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【特別企画】607/606/603を生形三郎が聴いた

驚くほかない高コスパ、B&W新「600シリーズ」レビュー。9万円で買える800 D3直系モニターサウンド

公開日 2018/11/26 06:00 生形三郎
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800 D3の流れを汲み、B&Wの最新サウンドが手軽に味わえる

試聴インプレッションの前に、結論から先に言ってしまうと、この新600シリーズは、旧600シリーズの進化版ではなく、まさに新たな800 D3シリーズの流れが正統に受け継がれた新シリーズである。実際に、別の機会に旧600シリーズと本600シリーズとを聴き比べてみたが、その差は歴然であった。

800D3が発表された際、B&Wが、これは「進化」ではなく「革新」と紹介していたが、その差がこの600シリーズにもしっかりと表れているのだ。よって、エントリー機ながら、最新のB&Wの魅力がしっかりと、そして手軽に味わえるモデルであるということを、まず先にお伝えしておきたい。

最も小さい「607」でもバランス良好なモニターサウンドが楽しめる

はじめに、最もコンパクトなモデルである、13cmミッドバスを一基搭載した2ウェイブックシェルフの「607」から試聴する。なおトゥイーターは全モデル共通で、25mmアルミニウム・ドーム・トゥイーター1基搭載している。サイズは横幅165mm、高さ300mm、奥行き231mmと、気軽に置ける、設置性のよい大きさだ。

B&W「607」ブラック

B&W「607」ホワイト

まず組み合わせたのは、マランツのネットワークCDレシーバー「M-CR611」。コンパクトながらバイアンプ駆動が可能な、大人気の多機能レシーバーである。

607から奏でられるのは、明瞭感を持った、バランスよいプロポーションを備えた描写だ。解像感が高く、精緻で厳格な描写が楽しめる。実に音切れが良いレスポンスが爽快なのだ。これはまさしくコンティニュアム・コーン・ミッドバスによる恩恵と推察される。

マランツのネットワークCDレシーバー「M-CR611」と組み合わせ、シンプルかつ高品位なシステムを組んでみた

ボーカル表現はもちろん、ベースやバスドラムなどの低音楽器の余韻が実に締まりよく描かれる。そしてオーケストラソースでは、大勢の演奏者の配置や演奏空間の広さが瞭然だ。

このバランス感覚やレスポンスの良さは、スピーカーの存在を感じさせない、モニター的な描かれ方である。演奏の表情はもちろん、各楽器の音像や音色、そしてそれらがどのようにミックスされ、サウンドの全体像を形成しているのかということを、的確に判断することができるのだ。

続いて、デノンのデザインシリーズの中核モデル「PMA-60」でも駆動してみる。USB-DACを搭載し、こちらも「M-CR611」と同様に高い人気を誇るモデルだ。ソース機器に同シリーズの「DCD-50」を用いてCDを再生すると、より中高域に明瞭感が出る鳴り方で、音像や音場空間の全体像を詳細に描き切ると言うより、ボーカル表現などのメロディ帯域をより積極的にピックアップして楽しませるという印象だった。

デノンの「PMA-60」との組み合わせも良好だ

次ページより余裕あるサウンドが楽しめる「606」

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