライバーにフルオープン型を採用し、チタン筐体内部もそれに最適化された音響設計となっている。こちらの技術は「Zero-Resonance Directional Transmission(Z.R.D.T)」と名付けられており、スタンダードなドライバー構成での技術であることから、今後様々なモデルへの展開も期待できそうだ。

MIRAGEの内部構造

さらに両モデル共通のポイントとして、音をドライバーから耳に導く経路であるサウンドチューブは、ホワイトゴールドでコーティングされたステンレススティール製を採用している。余計な共振を起こさない頑強さを備えるステンレスをベースに、コーティングによって音調を整えているものと思われる。

なお付属のオリジナルレザーケースにも注目。Unique Melodyの新たなコーポレートカラーだという青と緑の中間色のような「Melody Teal」、そして「UM」のラインを纏ったそのケースは、Dignis社に発注した専用品となっている。

付属のオリジナルレザーケース、またイヤーチップのノズル部に「Melody Teal」カラーを採用。写真はMAVEN用

こちらの写真はMIRAGE用のオリジナルケース

ケース内には仕切りが設けられており、収納中に左右のイヤホンがぶつかり合って傷ついたりしないように配慮されている。その美しさに自信があるからこそケースにまでこだわったということだろう。

ケース内には仕切りが設けられており、左右のイヤホンがぶつからないよう配慮されている


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