クロック強化でデジタル再生をグレードアップ

MUTECのクロックジェネレーター「MC-3+USB」「REF10」を、最新DAC 3機種と組み合わせて聴く

生形三郎

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2018年11月22日

●プラン<1> iFi audio「Pro iDSD」

Pro iDSDは、単体では各楽器の音像が高い密度で展開する、充足感の高い音を楽しめるDACだ。どのようなソースでも決して音が硬くなることがなく、耳馴染みの良い音質で楽しませてくれる。


(2)リクロック
接続は上図を参照。こちらはより明確な定位感が得られるようになる。音像が明瞭化し、サウンド全体を冷静に俯瞰できるようなイメージだ。低域表現も至ってタイトになる。一方でDSDファイルを再生すると、MC-3+USBで独自のPCM変換処理されることによる効果か、音像定位の明瞭感は増すものの、低域方向はやや柔らかい表現を楽しむことができた。これに関しては、ほかのDACでも同一の傾向が得られた。

(3)10MHzクロック入力
Pro iDSDは背面にクロック入力の切り替えスイッチを装備しており、アトミッククロックや10MHzクロック入力に切り替えができる。MC-3+USBでリクロックしていた時よりも、DAC本来の音質を残したままで、さらに定位が緻密になり、より一層音の細部が見渡せるようになる。音の立ち上がりに、エネルギッシュなパワー感が出てきて、より溌剌とした目が覚めるような音へとシフトした。

Pro iDSDは背面右側に、音声入力とも共用できるBNC端子を搭載。右側のスイッチ(要マイナスドライバー)で10MHzクロックやアトミッククロックとの入力切り替えができる



●プラン<2> SOULNOTE「D‐2」

ソウルノートのD-2は、全ての帯域で、音のスピード感が精確に揃った出音が快い。音色も一切の味つけを感じさせない実直な音色が楽しめるDACだ。音のセパレーションが抜群で、描かれる音像や展開される空間のリアリティがとにかく高い。


(3)10MHzクロック
背面に10MHz入力を搭載しているため、REF10を直接入力する。演奏の発音タイミングが揃うような変化があり、演奏内容がより明瞭かつ緻密にクローズアップされる印象だ。特に、ヴォーカル帯域の質感がよりクリアになる。低域表現も一層タイトに引き締められ、ベースの余韻が実にスッキリとした。全体的に、発音のスピードが増したかのようだ。

(4)10MHzクロック+リクロック
 こちらでは、10MHzクロックをD-2とMC-3+USBに分配しつつ、MC-3+USBでリクロックを行う。一転して先ほどとは傾向の異なる変化が得られた。高域にかなりシャープな硬質感が生み出された。音がより真っ直ぐに飛んでくるような、エッジが立った音を楽しめる。ドライな空気感を伴ったサウンドだ。

D-2の背面。10MHzクロック入力を持つので、REF10をそのまま入力することに加えて、MC-3+USBのリクロック機能も活用できる



●プラン<3>MYTEK DIGITAL「MANHATTAN DAC II」

マイテックの最高位モデルは、温かみを帯びたマッシブな音が魅力的だ。楽器同士が自然な間合いを持ちながら、高い解像度で描かれる。決してそれぞれの音が不用意に分離してしまうことなく、一体感ある心地よい音が楽しめる。


(1)ワードクロック
この製品は背面にワードクロック入出力端子があるので、MC-3+USBをインターナルのワードクロックとして活用した。ここでも、やはり時間軸方向や音像の定位感が明確化、明瞭化するような質感が得られた。低域表現も引き締まり、再生音のボトムに、よりしっかりとした芯が生み出される印象だ。しゃんとするような質感がある。

(4)10MHzクロック+リクロック
MC-3+USBに、REF10を接続し、リクロックしたデータをDACに送り出す。さらに空間表現が拡がりを得る印象だ。再現される空間がよりリアリティの高いものとなる。音色的には、幾分クールとさえ思えるほどの、冷涼感ある明瞭な表現になる。

MANHATTAN DAC Uの背面。ワードクロック入力を持つため、MC-3+USBをワードクロックとして使える


以上のように、機器に応じてさまざまな方法でクロック制御を行ってみたが、いずれの場合も明瞭な音質効果を聴き取ることができた。改めてクロックの重要性、そして有用性を実感した次第だ。なお、リクロックに関しては、やはりMC-3+USB自体の音質傾向が十全に発揮される印象であった。一方で、純粋なワードクロック及び10MHzの入力では、DACの持ち味を活かしつつ、時間軸方向の一層の精確化が得られた印象だ。ワードクロックよりも、10MHzクロックの方が、よりその効果が強力であった。最新のDACにおいても、MUTECのクロックが大きな実力を発揮することは間違いないと言えよう。

(生形三郎)

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