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2018年11月に発売された最新モデル

Telos Audio Designのアクティブアース発生器「GNR 3.1」をレビュー

公開日 2018/12/21 17:05 岩井 喬
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オーディオにとって理想のアース環境を用意することは容易なことではないが、オーディオ機器へ接続するだけでシャーシ電位を下げ、ノイズ抑制と安定動作を実現させる驚異的な効果をもたらすアクティブアースとして登場以来評価の高まっている、Telos Audio Design(テロス・オーディオ・デザイン)のGrounding Noise Reducer( 以下、GNR)。そのGNRが“3.1”へと進化し、2018年11月に発売された。今回、岩井氏がGNR 3.1を自宅のリスニングルームで試聴を行なったため、その効果についてレポートをお届けしたい。

アクティブアース発生器「Grounding Noise Reducer 3.1」¥ 900,000(税抜)

独自性溢れる構造に加え、厳密なパーツ選別によって高い効果を発揮

GNRは重量級の航空レベルアルミ削り出し筐体内部にCPUを搭載。高精度なデジタルクロック生成と同じような手法を用い、低歪みなアース基準電圧を生成してゼロ電位を作り出すという独自性溢れる構造を採用している。

CPUを備えるモジュールはデジタル系とアナログ系を分けて2基用意され、各々3基のターミナルを装備。最新バージョンであるGNR 3.1は、使用する電子パーツの選別をより厳密に行うことで、得られる効果を高めているとのこと。2人の特別なエンジニアが選別作業に当たっており、仕入れた1万ものパーツから数百程度まで絞り込み、基準外のパーツは廃棄しているそうだ。実にその採用率は1/16となっている。

GNR3.1内部基盤

サウンドは有機的で躍動感に溢れており、より一層生々しい表現が楽しめる

自宅試聴ではパワーアンプのグラウンドだけ繋いでいる状態でもS/Nの向上と音像の密度感、音場の位相表現の正確さが増し、有機的で躍動感溢れるサウンドとなった。楽器の芯も太く安定。ヴォーカルも重心が落ち、ボディ感も実にリアル。息継ぎの細やかさも自然に引き出し、より一層生々しい表現が楽しめる。質感の荒々しさは一切なくなり、雑味のない音離れ良い描写性が特徴だ。

プリアンプやSACDプレーヤーのグラウンドに接続すると、音場の静けさがひときわ高まる。弱音部の抑揚感が改善され、音像の前後感やエネルギーの在り処が明確に掴めた。練り上げられたシステム構築の最後の一手として、ぜひ、GNR 3.1による静寂な空間性とリアルで瑞々しい音像表現を堪能いただきたい。

リアパネルに大きな変更はない。左右ブロックに分けてデジタル機器とアナログ機器を接続することができる

(岩井 喬)

<Specification>
●アース接続端子:WBT-0703 CU Nextgen ポールターミナル(金メッキ) ×6本●付属ケーブル:Yラグ-RCA端子×3本, Yラグ-Yラグ×3本●サイズ:390W×240D×60Hmm●旧バージョンからのアップグレード:¥300,000(税別)●取り扱い:ENZO j-Fi.LLC.、(有)トップウイング



※本記事は「季刊・オーディオアクセサリー 171号WINTER」所収記事を転載したものです。本誌の詳細および購入はこちらから

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