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海上忍のラズパイ・オーディオ通信(48)

ラズパイ・オーディオだって「普通の赤外線リモコン」で操作したい! 方法を教えます

2018/08/02 海上忍
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多機能化と単純化、どちらを取るか

果たして、筆者のリファレンスにして開発環境の「CASE 01」と「DAC 01」の組み合わせはリモコンによる操作が可能となった。正直なところリモコンの外観・質感はチープで、所有する喜びはないが、オーディオ機器としての基本的な部分での操作性は格段に向上した。

赤外線リモコンで操作できるようになった「CASE 01+DAC 01」。現段階では、音量調整と再生/一時停止、曲送り/戻しを実装している

最大の成果はボリュームだ。開発中の独自ディストリビューション「1bc」は、現在のところWEB UI上のスライダーまたはOpenHome対応アプリでの音量調整を基本としているが、タッチパネルをドラッグするよりリモコンのほうが断然扱いやすい。これまでは、ほんの少しボリュームを下げるためだけに(リモコン代わりに使う)スマートフォンのロックを解除し、画面を見つめながら操作していたものだが、赤外線リモコンが使えるようになってからはそんなストレスはなくなった。

曲送り/戻しもうれしい。Google Play Musicのような膨大な曲数を擁するストリーミングサービスを聴いていると、自分好みではない曲がかかることもままあるが、赤外線リモコンを使えば一瞬でスキップできてしまう。お気に入りの曲をもう一度頭から再生という場合も同様に、WEBブラウザやアプリの存在を意識しなければならないスマートフォンより断然スピーディーだ。もちろん、一瞬で再生/一時停止できるし、電源オフもボタンひとつだ。まだ機能を実装していないが、CDやUSBメモリといったソースの選択にも対応できるだろうし、プレイリストの選択もできるようにしたい。

とはいえ、あらゆる操作を赤外線リモコンで行うのはナンセンスだ。アルバムやアーティスト単位で再生対象を選ぶ場合や、文字列の入力が必要な場面はスマートフォンのほうが優れている。各種設定についても、GUIを使えるスマートフォンのほうがいい。情報量の多いストリーミングサービスの選曲は、断然スマートフォンだ。

多機能化と単純化のどちらをとるかではなく、うまく併存させていくことが趣味のオーディオに求められているのではなかろうか。

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